2019年01月
2019年01月28日
190128 津波遺構の解体
東日本大震災で40人の犠牲者を出した岩手県大槌町の旧町役場が遂に解体された。解体を主張して新しく町長に当選した平野公三派と 遺構保存を主張する反対派が7年間も論争し続けたが、終に町議会が解体を議決して実行し始めた。反対派は工事差し止め訴訟も起こしたが、盛岡地裁は却下して旧庁舎の解体工事が今年の1/18に開始された。誠に残念なことである。
旧庁舎を解体して何の利益があるのか全く理解できない。悪夢を忘れる為に遺構解体を主張する遺族を盛岡地裁は制止出来なかったのだろうか。 役場廃屋が残っていては残酷な津波災害を忘れられず再出発できないとの賛成派の主張に、新町長が被害者の苦悩に寄り添いたいと殊勝そうに応えるが、更地にしても大津波の恐怖を忘れることは出来ないことは知っているだろう。確かに無責任な見学者も来るかも知れないが、2度と再現できない歴史的な大津波の遺構が無くなれば、今度は本当に誰も来訪しなくなり見捨てられてしまうのを、関係者は何故理解できないのだろうか?
外部からの来訪者には興味本位の人もいるが、遺構がなければ、東北の辺鄙な大槌町には誰も来ないだろう。震災の博物館などでは味わえない恐怖の実感を破壊された本物の庁舎から感じられるのだ。安楽に暮らしている人達に、悲劇の現場を見せるのが悔しいのだろうか。見学者は現場を訪れて遺構を見学することで津波の恐怖を実体験でき、大槌町の復興にも更に関心を深めるだろう。我々国民は税金やボランティア等で東北復興に貢献しており、予報される次の大震災にも備えることができるのだ。例えば最大40万人もの犠牲者が想定される南海トラフ大震災の来襲予想に、静岡、愛知、和歌山、高知、宮崎などの住民は恐怖のもとで日々暮らしているのだ。首都圏直下大地震の来襲予報にも拘らず、1000万人以上の若者達が住宅密集の大東京で働いているのだ。
大津波被害の遺構を解体して安心するのは、20年前のバーミヤン大仏を破壊したイスラム狂信者と同じことではないか。取返しのつかない大津波の破壊跡の撤去開始の報に、私はただ呆れている次第。同様な論争があった原爆ドーム廃屋を守り通して、世界中から来訪者が絶えない広島市民の良識を見習うべきだ。
2019年01月21日
190121 大相撲の土俵
横綱稀勢の里が引退した。横綱になって12場所で8連敗、これ以上の醜態を見せられないと悩んだ末の判断だろう。記者会見では一片の悔いもないと言っていたが、本心は真逆で、悔やんでも悔やみきれない決断であり、あふれでる涙が心情を物語っていた。しかし稀勢の里は、土俵で勝手気儘に暴れ回るモンゴル勢を制圧し、連勝に連勝を重ねて誰も手が付けられなかった横綱白鵬を63連勝で止めた大関であり、日本人力士として大きな役割を果たし、相撲フアンの人気は絶大だった。
稀勢の里は入門時の部屋の親方隆の里によく似ている。隆の里は地味だったが、無敵の千代の富士の天敵として、ウルフの前に立ちはだかり、速攻の千代富士vs、正攻の隆の里と言われたが、稀勢の里もその構図を引き継いた。不器用な稀勢の里は、変化、かちあげ、目潰しなど何でも使うモンゴル力士に対して常に馬鹿正直な取り組みを続けた。日馬富士との一戦で土俵下に陥落して大怪我を負いながらも、千秋楽の白鵬戦に勝って逆転優勝を果たしたが、利き手の左大胸脇筋と上腕の傷を更に痛めて、遂に完治することなく32才で現役人生を終えることになった。
外国人力士は勝つためにはあらゆる奇手をつかうが、不器用な稀勢の里は、モンゴル勢が得意とする、変化、張り手、エルボー、目潰しなどは全く使わない。奇手の外国人力士に対して、正攻法から抜けきれない稀勢の里は、瞬間的な変わり身で何でも繰り出す外国人力士に敗れることが多かった。
