2017年09月

2017年09月25日

170925 子犬を飼う

一寸した判断ミスで高齢の私が子犬を飼うことになった。ペット店から早く退出すればよかったのだが 売りたいベテラン店員に乗せられて長居し過ぎて買うはめになり、騒ぎが始まった。オスの豆柴でPと名付け、居間に大きなサークルを据えて飼い始めたが、先ずはトイレの場所を教えることだった。準備したトイレをなかなか使わず困ったがトイレの場所を左右置き変えると途端に使い始めた。ペット店のトイレと左右が違っていたらしい。Pも人と共同生活するのは初めてで当惑気味だったが、段々と落ち着き始め、その内すっかり家族の一員になってきた。                      
                            
話に聞くと柴犬は本当に利口で知能指数が高いという。ケージの中から常に当方の行動を見守り、Dog-Foodの袋を開封する微かな音を聞くと途端に立ち上がりキーと鳴く。当方が着変えを始めると、散歩だと察知してそわそわし始め、当方の次の行動を読もうとする。そ知らぬ態度をしているとPも諦めて座り込み、窓の外をじっと眺めているが、あたかもヒトがもの思いに耽る姿にそっくりだ。数多い種類の中でも利口な柴犬は、犬の学校ならいつも学級委員だろう。                          
                              
しかし知能レベルは当然 動物レベルであり、Pの考察は目先だけで将来を思索する我々人間とは絶対的な次元が違う。勿論我々の思考も限界があり、現実社会からなかなか離れられず、次の大地震はいつ発生するか、株式がいつ暴落するか、北朝鮮がどうなるか等は、誰も分からず神様だけが知っていることだ。その意味では犬も人間も思考次元が違うだけであり、一概に犬を見下すこともできない。     
                             
4ケ月経過して3種類のワクチン接種も終わり、やっと散歩OKとなった。先ずは外で放れても必ず自宅に戻ってくるように、自宅周辺の地理を覚えさせることから始めた。数百メートル範囲で東へ西へと散歩を繰り返えすと、Pは自宅への道順をかなり覚え始めたようだ。夕方私が帰宅してPを散歩に連れ出すと、喜んで玄関から飛び出すが直ぐに戻ろうとする。散歩よりエサのほうが欲しいらしい。無理やり引っ張って10分ほど離れた公園に連れ出すが、Pの帰宅本能は強烈で隙さえあれば帰ろうとする。                  
                                                      
ある時、公園で糞の処理をしていた時、突然Pが私の手を振り切って放れてしまった。あ!大変だ、捕まえよう私は追ったがもう敵わない。一目散に自宅方向に走り去った。私も急いで自宅に帰ったがPは帰っていなかった。成犬は必ず自宅に帰るが、幼犬は道に迷って帰らない場合が多いと聞くと不安になる。自転車で走り回ってみたが陰も姿もない。念のため首輪に住所と電話番号を書いておいたので、誰かに捕まれば連絡がある筈とも思うが、人気の豆柴小犬だから売り飛ばされる心配もある。警察にも頼めずウロウロしていると、ガラス戸を横切るPの蔭が見えた。あ! 帰ってきたと大喜びで抱き上げるとPもしっぽを振ってエサを欲しがる。

半年が過ぎ体重も6キロ近くなると、Pの体力も段々と強くなり、高齢の当方は引っ張り回され始めた。これでは大ケガすると去勢を考え始める。去勢すると性格が優しくなるとペット病院の獣医は薦める。中国の皇帝は、自分を倒して王座を奪う危険な親族の男性は殆ど去勢し、また王宮に勤める下僕が女官に手を出さないよう全員去勢したという、逆に王宮に勤めて出世しようと自ら去勢する男性もいたらしく 史記を書いた司馬遷も自ら去勢して偉くなったという。
                              
                              
私が若くて元気なら、絶対に自然のまま飼うが、足元が怪しくなった年齢では自分が大ケガする危険もあり悩んでいたが、日に日に体力を増すPをみて遂に決断した。信頼する飼い主が去勢を考えるとはPには酷なことだが、最近の室内犬は殆ど手術するという。長年一緒に生活するのだから去勢した方が楽で飼主も犬も幸福ですよ!と言うのは必ずしもペット病院の営業言葉だけではないらしい。確かに繁殖を考える訳ではないから、狭いサークルのなかで日夜メスを想い求めるストレスは哀れでもあり、思いっきって病院に予約した。          
                                
