2019年06月

2019年06月27日

190627 過激な地方自治 

 
技術屋の私には、社会常識が少々欠けていることは承知しているが、それにしても日本の地方自治は我儘過ぎて、常軌を逸しているのではないかと常日頃から感じている。
                   
先日もイージス-アショア設置計画の説明会が、秋田と山口で開かれたが、防衛庁側のミスで会議が大荒れして議論に入れなかった。秋田では周囲の山の高さ715mを3m間違えて議論が紛糾した。更に防衛庁の某氏の居眠りが発覚して、真剣度が足らないと住民側の若者が激怒して説明会は流会になった。居眠りは確かに良くないが、やっと説明会にこぎ付けた疲れもあっただろうし、若者は激怒の振りして説明会を潰す口実にしたのかも知れない。 
                                 
地元民の反対理由に、イージスアショアを設置すると真っ先に地元が狙われて危険だとの主張があるがそれも少々勝手すぎる。敵は真っ先に首都東京を狙って通信機能をマヒさせるのは当然であり、彼の理屈では、首都は狙われても仕方ないが、秋田が狙われるのは困るとも解釈される。首都は潰れても秋田は生き残りたいとの意見のほうが、よほど無責任で幼稚だと思う。私は常に狙われる東京の近郊に住んでいるが、ミサイル防衛は秋田山口だけではなく、全国民が各々置かれた地域で防衛する義務があり、秋田だけが生き残ることは不可能なのだ。                              
                                    
秋田山口は一例だが、反基地運動に熱中している沖縄も無責任の典型だ。沖縄の反米運動には外国資金や第三国人も含まれていると言われ、歴代の県知事や、現在の玉城デニー知事も基地反対一辺倒で、一般行政は部下に任せて、ご自分は反米運動に熱中している。殆んどの地方市町村は過疎と人口減で苦しい政治を続けているにも拘らず、小さな沖縄だけは例外で、温暖な気候に恵まれて観光産業が盛んだが、年間3000憶円もの交付金も受けて、知事不在でも地元産業は活況を続けるから、反米運動に専念しても平気なのだろう。 
 
先日も中国空母遼寧ら6隻の戦艦が尖閣石垣から沖縄ギリギリを通過した時、海上巡視艇が領海から離れるように厳しく警報を発し続けたことに、玉城デニー知事が中国に刺激を与えるべきではないと本音を漏らして、周辺市町村が猛反発し、慌てて発言を取り消したが、日本を守るべき最前線の沖縄知事の本心が、威嚇しながら通過する中国空母艦隊を歓迎している姿は、日本の県知事としては許せない裏切りである。            
                                        
中央政治が地方自治に口を挟むことは控えるべきだろうが、外国戦艦が日本領土に接近する時、その防衛に当たる部隊にまで地方首長が口を挟む権利は毛頭ない。イージスアショアの設置に関しても、地方市町村に説明し地元意見を尊重すべきだが、最終決定は国の権限であり、地元の介入は許されない。   

第二次世界大戦に敗退してタナボタで民主国家になった日本は、自由勝手な発言が大歓迎され易いが、我国の内外には中国等の手が伸びており、外国人が地元に住みついて防衛政策に介入しているとも言われ、日本の弱体化を図ることが常態化している現状は決して見逃してはならい。攻撃用ではなく防衛基地のイージスアショア計画まで妨害して、日本の防衛政策を混乱させる若者やニセ地元人が多いことに大きな憂いを感じている。



mh3944 at 08:56|PermalinkComments(0) 政治 

2019年06月21日

190621 退職者はプチ起業を 

   
老後生活には年金+2,000万円が必要との金融庁白書に野党が騒いでいる。老後は月26万円必要だが、年金は21万円で、その差額5万円が足らないので、30年間では約2,000万円が不足する。従って受給者は自助努力が必要だというレポートに野党が猛反発する。 野党は何か勘違いしているのではないだろうか。多くの退職者は閑過ぎて困っており、働ける環境を提供することが余程重要だと私は思うのだ。                               
                                              
