2019年11月

2019年11月27日

191127 花見論議より憲法議論

テレビに映る新宿御苑の桜は本当に美しかった。咲き誇る桜の下で、安倍首相以下の錚々たる政府要人と多数の招待客が観賞する桜も見事だった。しかし半年過ぎた今頃になって、あれは公的資金を使って選挙運動ではないかと大騒ぎになっている。内閣府の役人達は直後に招待客名簿を焼却したという。全く子供騙しのケンカだ。             

税金を使って選挙区の人々を招待するのは法律違法に決まっている。その招待客名簿を発覚する直前に予定通り焼却したとの説明もインチキに決まっている。モリカケ事件に凝りもせず安倍昭恵夫人は招待客と一緒に嬉しそうにポーズしている。その前は河井法務大臣夫人が参院選挙運動のウグイス嬢に法定2倍の日当を払い、菅原経産相は選挙民にメロンやカニを配って両大臣が辞任したのも当然である。しかしこのような些事は、関係者が正式に詫びて責任を取ればそれで終わりであり、最高機関の国会で議員達が血相を変えて連日大騒ぎを続ける価値があるのだろうか?   

それよりもより緊急重大な案件が山ほどある筈だ。例えば憲法改正問題を何故真剣に議論しないのか、膨れ上がる福利厚生予算を如何に抑制して財政健全化を図るか、若者達が結婚せず 街には老人ばかり溢れて衰退しつつある日本の国力を如何に回復するか等、真剣に議論すべき案件だ。或いは逃げ場のない幼児や子供達を虐待から守る対策のほうが、花見論争や選挙でメロン,カニを配る法律違反よりも、余程緊急な案件だが、議論が一向に進まない。自民党から提案される憲法改正案に野党は何故正面から堂々と議論しないのか。     

原発再稼働問題や、人口減少問題に如何に対応するか、は難解な問題であるが、見守るだけでは決して済まされない。反対であれば修正案を出し 賛成であれば与党案に同意すべきだが、野党は憲法問題からは逃げ回り、人口問題には無策で対案がなく、暇つぶしに花見や香典ばかりに熱中する無駄はやめてほしいものだ。         



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2019年11月18日

191118 香港デモの行く末 

香港が荒れ続けている。若者を中心にデモは止むことなく、連日香港の目抜き通りに群衆があふれている。習近平主席が自国民に全く信用されていないことを世界中にテレビで実況され続けている。 アフリカ未開発国でも政権が交代する状況だが 中国はビクともしない。現代の文明社会に住む恐怖の国家である。                      
                                             
                                                          
発端は、香港に約束された50年間の高度の自治政治が破られた犯罪人引渡条例法案が引き金だった。それを契機に香港住民の心に溜まっていた独裁政治の恐怖が一気に爆発して100万人デモに拡大した。犯罪人引渡条例を素早く撤廃すれば大規模なデモは避けられただろうが 香港政府が拒否して、不満が一気に爆発した。そして要求は5項目に拡大した。→       
1)犯罪人引渡条例撤廃、 2)デモ認定取消 3)警察暴力の調査 4)拘束者の解放 5)完全普通選挙実施 
                                      
これは中国政治の根本を否定する革命的な要求であり、妥協の余地は消えてしまった。既に5,000名を超える仲間が逮捕された若者達は、デモが沈静化するとその他大勢の仲間が逮捕されるのは確実であり、デモを中止できないという。一般市民にも共通する不満は 香港社会の格差の拡大と、習近平政権の監視社会のへ恐怖なのだ。         
                                                    
香港デモの特徴は 統一組織がなく自然発生デモで、統一リーダーが不在なことだ。香港当局は交渉相手が分からない民主化運動であり、中国政権の否定で、30年前の天安門事件と同じ共産党一党独裁政治への挑戦である。従って中国人民解放軍による弾圧以外に解決策はありえず、習近平はそのチャンスを狙っている筈だ。特に店舗のガラス破壊など過激派の活動が目立ち始め、中国本土の秘密警察らしき人物がリンチに遭う状態で、中国軍の介入が早まってきたと思われる。香港は国際金融センターとして重要な地位を占めているが、軍事介入で、金融機能が不全に陥ると中国政府にも大きな打撃となりそうだ。                            