近年大相撲はケガが多いが、私はその原因を、周辺より高い土盛りが主因だと思う。取っ組み合って土俵下に転げ落ちる時の60cmの落差は、落下したときの衝撃度を何倍にも増して、筋肉や骨を激しく強打する。日馬富士との取り組みで土俵下に落下して左胸の筋肉を激しく痛めた稀勢の里は、翌日の千秋楽には、包帯をぐるぐる巻きして出場して白鵬戦に勝ち見事に逆転優勝したが、左胸損傷を回復困難なまで傷つけた。60cmの高所から200キロ近い巨体が陥落して激突する衝撃は非常に大きい。
私は土俵高さを現在の半分以下の20m〜30cmに下げると衝撃度は1/4以下になり、ケガ防止の大きな効果があると思うが、力士達は袋叩きに遭いそうで誰も言い出せない。正月場所でも連勝を続けて2回目の優勝を狙っていた御嶽海が、妙義龍との一戦で土俵から地面に飛び降りて足腰を痛めて休場に追い込まれた。土俵の高さを低くしてケガの減らそうと評論家諸氏からでも提案して欲しいと思うが、干されるのは怖くて言えないのだろうか。
稀勢の里は入門時の部屋の親方隆の里によく似ている。隆の里は地味だったが、無敵の千代の富士の天敵として、ウルフの前に立ちはだかり、速攻の千代富士vs、正攻の隆の里と言われたが、稀勢の里もその構図を引き継いた。不器用な稀勢の里は、変化、かちあげ、目潰しなど何でも使うモンゴル力士に対して常に馬鹿正直な取り組みを続けた。日馬富士との一戦で土俵下に陥落して大怪我を負いながらも、千秋楽の白鵬戦に勝って逆転優勝を果たしたが、利き手の左大胸脇筋と上腕の傷を更に痛めて、遂に完治することなく32才で現役人生を終えることになった。
外国人力士は勝つためにはあらゆる奇手をつかうが、不器用な稀勢の里は、モンゴル勢が得意とする、変化、張り手、エルボー、目潰しなどは全く使わない。奇手の外国人力士に対して、正攻法から抜けきれない稀勢の里は、瞬間的な変わり身で何でも繰り出す外国人力士に敗れることが多かった。
近年大相撲はケガが多いが、私はその原因を、周辺より高い土盛りが主因だと思う。取っ組み合って土俵下に転げ落ちる時の60cmの落差は、落下したときの衝撃度を何倍にも増して、筋肉や骨を激しく強打する。日馬富士との取り組みで土俵下に落下して左胸の筋肉を激しく痛めた稀勢の里は、翌日の千秋楽には、包帯をぐるぐる巻きして出場して白鵬戦に勝ち見事に逆転優勝したが、左胸損傷を回復困難なまで傷つけた。60cmの高所から200キロ近い巨体が陥落して激突する衝撃は非常に大きい。
私は土俵高さを現在の半分以下の20m〜30cmに下げると衝撃度は1/4以下になり、ケガ防止の大きな効果があると思うが、力士達は袋叩きに遭いそうで誰も言い出せない。正月場所でも連勝を続けて2回目の優勝を狙っていた御嶽海が、妙義龍との一戦で土俵から地面に飛び降りて足腰を痛めて休場に追い込まれた。土俵の高さを低くしてケガの減らそうと評論家諸氏からでも提案して欲しいと思うが、干されるのは怖くて言えないのだろうか。
2019年01月15日
191015 ルノーのビッグ4戦略
フランスはドイツと並んでEUのリーダーだが同時にライバルでもある。ドイツのVWが大成功してトヨタと並ぶ世界NO.1 No.2を争っているが、フランスのルノーは脱落している。フランスは日産と提携して、ルノー,日産,三菱グループで、VWを抜き世界No.1の生産台数1060万台を何とか達成はしたが、名実ともにTOPになる為に、小さなルノーが大きな日産を飲み込んで単一企業に融合させることをフランス政府は狙っていた。
倒産寸前の日産にフランスから送り込まれたゴーン氏は、徹底的なリストラで2兆円の有利子負債を完済して日産を立て直した。派閥横行で組織が腐敗し競争力を失っていた日産に、ゴーン氏は大ナタを振るって徹底的なリストラを実施して見事に再興させた。リーマンショック時は、社員2万人をリストラして乗り切り、彼は一躍ルノーグループの独裁リーダーになった。