予約した当日の朝、Pをペット病院に連れて行った。飼主を信頼しきっているPの目を見ながら、今後は思いっきり可愛がってやるからと心を鬼にして病院に預けた。手術は簡単だから夕方には引き取りにくるよう言われたが、日中はPのことが頭から離れなかった。       
                             
夕方病院に行くと、はーい!手術は無事終わり麻酔も覚めて元気ですよ!と若い受付の女性が愛想よく出迎える。当方の声が聞こえたらしく ヒーと鳴くPの声が聞こえた。そして暫くしてペット医師がPを抱いて出てきた。流石にやつれて恨めしそうな顔つきで私に飛び込んできた。ひどいことしてごめん!と私は心のなかで謝りながらPを抱いて医院を出た。酷い手術を決めたのが私だとはPが知る由もないが、これから大切に飼い続けてやろうと心に誓って抱きながら帰宅した。  




mh3944 at 08:24|PermalinkComments(0)

2017年09月21日

170921 早朝の電車  

ユーザー訪問の為、早朝3時半に起床、食事を済ませて犬の散歩を終えて、4時半に我孫子の自宅を出て、早朝2番電車で八王子に向かった。2時間ほど電車を乗り継いで、6時半に駅に着きバスに乗り換えて 7時に工場に到着、夜勤明けで退社するS君と面談した。当社は殆ど年配社員で頻繁に接触する必要は少ないのだが、高齢故に健康の心配もあるので。                                     
                                      
早朝電車の乗客は殆どスマホだが、私はガラケー専門だ。料金の安さが主な理由だがスマホのNews-DigestとLINE交信に空け暮れる日常は体質的に好きになれない。頻発する事件も時代変化の反映であり次々と読むのは荷が重い。家ではY紙とS紙を購読しているが、やはりS紙のほうが深くて面白い。日本のOpinion-LeaderだったA紙は、極端な左翼思想で慰安婦記事など国際的な批判を巻き起こして信用失墜し、代わってY紙がマスコミ界のリーダーになったが、そのY紙も内容は深くはない。私が好きなS紙は右翼的なマイナー紙だが、分析が深く記事には結構説得力もある。電車に持ち込んだS紙を隅から隅まで面白く読んだ。                                                                                  
電車乗客の殆どはスマホをいじっている。世界の出来事を短時間で知るにはやはりNews-Digestが最適なのだろう。事務所ではPCで、連絡はLINEかも知れないが、作文に弱い私はPC専門で粗稿を繰り返し推敲する。重要なメールは翌日見直してから発信する。 私はLINEを使ったことは無いが 時間を置かずに返信することが原則だと聞くと益々気後れする。LINEのように瞬間的な判断で人間関係が進むと誤解の多い社会にならないかと不安に思う。多分LINEは日常会話のみで、業務は殆んどPCメールだろうが、それにしても若い女性はLINEから離れられないと聞くと恐ろしい社会になったものだと思う。                                         
                                           
わが社の社員3名は年配の高卒でメカと電気とPCが出来る。仕事は現場のROBOT群の管理で、全く縁の下の力持ち的業務である。工場の自動化が進むと、機械の保守管理は極めて重要になるが、3K仕事なので若者達は絶対にやらない。夜勤明けに面談したS君は高卒だが仕事が出来る有能な技術者であり、しかも常識豊かで礼節を弁えた素敵な人物だ。大卒者は往々にして学歴に拘って成熟できない人物が多いが、高卒は捨てる学歴が無いから素晴らしい人物がいる。              
                                              
S君と別れた後、昼食を一緒にする日勤のM君を待つ間、私は長い時間があったので、事務所の屋上の長椅子に座りぼんやりしていると、忙しそうに走るアリに気づいた。こんな高い所にエサなどある筈もないと思うが、日陰を選んで懸命に走り回っている。暫く眺めていると何だか我々もアリと大差ない人生を送っているのではないかと思い始めた。                           
                                             
