2020年12月

2020年12月24日

201224 名門企業の没落 

今年には想像もできない一年になってしまった。コロナ騒動で、殆んどの市民は外出を控えて自宅待機を強いられているが、このまま仕事ナシ,給料だけが続く訳は無く、そのうちリストラや減給になることを恐れている。ワクチンが早く完成して正常な日常活動が戻ることを祈るばかりだ。  
                                           
堅実経営で名声を馳せた大塚家具も ニトリ等の低価格家具に押されて業績不振に陥り、娘の新社長と争った創業者は追放されたが、 娘も力尽きて遂にヤマダ電機に買収されてしまった。高級家具の密着販売に固執した創業者の時代錯誤は明らかだが、娘社長の中級家具解放方針でも業績は再興できなかった。現代はニトリの低価格規格家具の全盛時代となり、 私もニトリ家具を愛用している。しかしニトリにも色々な問題が内蔵しており、コスト削減を至上命題とした結果、耐久性に欠けて 故障が続発していることは問題だと言われている。  
                                           
私も東京事務所を引き払って、郊外に移転した際、事務デスク,椅子,棚など全でニトリ製品に切り替えて快適に使っていたが、まだ5〜6年しか経っていない昨今、色々な故障が続発して往生している。例えば、本棚や事務デスクは小さなネジがひとつふたつと脱落して引出しが動かなくなり、恰好良い回転椅子は高さ調整レバーが故障して上下げ不能になり、更には回転椅子キャスターのプラスティック部分が座屈して 椅子の前後移動が不自由になり、応急的にエポキシ樹脂で補強して使っている次第。一度は販売店に椅子を運んで交渉したが、単なる応急手当てに終わってしまった。
                                            
ニトリ家具のネジは細くて短く締付けが不十分、キャスター輪軸のプラ部分は強度不足、上下レバーの不具合、レザーは安物で直ぐひび割れするなど 色々な問題が多く、その内マスコミに察知されると、ニトリは窮地に追いやられるだろうと思う。社長の強い意思で高成長を続けているのはご立派だが、病魔が徐々に企業体質を犯して 品質管理体制が追い付かなくなり、終には事業基盤を揺がす大事件に発展する例はいくらでもある。先日もニトリが中国で製造し輸入販売している浴室用マットがアスベストを含有していることが判明し、240万枚を回収する騒ぎになったと報じている。急成長を囃される企業も、経営者が万全の注意を怠ると、一挙に地獄に落される時代になった。  
                                           

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2020年12月18日

201218 武田薬品の大リストラ

2兆円近い売上高を誇る製薬界のリーダー武田薬品が 2,000人近い営業マンの内 500〜600人をリストラするという。全国150ケ所の営業所も50ケ所に集約する。40才台で年収2,000万円近い働き盛りのMRをリストラするとは思いきった決断だと思う。ベテラン営業マンを放出しても 売上には殆ど影響しないと外人社長が確信したそうだ。対象者とは何回も個別面談して退職をOKするまで協議するという。   
                                          
多くの企業にとって営業部門は計算できない暗黒の世界であり、そのリストラは至難で企業には恐怖の作戦であり 売上が激減し致命的な打撃を蒙る恐れもある。しかし武田の外人社長は営業部門を大胆に縮小しても売上は影響しないと確信したようだ。
                                             
実は私にも似たような悔恨の出来事があった。総勢60人の小さな日米合弁D社の社長を務めていた私は、総勢15名の営業部員の内、中堅8名が一斉に退社するという事件が突発したのだ。彼らは全員がバラバラに入社した中途採用社員であり、その処遇には十分配慮していたつもりだったが、フランス系感染症診断薬V社から大金を掴まされたボスが、部員全員の移籍を企て、結局半数8名が移動に同意したのだ。当時は好景気で営業部員不足の時代であり、私も長年に渡って一人ずつ個別に採用してやっと組織化した貴重な営業部員を、営業部長が自分も含めて他社に売り込んだのだった。
                                                                                         
