2018年05月

2018年05月28日

180528 パワハラの昨今


日本大学アメフトの内田正人前監督のパワハラが露呈してマスコミが大騒ぎしている。野党はモリカケ問題がぼやけると心配するが、アメフト騒動は燃え続ける。辞任した内田監督はパワハラを真っ向から否定したが、被害者の宮川泰介選手がマスコミの殿堂 日本記者クラブに呼ばれて詳細を説明し、鬼の内田監督は遂に入院してしまった。                                                                  
                  
体育会系では、従来からパワハラが色濃く残存しており、女子レスリングの伊調馨が至学館大(名古屋)から東京へ練習場所を移した途端、至学館の栄和人強化本部長から徹底的に虐められた事件も同根だ。しかしパワハラはスポーツ界だけでなく、電通の若い女性の自殺の如く 現業企業にも色濃く存在している。                                                                                                                                  
60年前に私が尼崎の日米合弁JRCの研究部門に入社した時、経営も理解できる技術屋になろうと、神戸大学経営学部(夜間)で勉強しようと考えた。上司K課長は毎夜マージャンなので、私が退社後の自由時間を通学しても問題ないだろうと思ったが、夜学通学を知った上司は怒った。自分が学んでいない経営学を部下が学ぶ必要はないと退学を迫り、辞めなければ遠方の石川県美川工場に転勤させると脅された。                                                                                      
                                     
北陸の田舎工場に放逐されては敵わないと、私は泣き泣き神戸大学に休学届けを出した。2年間の休学期限が経過した時、K課長が転勤となり、私は再び神戸大学に復学して無事に経営学士号を取得した。しかし四苦八苦して取得した経営学士も使い道は無く、何とか生かせるチャンスをと狙っていたが、偶然にも会社が経営方針に関する社内論文を募集していることを知った。                                                                                        
実務経験に乏しい若者には,企業を如何に経営するかは難テーマだったので、私は作戦を考えてデータを駆使した実証学的な論文を書こうと発起し、半年かけて400字詰め100枚程度の論文を書いた。数値に振り回されて、内容的には消化不十分な論文であったが、企業戦略を数字で論じるユニークな論文と言われて、私の想像以上に解釈が拡大し議論を広げる提案となり、見事に一等賞となって社内は驚愕した。                                                                                   

しかしパワハラが起きた。事前に上司に相談すると一喝されて論文断念を命じられるのは確実なので、私は本社人事部に直送したが、その論文が一等賞となって社内報で大々的に公開され、初めて部下の論文を知った上司は大いに不機嫌だった。しかし私の論文を読んだ社長は異常に関心を示し、私を本社企画課長に転籍するよう命令した。                                                                                                                                          
一般の人事異動は人事部長の権限だが、技術部門に関しては当人の専門分野が深く関係するので、技術部長の事前承諾が必須だが、技術屋の私は社長の直接指示で発令された為、上司に無断で部下が本社に転籍して企画課長に昇格したことに上司は激怒した。そして転勤に関する一切の協力を拒否し、大阪→東京の転勤費用支払書にも捺印を拒否した為、家族同伴の移動費用がなかなか貰えず、苦渋した古い思い出もある。                                                                                
                                           
今回の騒動で渦中のアメフト前監督の内田正人氏は、日大相撲部監督から日大理事長に出世した田中理事長の次を狙っているとも言われているが、パワハラを否定し続ける今回の騒動で、その野望は風前の灯となった。好事魔多しというところか。                      
             





mh3944 at 09:44|PermalinkComments(0) ビジネス 

2018年05月18日

180519 フランスの凋落

仏マクロン大統領が苦闘している。 歴代政権が過度に規制緩和を進めて生じたフランス国民の怠惰病を断ち切りメスを入れようとして、国民から猛反発を食っている。 怠惰病は、国鉄、航空会社、法曹界、大学など広範に広がり、規制緩和で生じた悪平等が深く浸透してフランスの国力低下を招き、重大な事態に陥っているという。         
                                         