輝かしい成果に酔ったゴーン氏は、私腹も肥やし始めた。欧州でも高額過ぎると批判の年俸20億円を隠す為、有価証券報告書に半額の10億円と記載して残りは記載せず、合計90億円の報酬隠しが発覚し、日本の検察に逮捕されてしまった。更に自分の個人資産管理会社が通貨デリバティブで蒙った18億円もの巨額損失を日産に付け替えていたことも発覚して、証券監視委員会から背任行為だと指摘され、自分の資産管理会社に戻したが、30憶円の保証状を提出してくれたサウジの友人ハリド-ジュファリ氏に、日産の機密費から販売促進費の名目で16億円を違法に支払っていたことも判明して、これが理由のない横領だとして検察から追起訴されることになった。
これら調査の過程で次々と発覚した事実は、日産会長のゴーン氏は日産機密費を勝手に使って、レバノンの知人に22億円、URA知人に28億円、 オマーン知人に39億円、 カタール知人に3億円など、合計110億円もの使途不明資金を私的に支出しており、その一部はゴーン個人の口座に還流させていたことも明らかになった。
次々と暴露される使途不明な巨額横領事件に関してゴーン氏は、私用ではなく日産車の販売促進費であり、自分は無実であると主張しているが、その活動実績は何も無かった。これほど日産を食い物にしていたゴーン氏は日産の信用を失って日本国民からも見放されてしまいつつある。
フランス政府はゴーン氏に命じて、日産の技術力、開発力、ブランドをルノーに取り込み、ドイツのVW、米国GM,トヨタに匹敵する世界のBig-4自動車会社に拡大させる政策を狙っていたが、ゴーン氏の巨額横領事件の発覚で、業界から見放されることになった。フランス政府は信用を失ったゴーン氏を見限り、ルノー自動車の会長職からも解任する情勢になった。因みにゴーン氏はフランスの富裕税から逃れる為、数年前に居住地をフランスからオランダに移しており、既にフランス国民ではなくなっていた。かくしてルノーが日産三菱を奪取して、世界のビッグ4に食い込む巨大プロジェクトは頓挫することになった。
最近、私が親しく有能な元部下も似たような事件を起こしてしまった。彼は極めて優秀で同僚の何倍も働き、大きな業績を上げてきたが、段々と自信過剰に陥り、ゴーン氏と同様に目が吊り上がり緊張しきった風貌と言動に変わっていた。自分の成果に酔った彼は私腹を肥やす行動にも手を染め始めていたが、その悪事が露呈して会社から退職させられてしまった。真面目に働けば、有能で勤勉な彼の実績は高く評価されて役員にもなったであろうが、成果に陶酔して急ぎすぎ、自己を見失って墓穴を掘る結末になったことに、私は残念で本当に悲しい思いをしている。25年前に彼の上司であった私は、彼の異常な雰囲気を感じてはいたが、事前に忠告して止める勇気はなかったことを悔やんでいる次第。
日本にコンビニを導入して小売業界に大変革をもたらした セブンイレブンの鈴木敏文前会長も同様なケースだと思う。業績停滞に喘いでいたスーパーにコンビニを導入して、倒産寸前のイトーヨーカドーを劇的に再興させ、小売業界の神様になった鈴木敏文氏は、実績が殆ど無い自分の息子を後継に据えようと画策して挫折し、親子共に退社に追い込まれてしまったのも、自分を見失った慢心が惹き起した事件である。
零細企業を自営する私がもしゴーン氏や鈴木敏文氏と同じ立場であったら、如何に行動しただろうかと考えてみた。仮に自分がオーナー社長であれば、自分と企業は一心同体の運命体であり、少々の自由な言動や行動は許されてしかるべきだとも思う。しかしゴ−ン氏も鈴木氏もサラリーマン社長であり、独裁的な地位にあっても、自腹を肥やす勝手な行動は許される筈はなく、勝手な行動は自己破滅に陥るのは当然であろう。更に私は憶病者なので、仮に自分の企業が大成功しても、その会社を勝手気まま経営する蛮勇は私にはないだろうとも思う。
