2020年09月

2020年09月25日

200925 余生の過ごし方 

1) 会社を定年退職した後、私は余生をどう過ごそうか色々考えていた。 無趣味で社交下手、ゴルフ下手の私は、やはり何か自営で仕事をするのが一番生き甲斐ありそうだと思った。そして子会社社長を退職すると直ちに、失業保険受給手続きも忘れて、ベンチャー設立に走った。プレマーケティングも何もなく、ただ効率悪さを痛感していた精密機械のメンテ代行業をやろうと思った。しかし準備不足は直ぐに露呈して, 当初の2年間は、機器メーカーからは嘲笑され続けて相手にされず、資本金も枯渇し始めて後悔ばかりの毎日だった。 
                                            
2) 走り回っていた時、知人経由で 米国半導体機器メーカーSchemacherが 排煙脱硫装置の清掃作業者を探していると聞こえてきた。サンタクロースの通り道の清掃たぐいだが、お金になるなら何でもやろうと引き受けた。本件業務を懸命に働いたことが同社から評価されて、主力の半導体製造装置の定期点検に話が進み、終には全輸入機器の定期検査、修理、在庫迄を引き受けることになり、自営会社がやっと動き始めた。 
                                                 
3) 暫くすると 当社のDMを見たと、横浜の某社から問合せがあり 長期間使用して汚染した血球カウンターのオーバーホールの打診だった。無数の病人の血液で汚れ切った装置で エイズ、B型肝炎など、全ゆる病原菌で汚染された大型装置の 500本近い微細テフロンパイプの交換作業だ。流石にこれは街中の事務所では作業できず、静岡の田舎倉庫に持ち込んで 完全武装して必死にオーバホールした。それからハイデル印刷機、スパコン冷凍機などに仕事が広がり始め、大手臨床検査センターの親友から 連続検体搬送ラインのROBOT群の24時間保守管理の依頼があった。これは大仕事となり 10年余り担当した。 そして終に20余年が経った。私自身も83の高齢になり 家内も哀願するので、今年3月末に自営会社を清算したが、長年の自営仕事は 珍体験ばかりの波乱万丈で、痛快でもあった。  
                                                                               
4) 我国は65才に定年延長されたが、給料半減、部下ナシでは、昨日迄の部下に司える屈辱はなかなか耐えられない。しかし反発して自営起業に進む元気者も少ない。それでも私は意欲ある諸兄には独立して起業すること勧めたい。   
                                                                                     
5) 確かにリスクはある、しかしIT機器が格段に進んだ今日、全財産を失う危険は小さくなったと思う。的確なテーマさえあれば 割に簡単に起業でき、Safety-netも整備されて 早目に撤退もできる時代になっている。  
                                             
6) 要はテーマが肝心である。 私は誰もが嫌がる 3Kで地味な精密機器のメンテ業が大穴と睨んでスタートした。他社機器のメンテ専門会社は国内には殆ど無かった。仮に失敗で資金が枯渇すれば撤退するつもりだったが、友人運にも恵まれて 大過なく長年続いた。 友人知人を大事にすると 幸運の女神が手を差し伸べてくれるのは本当だと思う。 
                                 
7) 起業する場合、2人組が理想だが、シェアオフィスなら一人でも起業可能だ。私の場合、半導体産業から始まったが、関連機器の種類は極めて多種多様で、各々に特殊技術が必要となり、その人材確保には大変苦労した。地元のシルバー人材センターに相談したが 全く相手にされなかった。理由は外部の市町村の仕事には 人材紹介はできないと拒絶された。 
                                             
8) しかし横浜シルバー人材センターだけは格別だった。非常に特殊な仕事なので 外部の市町村の業務も黙認しましょうとの態度で,高度な特殊技術者を次々と紹介してくれた。人口400万人の横浜市は人材の宝庫であり、市政も柔軟で親切、日本最高の先進都市であり、私のベンチャー軌道乗せの大恩人でもある。                                           
9 ) 個人で仕事をする場合も、はやりIT分野を狙うのが無難だろうと思う。ある知人はHP制作、別の知人はパソコンを出張修理している。テニスの出張指導者もいる。元大学教授の友人は、経験を活かして 地元の小中学生を集めて学習塾を開いているが、これは広範な知識と経験が必要になろう。  
                                           
10) 私の近隣には 定年退職組がゴロゴロいるが、殆どは過去の輝かしい役職が忘れられず、地元コミュティーに溶け込めない。精々月いちゴルフが限界で、地元自治会に参加するものも少ない。同好会の水彩画、カラオケ組、パソコン教室組や、近くの市営農場での作業が精々で 長い月日の経過に耐えている。   
                                             