産経新聞(5/2)によると、例えば世界の大学格付で、世界のNo.1のオックスフォ-ド大学、No.2のケンブリッジ大学に続く実績と格式を誇っていた仏ソルボンヌ大学はNo.196位に迄ランクを下げた。因に東大はNo.28位、京大はNo.36位。 誰でも自由に大学で学べるべしとの方針でソルボンヌ大学は入学試験を廃止し高卒者全員に門戸を開放し、希望者多数なら抽選方式にした為、大学には学力不足の学生が溢れて、無事に卒業できる者は半数にも満たないという。                                                                                         
                                       
昔は肉体労働だった国鉄には多くの特典が残存しており、従業員は52才になると退職して年金を満額受給するという民間ではあり得ない厚待遇のため、フランス国鉄の債務残高は6兆円に達した。ドイツや北欧諸国は年金制度を大胆にカットして競争力を回復したがフランスは改革案が提案される度に大規模デモに発展して全く解決されない。その結果フランスの経済力は独,英,他諸国に大きく引き離されてしまったという。                                                                                
                                          
マクロン大統領が掲げる悪弊改革は、次の如くであり、日本や西欧諸国ではごく当り前のものばかりだが、既得権化したフランス国民はこの改革に猛反対のストライキを起こすという。
    a) 大学入試を能力主義に戻す  
    b) 国鉄職員の年金制度の改革   
    c) 議員が自分の家族を雇用することを廃止、
    d) 労働者の過保護を止めて、企業の競争力を回復  
   e) 法人税33%を段階的に25%まで引き下げ  
    f) 継続中の非常事態宣言の解除       
                                           
                                        
かような悪弊が続くとフランスは国力を喪失して、残るは幻のごとき観光業だけになるが、その観光業も近年はテロ頻発で、フランス旅行者は大きく減少し始めているという。                          
                                      
欧州の私の友人達の言動からもこの雰囲気は十分理解できる。ドイツ人は律儀で堅苦しく話し難いが、イタリア人は社交的で医薬会社の社長が、イタリアには2重帳簿が多く、課税対象と実売上高とはかなり差がある、日本企業はバカ正直すぎると笑う。イタリア、スペイン、トルトガルなど南欧ラテンの友人達は底抜けに明るく楽天的で、交通ラッシュが朝昼夕の日に3回、昼食後は自宅で昼寝というシェスタ慣習も最近は影を潜めてはきたが国民は享楽的な人生を楽しみ、同じラテン民族のフランスも人生は楽しむべしと信じる人々が多いようだ。                        
                                               
日本も笑ってばかりはおられない。野党は国民の歓心を買うことに熱心で、彼らが提案する放漫予算が実現すれば、日本もフランスのように国力を失って凋落に陥る危険性が大きい。日本の大きな問題は2つであり、ひとつは 若者達が元気を喪失して人口減少が止まらないことで、他方は福利厚生予算ばかり増加する放漫財政を続けていることである。これらは複雑な問題だが、与野党は如何に若者のやる気を取り戻すかを真剣に検討すべきである。
                                               




mh3944 at 08:26|PermalinkComments(0) 政治 

2018年05月13日

180514 北朝鮮の将来

平昌オリンピックを契機に、北朝鮮問題が大きく動き始めた。強硬策一辺倒で、核ミサイル路線を強行してきた金正恩が突然に急旋回して、和平路線に向かうとは誰も予想しなかった。我国も核ミサイルと毒ガスの恐怖からは何とか避けられそうになった。                                                                         
オバマ前大統領が、戦略的忍耐とかの口実で静観し、北に核ミサイル開発を黙認した。国土が広大なロシアと中国は、北の核脅威を殆ど感じず米国を苦境に落とすことを望んだ。韓国は北朝鮮と連邦して人口8,000万人の核大国に変身することも夢見ながら複雑な心境だった。米国と日本は、北の核ミサイルを絶対に容認できない立場である。                                                                                                                    
トランンプ大統領は、強硬な北朝鮮の封込め政策を実行し、北の核基地の部分的攻撃計画も密かに進めていたが、核戦争による人類危機の歴史上の汚名は負いたくなかった。幸い平昌オリンピックで韓国大統領と金正恩が直接面談して、米国と北の会談が実現することになり、経済封鎖に苦しむ金正恩は、金正恩体制の保障と経済封鎖が解除されれば、核とミサイルを放棄すると大胆に提案した。 北の核問題が解決すれば、世界を核戦争の危機から救う画期的な成果であり、マスコミはノーベル平和賞だと騒ぎ始めた。                                                                                                                             
北が核の一括廃棄を受け入れれば確かにノーベル賞は当然で、その成果を引き出したトランプ大統領と韓国文大統領は受賞するだろうが、金正恩は多分 段階的廃棄という騙しの手法を主張するだろう。 金正恩が多数の自国民を殺害し、バンコック空港で金正男を暗殺した残虐事件の犯人がノーベル賞では誰も納得しない。仮に金正恩が核ミサイルの一括廃棄を受け入れれば、それは受賞に相当する勇気ある決断だが。                                                                                                         
                                             