高度成長が終わった中国経済は不景気の最中で、軍事介入により機能不全になると 世界経済にも大打撃を与えるが、習近平は、共産党独裁政権の否定は容認できないジレンマである。中国共産党関係者も内心では早急な解決が必要だと考えているが、粛清を恐れて誰も発言できない。                                                      
          
香港の年配者はデモの早期鎮静を望んでいるが、若者達は25年後に独裁体制に組み込まれる恐怖があり、必死のデモを続けている。台湾では、明日は我が身と、恐怖の眼差しで成り行きを見守っており、親中派台湾人には大打撃で、政権奪回は不可能になった。これほど矛盾に満ちた最悪の習近平政権だが、チャイナマネーと強力な軍事力で現代の文明社会に存在し続けていることは、誠に不思議である。        
                                           
ある歴史家は、中国の一党独裁制度は基本的に無理だという。新疆ウイグル地区、チベット地区、内モンゴルなど多数の異民族を抑圧して監視する中華人民共和国は深刻な内部矛盾を含んでいる。それは日本の、満州,朝鮮,モンゴル,台湾を巻き込んだ大東亜共栄圏と似ており、分裂は避けられないと見る。軍事大国中国は、国内的には秘密警察を充実させて 簡単には分解しないとの意見もあるが、20年前に世界最強のソビエト連邦が分裂して ロシア以下の15ケ国に分解した歴史もあり、中華人民共和国の永続はあり得ないと説く学者もいる。                   



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2019年11月11日

191111 余生も楽ではない

仕事を早めに終えて近くの理髪店に立寄った。散髪屋も不景気でいつも椅子が空いているが、久し振りに先客がいた。どうせ短時間の1,000円散髪だろうから直ぐ終わると思っていたがなかなか終わらず1時間近く待たされた。珍しく本格理容で鼻ヒゲまで手入れしていた。先客は3,000円支払って私と目が合うと、我家の隣りのKさんだったのには驚いた。                    
                     
Kさんは元金融業で10年前に退職して隠居の身だが、生活スタイルは相変わらずで気位が高い。奥さんは認知症で近くの老人ホームに入居し、ご本人は孤独な生活だが、金融業出身らしく上流感覚が抜けず、近隣との付き合いも殆ど無く、すぐ隣りの私とも滅多に話さない。            

私の住宅街には大手銀行のOBが多く、現役時には肩で風を切って歩いていたが、長いキャリアで得られるスキルは乏しく、退職すると 彼らは周囲との関係が築けず殆どが孤立した生活を送っている。ある大手銀行OBは子犬をつれて朝夕散歩するが ペット仲間同士の付き合いが苦手だ。私も柴犬を毎朝散歩させるが、特に夕方の散歩時には多数のペット仲間が集まって暗くなるまで無駄話しをする。殆どが主婦層の井戸端会議だが、ペット達には最高の楽しみで互いに取っ組み合いに遊ぶので、私も長い時間付き合っている。しかし銀行OBさんはそのサークルには加わらず、いつも近くを通り抜けて行く。長い銀行員生活で身に沁みついた高給取り意識が邪魔して、庶民のペット仲間にはなかなか入れないらしい。                         

私は、銀行屋や株屋などの金融業が好きではない。お金は儲かるだろうが、一生を賭けて得られるものは殆どない虚業の一種だと思っている。株式業者は、瞬時の情報にも気が抜けない緊張する仕事だろうが、情報を素早く入手して売り逃げする以外に何も残らないと思う。それでは心を許せる友達はできる筈がない。私のヨット仲間にも株屋OBが数人いるが、彼らはいつもシングル艇に乗る。ヨットにはシングル艇と2人艇があり、2人艇は狭い船上で長い時間 苦労話や人生談義になってしまうが、金融業OBにはそれが耐えられないらしい。                 