そもそも年金は戦争で死亡した軍人の遺族の生活を補償する目的で始まった軍人恩給が起源だが、その後 国民が老後を安泰に過ごすプランとして 小泉首相の年金100年安泰生活プランとして拡大された。そして更に全国民の老後を保障する年金プランと解釈され始めた。年金の額も重要だろうが、現実には退職サラリーマンは、長過ぎる老後を如何に過ごすかに苦しんでいる人が多いと私は思う。                                                  
                                         
Aさんは某メーカーOBだが毎日起きして直ぐに自転車で出かける。行く先は大体決まっており、近くにある数軒のコンビニの何処かに立ち寄って週刊誌を暫く立ち読みする。それから食べ物を買って腹ごしらえして昼過ぎには自宅に帰ってくる毎日だ。元金融業Bさんは終日自宅の狭い庭の芝刈りでガラガラと機械を押して日々を過ごしており、伸びる間もなく刈られる芝も哀れだが、垣根を越えて道路にはみ出た生垣や芙蓉が通行人とクルマの邪魔になって困っているのに当人は全く知らん顔だ。金儲け以外は何も学習しなかったのだろうか。更に別の銀行OBのCさんも、庭木の手入れが日課だが、赤や青のプラテープで縛りつけられた庭木は見苦しくて侘び寂び風情はゼロ、しかし他にする事がない当人は飽きもせず年中庭いじりだ。同じく銀行OBのDさんは礼儀正しいご夫婦だが、毎日1時間近い散歩を済ませると、クルマで揃って近くに出かけて暫くすると帰ってくるのが日課だ。運転技術が退化しないように維持し続けているようだ。                                                                         
                                
70代のEさんは大手メーカーOBだが、朝から夕方まで自宅前の大通りに立って通行人をじろじろ眺めており、挨拶するのが面倒な私はいつも回り道して帰る。近くの公園には、朝暗い内から常連5〜6人が毎日集まりだべっている。釣りは恰好だけで昼過ぎには釣り竿を畳んで全員が居なくなる。                               
                                            
逆に 忙しそうに毎日動き回る人もいる。顔見知りの経理屋Fさんは健康志向で、仲間と早朝から湖畔を1時間以上散歩するのが日課だが、段々と仲間が抜けて遂に一人になった今も頑張っており、足腰を痛めないか心配もある。造船技師Gさんも健康重視で湖畔遊歩道を毎朝散歩して汗をかき、年中無休の健康ジムに戻って機械トレーニングで体力を補い、ひと風呂浴びて、午後は別の仲間のサークルへ駆けつける。後ろから迫ってくる寿命の神様から逃れようと懸命に走り回っている感じだ。大手メ−カー管理職さんは社交ダンスに熱中していたが、膝を痛めて最近は自宅ソファーでスマホゲームやテレビを見ながら過ごすのが日課だと聞く。                                                           
                  
しかし例外もあり、Jさんは友人が営む浅草のお店の夜勤を担当し、夕方に出かけて早朝帰宅して昼寝する毎日だが、逆ラッシュなので電車は楽だとテレ笑いしているが立派なものだ。都庁部長で退職したKさんも20年近く自治会の災害防止活動にボランティアで専念しており、お役所との交渉はツボを得たもので我々住民は大いに助かっている。 しかし総じて言えば、引退者の大半は何の目的も無く、ただ長過ぎる余生を如何にやり過ごすかに苦労している方々が大多数のように見えて仕方ない。                                                     
                                       