問題は米国に北の体制保障を求めている金正恩の本心である。金正恩は核廃棄を先行して殺害されたリビアのカダフィ大佐の例を知っている。カダフィ大佐が欧米の要請に応じて核廃棄を断行したが、彼を殺したのはアラブの春で自由を満喫したリビア国民である。北朝鮮が民主化すると、強権政治に苦しんでいる北朝鮮国民が目覚めて、怒りの矛先を金独裁政権に向けるのは確実であり、金体制が危機に陥る可能性は極めて大きい。                                                                                                                       
                                            
しかし米国は北朝鮮の内政に関与できず 増して北国民の自由化運動を抑圧することはあり得ない。 可能なのは、北の国内が混乱した時、金正恩家族を含む北の指導部一族の米国亡命を受入れる程度であろう。金正恩が突然 習金平を訪問して後継を頼んでいることを考えると、まだ34才と若い金は現体制が半永続的に永続することを思案しているに違いない。もし北が金一族の強権独裁政権の継続を夢想しているのであれば、彼の将来は極めて暗く悲惨だと教えてやる必要があろう。






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2018年05月07日

180507 野党は日本を潰す

先月の全国紙に、桜井よしこ女史以下50余名の有志諸氏が連名で、国会よ正気を取り戻せ!と意見広告を載せた。昨今の国会はもう正気を失って、枝葉末節のスキャンダル論争に明け暮れている!と厳しく警告したものだ。議院内閣制の為、安倍首相が 国会質疑に拘束されて枝葉末節な論争に巻き込まれ、外交や安全保障などの最重要問題に対応出来ないことを憂慮し、無責任な野党を激しく警告した。 森友学園は財務省内の問題、加計学園は固定した岩盤規制の打破問題、自衛隊日誌は公文書管理の問題であるにも関わらず、安倍首相を缶詰にして、重要案件を検討する余裕すら与えない野党を非難している。枝野代表、辻元国対委員長、志位委員長、小池書記局長など、立憲民主党、共産党、民進党など野党幹部は、スキャンダル論争に熱中して国会を空転させ続ける。                                                                           

山本一郎氏も 新聞に喝!と全国紙上でマスコミを厳しく糾弾している。福田前財務次官と女性記者とのキス問題、加計学園の首相忖度問題、など仔細な事件を、恰も重大事件のように騒ぎ立てて国会を空転させる野党を厳しく糾弾する。それは恰も中世ヨーロッパが公開処刑を娯楽にしたのと同じで、国民に媚びを売る野党の作戦だ。                                                                         

私は役人を好きではないが、長年官庁勤めしたエリート次官がある女性記者とキスしたことで、次官の全てを否定するのは余りに非寛容だ。欧米社会では男女関係にもっと寛容で、米国トランプ大統ごときは 無数のスキャンダル報道を一蹴し、ヨーロッパ諸国でも余程でない限り、キス程度で議会が中断することなどあり得ない。加計問題も安倍首相への忖度もあったが、主犯は半世紀もの間、獣医師不足引き起こしても獣医師業界の独占利益を守ろうとした文科省の仕業であり、忖度などは全く枝葉末節だ。                                                                                   


特に私が不快なのは、野党議員が故意に言葉を言い換えて混乱させることだ。例えば不祥事を繰り返す安倍内閣は総辞職すべきと全国民が怒っているとの発言は、全ての国民がそう思っていると説明するのは大間違いで、吐き気をもよおすほど不愉快だ。野党はあらゆるケースで自分と国民とを故意に言い換えて 国民を洗脳し扇動しようとする。国民はそれほどバカではない。                                                                                    
      