金融マンは長い間、社会のエリート階級として、多数の目利きや秀才が集まったが、今や銀行業は不景気風が吹きまくる斜陽産業になり 下坂を転がり落ちている。銀行マンが独占した金融業はIT金融やスマホ金融に代わられて、大手銀行には厳しいリストラ旋風が吹き荒れている。それは小売業界の激変と同じで、華やかなデパートは 小売業の雄として業界をリードしてきたが、近年は衰退の一途を辿り、ネット販売やコンビニに代わられてしまった。しかしデパート業界を牛耳ってきた慶応マン達は現業にしがみついている。良く知られた例え話に 蛙を熱湯に投げ込むと驚いて飛び出すが、蛙の入った釜を徐々に加熱すると多くの蛙は逃げ出せず死んでしまうという。       

どんな職業でも仕事の習性が性格に大きく影響するのは避けられない。私も工学出身で 堅苦しい技術屋精神に凝り固まっていたが、40代で米国系企業の責任者として国際社会に放り込まれて外国人との付き合いを強いられ大恥をかいたが、世界には色々な人々がいることも教えられ 今では人生の賜物になっている。
  






mh3944 at 10:30|PermalinkComments(0) 雑感 

2019年11月05日

191105 クルマで人生破滅 

ひと昔、アメリカは各家庭にクルマが何台もあり下駄代わりに使っていると聞いて、夢の世界だと羨んでいたが、今は日本も完全に車社会になった。特に性能が向上した軽自動車は税金も安く完全に下駄代わりになり 交通機関の少ない地方では、高齢者にはクルマ無しの生活は考えられない。                  
                                                         
先月の千葉県,長野県,東北地方を襲った1000ミリ近い集中豪雨は、多数の犠牲者を出したが、特にクルマで移動中の溺死事件が多発した。豪雨の中の外出は危険だがクルマなら大丈夫だという甘い気持ちが運転者の神経をマヒさせる。そして高架下の水溜りに突入して溺死し、激流に流されて水死する事件が多発した。軽自動車でも乗ると恰も装甲車にのった気分になり神経がマヒして錯覚するのだ。        
                                    
4月後半に 池袋駅前の交差点で88才の元高級官僚が、若妻と幼児をひき殺した事件もあった。交通至便な大都会の都心にクルマを乗り入れた理由が理解できないが、多分現役時代にハイヤーで送り迎えされた高級官僚の感覚から脱皮していなかったのだろう。幸せな家庭を破壊された夫は その超エリート老人を厳罰に処すよう事故現場でビラ配りを続けているが、超エリート街道を歩んだご老人は地獄の人生に突き落とされてしまった。不器用な私は小さな事故で罰金10万円を払ったのを契機に免許を返上したが、交通網が発達した都市近郊では、少し我慢すれば不便さは殆ど感じなく暮らせる。                                
                                                   
しかし私の周辺には車を諦めきれない高齢者が本当に多い。A家のご主人は、朝起きると必ずクルマで20分〜30分ほど出掛ける。どこか近くのコンビニで週刊誌を立ち読みし朝食を買うらしい。高級外車のBさんはゴルフ専用だが、奥さんは外出時には派手な車で狭い住宅街をすっ飛ばしてゆく。反対側のCさんは車を2台持ち、ご主人は時折ゴルフ練習に出かける程度だが、奥さんは朝から晩までクルマ漬けの毎日で 本当にスリッパ代わりに使っている。スーパー買い出し、ゴミの運び出し、コンビニ、老人施設の母親見舞い、子供や孫の送り迎えなど…殆どが歩ける距離だが、毎日20~30回は車を使う。そして奥さんは運動不足に陥り肥満して 足腰が弱って引づりながら歩くので、ますますクルマを手放せなくなっている。        
                                 
健康維持の基本は歩くことであると、テレビは歩け歩け運動を叫んでいるが、麻薬と同様に、車の快適さが身に染み付くと神経がマヒして逃れられなくなってしまう。私の家内は自転車を主に、クルマを従に使っているが、クルマからいつ卒業するか悩み続けている。兎に角、高齢になってクルマ事故を起こすと、生活は完全に破滅して悲惨な人生に終わる。今回の集中豪雨で クルマでの溺死者が多数発生したと聞きながら、高齢者が残り少ない人生を心安らかに過ごすには 先ずクルマを卒業することだと再認識している次第。






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