2019年01月01日
190101 ペットと公園デビュー
一年前に我家に豆柴犬(オス)がやってきた。昔に飼っていた雑種と同じプチと名付けた。ペットは愛らしく 家内や子供達との会話も弾むが、雨の日も風の日も朝夕の散歩を欠かせず、普通のサラリーマンでは到底飼えない。幸い、徒歩15分の事務所に通う私は、時間もかなり自由で健康にもプラスになるが、雨の日はやはり気が重い。愛情細やかに育てた為か、優しい成犬になったが、シャンプーを嫌がり無理やり洗うと怒ることもある。
散歩は危険な道路を避けて、ペット仲間が集まる近くの公園にデビューすることにした。先輩ペット犬はミックスが多いが、チワワ、プードル、ダックスフンド、ポメラニアン、テリア、コーギー、等の中型小型犬や柴犬も多く、仲間同志が競って遊ぶ。優しいメス犬が多く、少々躊躇もしたが他犬を傷つけないよう私はプチを去勢したので、仲間達と楽しく遊ぶが、メス犬達がプチを追っかけ回すのを見ると残念にも思う。
子育て主婦が公園にデビューする時、気苦労が多いと言われるが、ペットの公園デビューも先輩諸犬と飼主に色々な気遣いが要る。先ずは先輩飼主達には控えめな態度で仲間入りすることだ。飼主達は中年女性が多いので、男性飼主は無視して通り過ぎる人も結構多い。私は諸姉との話は簡単に留めて出来るだけ深入りしないよう努めている。感覚的に次元が違う彼女達とは長引く話は難しいので、出来るだけ浅い会話で調子を合わすようにする。
ペットのネーミングは本当に多彩で、当方はプチPetiteだが, 仲間犬の名前を覚えるのは大苦労だ。雑種のココロちゃんは大型犬に似合わず静か、連れのリンちゃんは小型だが気が強くケンカ早い、雑種のタツは静かだが仲間を守ろうとする女親分肌、気性が荒くペット医院から嫌われたコロ君、太目のアズキちゃん、太っちょ夢ちゃん、可愛いローレンちゃん、人間が大好きな小春ちゃん、荒っぽい茶々、引き籠りのテツ君など多種多様だ。チワワなど小型犬も多く、疾走してプチを追っかけるブービー、同じくクックちゃん、無口などんぐり君、などなど、一度では覚えられず、他の人が呼ぶのを確かめてから私も呼びかけるよう心掛けている。年配女性との話題合わせに困る私は、引綱リードを出来るだけ延ばして離れてポジションする。冬の夕方は日没が早く、私は嫌がるプチを引っ張って早めに帰ろうとするが、女性達は雑談に熱中して、公園が暗くなっても平気で帰ろうとしないのは不思議に思う。
いつも公園の端の離れた場所に座って獰猛そうな甲斐犬(ムサシ)を連れた年配男が、我々ペット仲間のじゃれ遊ぶ様子を見守っていたが、ある日ムサシに先導させて当方に近づいて来たのには驚いた。当方プチも一応オスなので気配が怪しくなり私は離れたが、ムサシの男性はエサをばら撒き始めた。すると当方仲間のメス犬共は大喜びでムサシに走り寄っていったのには呆れた。何だかワイロで会社を乗っ取る暴力団にやられた気分になった。
本件出来事に味をしめたムサシの飼主は、その後は繰り替えし当方グループに接近し始めたので、アブナイですよ!当方にもオスがいるので近寄らないで!と私は叫んだが、仲間入りへ興味に耐えがたい飼主は、隙を見せるとすぐ近づくようになった。まさしく猿山ボスの乗っ取りを想わせる雰囲気で、その度ごとに私は前面に立って接近を妨げると、ムサシは少し離れたところをゆっくり通り過ぎてゆく。宮本武蔵に似た獰猛なムサシには当方も気分が落ち着かない。ムサシが去るのを見届けてから、私は公園を切り上げて帰宅するが、収まらないプチは帰宅を嫌がり、芝生に這いつくばって抵抗する。
ペットは一度食べ物を貰った人の顔を覚えて度々近寄ってくる。ある時、出勤途上の私はご主人に引かれてくる小春ちゃんらしき柴犬を遠くに見つけた。小春ちゃんも遠くから私の姿を認識したらしく、急に飛び出て飼主を引張りながら当方に近寄ってきたのには私は驚いた。私はpocketに入れていたDog-Foodの2〜3粒を差し出すと小春ちゃんは大喜びしたが、見知らぬ通行人に甘える小春ちゃんに先方ご主人は驚いた様子だった。これからはペット社会の生き様をプチが教えてくれる日々になりそうだ。