私のアイデアは、閑潰しに苦しむ退職者は、現役時代に習得したであろう知識と経験を活用してプチ起業すれば月5万円程度は軽く儲かると思うのだ。安易な株式投資などは危険だが、各々は長い現役時代に何かヒントやアイデアを会得している筈で、退職直後の勢いでそれをミニ起業すれば、閑な終生は一転して緊張感ある余生に変わることは間違いない。ひと昔前の起業は全財産を賭けた冒険だったが、IT時代の今日、多くのアイデアは安全に起業でき、手軽にテストマーケッティングも可能で、もし不採算なら撤退もできる時代に代わっている。年々近寄ってくる死神様を恐れながら生きるより、プチ起業のほうが緊張感が続き、スマホゲームより余程面白いと思う。野党の議員達は財源が無いのを承知ながら、無責任に万人受けする年金増額を叫ぶが、もっと現実を見つめて、世界一長生きする我々が、その余生を如何に充実させるかに論点を移すべきだろう。                                                                        




mh3944 at 09:39|PermalinkComments(1) 政治 

2019年06月10日

190610 引き籠り男   

 
80代の親と同居する50代の引籠り息子が引き起こす事件が最近頻発し、マスコミは8050問題と呼んでいる。練馬区では元農林事務次官(76)が引籠り息子(44)の将来を危惧して殺害、川崎では錯乱した引籠り男(51)が有名小学校のバス待ち児童に切り込み20余名を殺傷した。両事件ともに社会から疎外された引籠り男が関係した事件で、同様な引き籠りが日本には100万人いるというから、社会的には大問題である。
                                            
私の自宅近辺にも引き籠りが何人か居り、その中に女性(45)もいる。彼女は学卒だが就職せず結婚もせず、20年近く両親と同居して籠っている。ただ自治会の一斉清掃には、親に代わって彼女が毎年参加する。先日の春の一斉清掃にも、おばさん連中は世間話に夢中するなか、彼女は率先して草の生い茂る空地に飛び込んで懸命に刈り取った。そのボランティア精神は見事だが、自治会掃除が終わると再び引き籠りに戻り、次の一斉清掃まで殆ど出てこない。元気な彼女が何故自宅に閉じ籠るのか誰も分からないが、 英会話番組が時々聞こえるのでラジオかテレビで勉強しているらしい。                                                           
昨年秋の清掃時に、彼女と一緒に草取りした私は、米国子会社の社長を12年間勤めたが、仕事での英会話は殆んど困らなかったが、食事しながら雑談には苦労したと話すと、まあ!仕事で困らないなんて羨ましい!と感嘆の声を上げ、彼女が英会話に大きな関心を持っていると知った。学生時代の彼女は超勝ち気で男勝りだった性格が原因で、何か大ショックを受けて自信を喪失し引き籠り始めたのだろうか。市役所は支援センターを設けて悩みの相談に乗っているが、恥ずかしい相談を地元の市役所にする人は少ない筈で、別の市役所でも相談できる態勢に改善しなければ、効果は期待できない筈だが、縄張りが生甲斐のお役人は成果には殆ど関心ないから困ったものだ。                                                     

先月新しい皇后になられた雅子さんはご成婚後既に20年近いが、彼女は公式行事を度々欠席して、国民には評判が悪く、怠け病とか引き籠りだと言われてきた。しかし先日のトランプ大統領夫妻の歓迎会では、流ちょうな英会話を披露して、その素晴らしい社交性にトランプ夫妻も賞嘆したというから大きな驚きだ。本来外交官出身の雅子さんだから、これを契機に華麗な蝶に脱皮して、大いに外交能力を発揮して頂ければ、全国民が心から敬愛する素晴らしい皇后陛下に変身されるだろう。                                                                                  
                                                  
誰でも若い時代は悩みが多い。私も学生時代は劣等感に苛まされ続けた。田舎出の小男で 不器用で悪筆で訥弁と5拍子揃った私は、学校時代に表彰された経験は殆ど無く 劣等感の塊のような暗い年月だったが,負けじ魂だけは強かった。運よく旧帝大系工学部に現役入学したが、スマートな都会出身の級友達は要領よく、自分だけが疎外された感じの4年間を過ごした。就職は級友達全員が巨大な財閥系会社に就職したが、私だけは小さな日米系合弁会社JRCに入社した。大会社で競い合うより 小さな新進会社で思う存分働く道を選んだが、有名大会社を期待していた親兄弟達を悲しませた。                                                 
                                         