11) 年配人材の斡旋を独占するシルバー人材センターは本当に無用の長物だ。手賀沼公園にも 同センターの黄色作業服を着た高齢者が掃除作業しているが 顔見知りは一人も居ない。人生を生き抜いた年配者でも、顔見知りが多い自宅周辺のアルバイト作業には抵抗がある。人材センターのお役所仕事には重大な欠陥があり、それは自分の市町村内だけに受託業務を限定し 外部市町村との人材交流や業務交換は厳禁なのだ。その結果 有能な特殊技術者を全く使えない。仕方なく彼らは韓国,中国等に技術を持ち出して働くのだ。わが国のシルバー人材センターは高級特殊技術者には全く対応できず、結局 公園の草取り、道路掃除など、肉体労働人材センターに成り下がっている。近隣の人材センターと業務や人材を交換し融通し合って 高度技術者を国内で活用する意識が全く無いのだ。行政改革担当大臣の河野太郎は、小役人連中の狭歪な意識を是非撃破して欲しいものだ。     
                                         
12) 体力が弱くなった私は シェアオフィスでHPのSEOサービスを始めた。IT時代にはホ-ムペ-ジが花盛りだが その99.9%は誰からも読まれず、情報の深海に眠ったままになっている。 お客様に読まれるのは 検索でTOP頁に表示するごく一部のHPだけで、それは大きな営業効果を発揮する。 このSEOは超特殊技術で 殆ど誰も対応できず、なかなか信用されないが 私は気分爽快に仕事している。    
                    
13) 近くの手賀沼周遊サイクリングや、散策するグループも多い。元気なころ私も土曜日曜は20キロの湖畔周回サイクリングに凝った、周回道路は整備されて高級車組 ママチャリ組、ジョギング組、マラソン組、散策組、写真撮影、野鳥観察グループ、志賀直哉など文豪跡の散歩など色々なグループが入り乱れている。元気と馬力がある年代が過ぎると 段々と抜け落ちてメンバーも入れ替わる。 
                                           
14) 閑なときは私はヨットにも乗っている。ヨットは技術よりも風が大きく左右するスポーツで、選手の技量は不器用でも大差がない珍しいスポーツである。 風が適当な日は 私はいつも近くの桟橋に出掛けてセーリングする。470級ディンギィーの2人乗りシーカラだが、同乗するクルーと人生漫談しながらのセーリングは結構楽しい。環境に恵まれれば最高のレジャーであり お勧めしたい。 どこのマリーナにも 持主が夜逃げして 置き去りした中古艇が多数積んであり、無料で譲ってくれる。
人生90年時代の長い余生を 苦しみながら過ごすのは 如何にも勿体ない。 IT機器を利用して先ずは小さくトライしてみては如何? 


mh3944 at 12:31|PermalinkComments(0) ビジネス 

2020年09月17日

200917 首相の交代-2 

歴代最長の安倍政権が終わった。安倍政権はレガシーが無いとマスコミは騒ぐがとんでもない。日本の国際的地位を飛躍的に高めて 世界第3位の大国を名実ともに世界に明示したのは安倍首相である。世界の首脳が一堂に集まるG20で、安倍首相は常に前列中央に陣取り、米国トランプ大統領、ロシア-プーチン大統領、中國習近平主席らと対等に渡り合い、外国首脳が Mrアベは猛獣使いだ と呼んだそうだが 快哉を叫んだのは私だけではないだろう。
                                         
私も外資系企業の日本子会社の社長を12年間務めたが、交際慣れした欧米に比べて、日本人が対等に付き合うのはなかなか困難で、言葉問題や歴史的背景もあり、カラ元気だけでは続かず苦しかった。誠意丸出しの日本人に比べて、欧米諸国、中南米、中近東諸国の社長連中の世慣れした行動には驚かされた。アジアでもシンガポール、マレーシア、香港、台湾など華僑系社長は社交術に長け、パーティ-慣れしている。要は 個人的な友好関係、公開の場で堂々と議論しあう能力、パーティ-で楽しく踊れるなど、経験少ない私にはいつも負担であった。近年のコロナ騒動で、多くの国際会議がリモート-テレビ会議に移行しつつあるが、首脳同志の信頼関係は依然重要であり、安倍首相とトランプ大統領の頻繁な電話会話などは誰も真似ができない。新任の菅首相は国内問題には長けているが、外国首脳との信頼関係構築がこれから大きな仕事となる。   
                                          
まず 1)コロナとの共存態勢の確立が緊急課題だ。コロナ騒動の原因は、我が国では大型高速検査機が使われていないことだ。例えばフランスでは、日本のPSS社の全自動PCR検査機が500台以上使われているが、わが国では自国企業PPS製の全自動PCR検査機を認可せず 旧式の検査法に頼り続けているのだ。理由は厚労省ノンキャリア-審査官が零細な PSS社に膨大な国内データ収集を要求して PSSが対応できなかったのだ。その間にコロナは感染拡大を続けて、多数の犠牲者と 経済を大不況を追い込んだが、ノンキャリア担当官は 法律を盾に 大物教授と結び付いて 認可を長年に拒み続けて、社会が騒ぎ始めてやっと小型機のみ8月に認可した。日本政府のベンチャー育成方針とは 全く見掛け倒しで現実はベンチャー虐めが横行しているのだ。同様なノンキャリア組の抵抗は、文科省、外務省、経産省など霞が関のあらゆる組織に潜在して 特定のボス教授と結び付いて壁を作っており 安倍首相でも解決できなかった。行政改革の河野太郎大臣の問答無用な突破力を大いに期待する次第である。   
                                          