散歩は危険な道路を避けて、ペット仲間が集まる近くの公園にデビューすることにした。先輩ペット犬はミックスが多いが、チワワ、プードル、ダックスフンド、ポメラニアン、テリア、コーギー、等の中型小型犬や柴犬も多く、仲間同志が競って遊ぶ。優しいメス犬が多く、少々躊躇もしたが他犬を傷つけないよう私はプチを去勢したので、仲間達と楽しく遊ぶが、メス犬達がプチを追っかけ回すのを見ると残念にも思う。
子育て主婦が公園にデビューする時、気苦労が多いと言われるが、ペットの公園デビューも先輩諸犬と飼主に色々な気遣いが要る。先ずは先輩飼主達には控えめな態度で仲間入りすることだ。飼主達は中年女性が多いので、男性飼主は無視して通り過ぎる人も結構多い。私は諸姉との話は簡単に留めて出来るだけ深入りしないよう努めている。感覚的に次元が違う彼女達とは長引く話は難しいので、出来るだけ浅い会話で調子を合わすようにする。
ペットのネーミングは本当に多彩で、当方はプチPetiteだが, 仲間犬の名前を覚えるのは大苦労だ。雑種のココロちゃんは大型犬に似合わず静か、連れのリンちゃんは小型だが気が強くケンカ早い、雑種のタツは静かだが仲間を守ろうとする女親分肌、気性が荒くペット医院から嫌われたコロ君、太目のアズキちゃん、太っちょ夢ちゃん、可愛いローレンちゃん、人間が大好きな小春ちゃん、荒っぽい茶々、引き籠りのテツ君など多種多様だ。チワワなど小型犬も多く、疾走してプチを追っかけるブービー、同じくクックちゃん、無口などんぐり君、などなど、一度では覚えられず、他の人が呼ぶのを確かめてから私も呼びかけるよう心掛けている。年配女性との話題合わせに困る私は、引綱リードを出来るだけ延ばして離れてポジションする。冬の夕方は日没が早く、私は嫌がるプチを引っ張って早めに帰ろうとするが、女性達は雑談に熱中して、公園が暗くなっても平気で帰ろうとしないのは不思議に思う。
いつも公園の端の離れた場所に座って獰猛そうな甲斐犬(ムサシ)を連れた年配男が、我々ペット仲間のじゃれ遊ぶ様子を見守っていたが、ある日ムサシに先導させて当方に近づいて来たのには驚いた。当方プチも一応オスなので気配が怪しくなり私は離れたが、ムサシの男性はエサをばら撒き始めた。すると当方仲間のメス犬共は大喜びでムサシに走り寄っていったのには呆れた。何だかワイロで会社を乗っ取る暴力団にやられた気分になった。
本件出来事に味をしめたムサシの飼主は、その後は繰り替えし当方グループに接近し始めたので、アブナイですよ!当方にもオスがいるので近寄らないで!と私は叫んだが、仲間入りへ興味に耐えがたい飼主は、隙を見せるとすぐ近づくようになった。まさしく猿山ボスの乗っ取りを想わせる雰囲気で、その度ごとに私は前面に立って接近を妨げると、ムサシは少し離れたところをゆっくり通り過ぎてゆく。宮本武蔵に似た獰猛なムサシには当方も気分が落ち着かない。ムサシが去るのを見届けてから、私は公園を切り上げて帰宅するが、収まらないプチは帰宅を嫌がり、芝生に這いつくばって抵抗する。
ペットは一度食べ物を貰った人の顔を覚えて度々近寄ってくる。ある時、出勤途上の私はご主人に引かれてくる小春ちゃんらしき柴犬を遠くに見つけた。小春ちゃんも遠くから私の姿を認識したらしく、急に飛び出て飼主を引張りながら当方に近寄ってきたのには私は驚いた。私はpocketに入れていたDog-Foodの2〜3粒を差し出すと小春ちゃんは大喜びしたが、見知らぬ通行人に甘える小春ちゃんに先方ご主人は驚いた様子だった。これからはペット社会の生き様をプチが教えてくれる日々になりそうだ。