JRCに入社して研究所に配属された私は、新規な塩素系可塑剤の開発とプラント建設の実行責任者として全力を尽くして開発に励み、 3年後に新プラントを完成して、社長以下多数の得意先を招いた竣工式典が挙行されたが、寝食を忘れて開発した実行責任者の私は式典に招待されなかったのには呆れ果てた苦い想い出だ。                                                                             
                                                     
しかし野心に燃える私は神戸大学(夜間)通学で習得したデータ重視の技法を応用して、化学会社の将来戦略の懸賞論文に応募して 一等賞を獲得したことに周囲は驚愕した。やっと一目置かれる存在になり、本社企画課長に選抜され、研究所を脱出して東京に転勤した。そして10年後、自ら企画した米国合弁会社の社長に就任して12年間勤め、世界でも働く自信がついてきた。危険で苦しい時期もあったが無骨な私を信頼してついて来てくれた家内には感謝の言葉以外にない。傘寿を過ぎた今、同期生達は全員引退し、既に半数近くは逝去しているが、幸いにも私はまだ元気で最先端のITとRobotの仕事を楽しんでいる次第。                   



mh3944 at 09:12|PermalinkComments(0) 政治 

2019年06月01日

190601 高層マンションの問題

近年は若者が都会に集中し、職住近接の都心マンションが増え続けている。東京には20階以上の超高層マンションが200棟以上あり、更に増えているという。確かに職住近接のマンションは、通勤の苦労が無く、買い物も便利で 羨ましい。                          
                                               
年老いて傘寿を越えた私には、7,000万円超の高層マンションには手が届かず、逆にオフィスを都心から離れた郊外に移して、自宅から徒歩15分の駅前に事務所を構えた。早朝は都心に急ぐ若者達を横目に、犬の散歩を終えてゆっくり徒歩で出勤する。                                                                                                         
しかし先日(5/30)のNHKクローズアップ現代には驚いた。若者達が羨望の都心マンションは、近年空室が増え始めて問題になっているという。外見は立派な都心マンションも、近年は居住人不在で空室が増え始めて、管理費、修繕積立金の集金が困難になり始めているという。 日常管理は何とか対応できても、高額な修繕費積立金を居住不在の住民からは徴収できず困っている。住民票を調べると、所有者は中国人が多く、香港,上海に国際電話しても、当人が捕まらず困っているらしい。                                                         
                         

マンションの修繕費は、年月の経過で老化と共に年々増えて高額になるが、積立金の増加を嫌う住民に配慮して、マンション販売会社は意識的に金額を抑えて一定金額を積み立てる方式に決めている。しかし40 〜50年が経過すると高級マンションの修繕費は高額になり、積立金程度では修繕出来ない深刻な問題をかかえているという。                                                                         

                 

聞き流しで正確では無いが、修理が必要な都心マンションは東京に800棟近くあり、殆どが修繕費不足の問題を抱えており、今後の修繕計画の見通しが困難だという。若者達が一生を賭けて購入した都心のタワーマンションも、将来引退した後の本格的な修繕は殆んど不可能だとは驚いた。                                                      

これは人口減少社会には避けられない問題で、私が住む郊外の住宅街でも空き屋が増えており、我家近くも居住者不在の住宅が何軒もあり、建物を撤去すると税金が高くなるので、そのまま放置されて荒れ放題になっている。                                                                                    

郊外では3,500万円前後で新築が可能な為、建て替えも頻繁に行われており、私の近隣にもスクラップ&ビルドで、ピカピカの新築戸建てが何軒も建設されている。しかし都心のマンションを建替えるには、住民の8割の同意を得る必要があり、殆ど困難で結局は部分修繕で長持ちさせる以外に対策はないが、その修繕費の積立てが大幅に不足して深刻な問題になっているのだ。                                                     

                                   
更に近年の実例では、大地震の発生時、高層マンションでは外国製エレベターが故障して、部品調達に日時を要し、高層階の住民が一週間以上孤立した悲惨な実例も報告されている。都心のタワーマンションを夢見る若者達も、年老いた時の対策を考えておく必要がありそうだ。





mh3944 at 08:53|PermalinkComments(0) 雑感