2) そして国内経済は大不況に陥り、多数の中小企業は倒産寸前、膨大な若者達は仕事を失って苦悩している。解決策は コロナと共存できる社会様式に移行することである。例えば10年前に本格議論が繰り返された 首都機構を東京から地方に移転する大構想があり 最終候補地として 栃木県と愛知周辺に集約された。直下型大震災対策、東京一極集中対策、地方活性化対策、コロナ新生活様式、人口減少対策などの深刻な諸問題を 一挙に解決できる国策として再浮上する可能性が大きい。
                                          
3) 安倍政権が代わると、最大の影響を受けるのはやはり国際関係である、特に中國の尖閣侵略対策、反日に燃える日韓問題、など難問は山積している。国内問題には熟練した菅首相も 国際関係の推進は重たい課題である。フォ-クランド戦争を経験したイギリスの某高官は、日本が絶対に尖閣を守り抜く意思と行動を示さない限り、日本の南西諸島は最終的には中国に強奪されてしまうだろうと予言している。 
                                        

mh3944 at 12:02|PermalinkComments(0) 政治 

2020年09月01日

200901 首相の交代 

  
安倍首相が辞任する。健康問題を抱えて7年8ケ月のご奮闘には感謝している。しかし任期が長過ぎて後半には規律も緩み始め、森友事件、加計事件、桜を見る会、検事長定年延長……など問題が頻発した。森友や桜を見る会は昭恵さんのはしゃぎ過ぎが原因、黒川検事長の定年延長事件は菅官房長官の無神経さが原因だが、加計は単なる密談事件ではなく、獣医師不足解消がテーマであり堂々と議論すべきだった。 しかし安倍首相の大きな不幸は、無神経な昭恵夫人の勝手な行動に悩まされ続けたと思う。
                                          
安倍昭恵夫人は森永製菓家の娘で立教大卒だが、政治家夫人としての資質はゼロ、わが国のファ-ストレディーの自覚は無く、神田で和食居酒屋を自営しアッキーと呼ばれる自由奔放な女性で、常に家庭内野党を自慢して首相を困らせていた。上流家族の女性とは様相が違い、奔放過ぎる性格が問題を起こし続けて安倍内閣の寿命を縮めた。ご主人の体調不良を辞任直前に知って アッキーは絶句したという。 
                                           
岸信介 佐藤栄作の著名な血筋を継ぐ安倍家が最も欲しかった子宝にも恵まれず、家庭を顧みない奔放な性格には、祖母の岸信介洋子夫人(92)は悔し涙に明け暮れていた。安倍首相も 真剣に離婚を考えたようだが、財産を取られるのは覚悟でも 岸家佐藤家一族の裏事情を 暴露本として出版されるのは我慢できず 結局は離婚せず 昭恵夫人を飼い殺しする以外になかった。 
                                          
長期政権だったが、最大の憲法問題は(集団自衛権の限定行使程度で)本格議論できず、北方4島問題も未解決で レガシーが無いとマスコミが酷評する。しかし外交面で日本の国際的地位を飛躍的に高めたのは安倍首相であり、それは偉大なレガシーであると私は思う。米中に次ぐ第三の経済大国でながら 常に大きな国際貢献を負担し続けてきたにも拘わらず、外交面では片隅で 顔の見えない日本だったが、安倍首相になって初めてG7 G20など世界主要国の国際会議の前列中央に 米国と並んで陣取る首相の勇姿に感動したのは私だけではなかっただろう。米国トランプ大統領、ロシア-プーチン大統領、中國-習近平主席などと 堂々と渡り合った日本の首相であり、韓国などは悔し涙を流していたに違いない。
                                          
後任候補は未定のまま突然の辞任で、後任首相の選定が混乱しているが、これは民主主義の原理原則であり 逆に勝手に決められては困ることなのだ。新任首相は主権者の国民が決めることであり 混乱するのは当然である。ロシアや中国のように長期政権が続くと、引退すると途端に牢獄行きとなるのが怖くて辞任できないほうが余程異常である。米国や日本のように論争と混乱を経て 次期大統領や首相が決まるほうが 余程民主的な国家である。
                                            
役職には縁遠い自民若手議員は 本格的な全国選挙を主張したが、実権を手放したくない長老組は国会議員で決定しようとした。そして結局は 温厚で人畜無害な菅義偉官房長官が 暫定的な後任首相に選ばれそうな雰囲気になった。我々国民の側からは、首相を熱望している 岸田文雄、石破茂、河野太郎、野田聖子、茂木敏充など、やる気満々の有力議員が一堂に集まって、テレビ大討論会を繰り返し、国民に評価させて欲しいと願っていたが、権益を手放したくない年配議員の密室談合で 菅幹事長を後継に選んだ。世界の先進国を自認する日本も、政治はまだまだ未熟さから脱しきれないのは誠に残念至である。   
                                        


mh3944 at 15:00|PermalinkComments(0) 政治