その証拠に、安倍内閣は支持率を下げているのは事実だが、野党も支持率を下げ続けており、増えているのは無党派ばかりである。これは野党の主張に国民が納得していないことを示している。激変する国際情勢で 国民を如何に守るかに野党は全く無関心で、国民を扇動して政治を混乱させている。国会を空転させる野党のバカ騒ぎも数百億円の巨額な予算を浪費しているのだ。ある参議院議員は、もし再選する意思が無ければ殆ど活動せず、任期の6年間に2億円は貯まると漏らしていた。国会は空転でも予算は浪費され続けているのだ。                                                                                     

終戦後70年、反政府運動で騒ぎ続けてきた沖縄でも、昨今の首長選挙で、野党候補が敗退し続けている。もういい加減にバカ騒動は止めて正常な政治に戻せと現地の島民は怒っているのだ。 諸外国も我が国のバカ騒ぎを嘲笑している。                                                                                

枝野代表、辻元国対委員長、志位委員長、小池書記局その他の野党幹部は真面目そうな顔のバカ騒ぎは止めて、正常な国会運営に戻し、危機に瀕している日本の進むべき戦略を真剣に議論してはどうか?



mh3944 at 10:08|PermalinkComments(0) 政治 

2018年05月01日

180501 肉体が縮む

自分の背丈が4cm近く縮んだとこのごろ妻が嘆く。3才年下の妻は私と同じ高校だったが、長身で学業も優秀、運動会の団体行進でもいつも先頭を歩むマドンナだった。義母も若い時は〇〇小町と言われた長身美形で、昔のインターハイ 神宮競技大会では何度もメダルを獲得したというが、結婚したご主人(技術将校)がインドネシアで戦死して母子二人で戦後を生き抜いてきた。縁あって私と結婚したが、子供達は母方遺伝子の優性遺伝で、義母や妻のDNAを強く体現しており、人並み以上の運動神経と体形に恵まれているのは嬉しいが、ヒトは誰でも年齢を重ねると関節部分の軟骨が薄くなって身長が縮むのは避けられない。
                                      
私は身体だけは頑強だが、不器用で背丈も平均以下、団体行進はいつも後のほうだった。優等生の妻と違って私は 中学,高校でも表彰された覚えは殆ど無く、頑張った筈の期末試験も殆ど平均だった。しかし出題範囲を限定しない全国センター試験等では、何故か私はいつもTOP成績だったので、先生や級友達から不思議がられていた。範囲限定の学期末テストは、ヤマ感で勉強するので、不器用な私は順応できなかった。

高校時代のある数学の時間に私が、函数のことを関数と黒板に書いて数学教師からこっぴどく怒られたことがある。堅物の数学教師は、私が書いた関数は全く初耳で、函数学者としてのプライドを傷つけたらしい。しかし頑固な先生に反論しても勝てる見込みもなく私は黙っていたが、半世紀が経過した今日では殆ど関数になっている。

かなり屈曲した青春時代に育った私は、その後の長い人生でも反抗心を心の糧として逆境を生き抜く二宮金次郎タイプの人間になってしまった。しかし齢を重ねると性格も段々と穏やかになり、頑張り精神も衰えて丸味を帯びてきたが、頑強な肉体だけは維持しているつもりだった。

しかし先日小さな出来事があった。私は永年25.5cmの靴を愛用しており、梅雨が近くなった先般、柏の靴店で25.5の雨降り用の合皮靴を買ったが履き具合が悪く返品しようと同店に戻り、試しに24.5を履いてみると今度はピッタリだったので本当に驚いてしまった。長年の愛用サイズ25.5から1cmも縮小していたのだ。頑強が取り柄の私の肉体も遂に縮小し始めたことを知り悲しくなった。 
                         
食べ物も同じで、近年は人件費アップに対抗して、ランチや商品の定価を変えず量を減らしてコストをカバーするが、健食家の私は大いに不満だった。しかし近年はその減量ランチがお腹に具合良いことをたびたび実感し始めている。

いずれにせよ、80才にもなると肉体は収縮し、闘争心も萎えることは避けられないが、病気になって家族や周囲に迷惑をかけることだけは、極力避けようと強く意識しながら日々を暮らしている次第。





mh3944 at 12:40|PermalinkComments(0) 雑感