私も一層懸命に働いてきたつもりだが、80年を振りかえると、誇れる成果は少なく恥さらしばかりが多くて、アリと大きくは変わらないかもしれないと思い始めた。大昔、中学校で読んだ志賀直哉の城崎にて、を思い出した。内容は忘れたが、何だか傷ついた生き物を眺めながら人生を振り返った随筆だったように思う。                            
                        


mh3944 at 11:16|PermalinkComments(0) 雑感 

2017年09月06日

170906 北の核武装

最も恐れていた北の核実験が進展している。自国民はメシも食えず飢えているのに金正恩は相変わらず核/ミサイル開発に熱中する気違いリーダーだ。                                                                         
最も危機感を感じている筈の韓国では、大きな不安はなく警戒警報が鳴っても地下鉄に避難する市民は殆んど居ないという。文大統領も切迫感は薄く、可能性のない南北直接交渉に拘り続け、慰安婦問題や徴用工問題の蒸し返しする。北の核開発が長年続けられた理由は、国境に近い首都ソウルを北が人質に取っているからであり、38度線沿い北側の長距離ロケット砲200基がソウルに標的を合わせているのだ。もし西側が強硬手段に出ると、北の長距離砲が一斉に火を噴き、1時間以内に10万発のロケット弾が発射され、数十万人のソウル市民が犠牲になると言われるが、ソウル市民にはそのような悲壮感が殆ど感じられない。北が同じ朝鮮族の韓国を攻撃することはあり得ないと思っているらしいが、それは大間違いであることは65年前の朝鮮戦争を考えれば直ぐに分かる筈だが、世代が変わると認識も変わってきたらしい.                     
                                     
残念ながら日本も切迫感が薄い。先日の青少年のアンケート結果では、日本憲法第9条を改正して自衛隊を合法化する必要があるかとの質問に対して、国民全体では50%以上が改正の必要ありと答えたが 青少年に限れば改正賛成は20%で、反対が50%だという驚くべき結果だった。将来の日本を背負う青少年の半数が、憲法改正は不要で、北朝鮮の核武装を危険とは思っていないらしい。これでは韓国を笑えない。         
                               
更に青少年の思慮なさを笑って済ます訳にもいかない。日本の国会議員、特に野党勢力は、北朝鮮の核開発には殆んど無関心で、相変わらず森友学園/安倍昭恵夫人の関係追及とか、加計学園の獣医学部新設の阻止に血眼になっており、横須賀や沖縄を狙っている北の核ミサイルには殆んど関心がない。最高エリートの国会議員が自国を守ることにこれほど無関心なのには本当に不思議なことだ。   
                             
今の日本は米国の核の傘に守られて一応安全に見える。しかし自分が守ろうとしない日本を他人の米国が守ることには潜在的な不満がある。もし米中が深刻に対立した場合、米国が地球の裏側の日本を本気で守るべきか否かには議論があるという。自分の国は自分が防衛する以外に確実な防衛策はあり得ず、他国に全面依存する現状こそ異常なのだ。もし韓国,日本,北朝鮮の関係が不穏になった時は、韓国は同じ民族の北朝鮮に味方する可能性も大きく、米国が日本を守る確実な保証はないのだ。                             
                               
安倍首相の内閣支持率が低下したのは首相に気の緩みがあった為で、厳重に反省すべきであるが、安倍首相は国際政治で大きな信頼感を得ている大政治家であるのも事実で、トランプ大統領やプチン大統領に直接電話できる首相は従来の日本では考えられなかった。現代の国際化社会大きな影響力をもつ国際政治家なのだ。加計学園や森友学園の如きケチな案件で,国際社会で大きな発言権をもつ安倍首相を追い落として、雑魚政治家に交代させるのは、百利あって一利ないことを野党も真剣に考えるべきだ。                       
                             
北の核ミサイルに晒されると日本は深刻な状況になる。町のおばさんが、平和,平和と空念仏を唱えても金正恩には全く通じない。ヘボな評論家が誠心誠意に話し合えと繰り返すのも全く見当違いだ。外交交渉は殆んど経済力と武力で決まることは歴史をみれば明らかである。核をもつ国と持たない国には交渉力に大きな差があり、核武装した北朝鮮は日本からあらゆるものを奪い取ろうとする筈だ。

今後は日本の核武装が大議論になるだろう。米国トランプ大統領も内心では、これ以上日本を守ることは出来ず、日本も核武装すべし思っているのは周知の事実だ。北が核保有すれば韓国も結局は核武装する。そして台湾、ベトナム、インドネシアと東南アジアの殆どの国も核武装に動くだろう。このような世界の政治動向を考えずに平和ボケした民進党、共産党や、評論家達が安楽にメシを食える日本は本当に不思議な国だ。




mh3944 at 12:22|PermalinkComments(0) 政治