米国出張が多い私に代わり社内を統括していた筈の総務部長も全くお人好しで 事前に察知できなかったのは悔しいが、不意打ちを食らった私は本当に仰天した。当時の感覚では営業部門が壊滅すると 売上も比例して激減すると信じられており、慌てた私は営業部の再構築に取り掛かったが 人材不足で難航し 元の15名体制に復元する迄 実に3〜4年を要した。しかしその間も 売上高は微動だにしなかったのだ。  
                                          
この波乱の騒動から 私が悟ったのは、最後発の診断薬メーカだった当社の売上は 営業マンの功績ではなく、むしろ商品のユニークな特性で売れていたことを教えられたのだった。確かに当社はニッチ商品ばかりが売れて 大型の本命商品は殆ど売れず、私は営業力不足という亡霊に惑わされ続けていたが、実は営業力の良否ではなく、商品の性能が抜群では無かったのだ。先発メーカーと同性能品を 少しばかり値下げで売る商法では 先発の固い壁は破れなかったのだ。因みにV社に転籍した8名の営業マン達にも新天地は天国でなく、部長以下殆どが再び分裂して 四散し退社したと聞く。    
                                            
私の親会社D社は 日本支社の我々に 人海戦術による営業活動ではなく、データ重視の営業に移行するよう繰り返し要請したが、日本では濃密な人間関係が不可欠だと 私はいつも反論していた。しかし武田のドクター社長は、商品性能で戦う重要性を再認識して、営業部門の大リストラを決意したのだ。この流れは自動車など他の業界でも近年は顕著になり、昔の訪問販売は全く影を潜めて 今日では店頭販売に移行していることも、その証拠だと思う。
                                           

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2020年12月14日

021214 菅首相頑張れ!

トランプやプーチンと派手に渡り合い 猛獣使いと呼ばれた安倍前首相に代わって登場した菅新首相は 地味で野心も見えず、何をやるのか全く分からないと欧米マスコミはいう。タナボタ首相の菅さんも苦しいことだろうが、もし私が首相なら 何を看板テーマにするか考えてみた。  
                                         
1)まずコロナ騒動を抑えることだが、これはワクチン開発に尽き、来春には結論が出るだろう。スマホ値下げは菅首相の固い決意で 大幅値下げとなり、ボロ儲けに酔っていた大手3社も 酔いが覚めることになる、快哉!    
                                       
2) 菅首相は脱CO2を2050までに達成すると公言した。殆どの先進国は2050年迄に脱CO2達成を宣言済みで、中国も2060年迄には達成すると声明、日本も実行せざるを得ない。日本は風力発電や太陽光発電の適地が少なく、原発に頼らざるを得ないが、現有原発54基の内、21基は既に廃炉決定で、残り33基も2050迄には 使用期限の60年を超過する為、当てにならない。  
                                         
3) 代わって登場するのは、私は高温ガス発電HTRであると思う。茨城県大洗町の高温工学研究所に試験炉は既に完成済みで 実用炉もポーランドで具体化しつつある。HTRもウラン燃料だが全く異質の原発で 水冷却が全く不要で 砂漠でも稼働できる1/10の小型原発であり、黒鉛とヘリューウムガスを使い、原理的に暴走事故は絶対に起きない夢の発電である。将来はクルマ燃料として大量の水素が必要になるが 日本式HTRは副産物として大量の水素を発生する理想的な原発でもある。既に中国及び欧米は実用炉を建設中で、菅首相も全力でHTRを推進するべきだ。爆発や放射能漏と無縁な小型原発なら、財政難に苦しむ地方自治体は競って誘致するだろう。  
                                         
4)東京直下大地震、東南海大地震も30年以内に発生確実と言われる緊急課題である。直下型大地震では30万人の都民が犠牲になると予想されており、コロナとは桁違いの深刻な災害にも拘わらず 小池都知事は全く知らん顔だ。結論は首都機能を栃木県南部に移転する案で既に内定しているが、東京都機能の縮小に直結する為、小池さんは極めて冷淡で コロナ対策を口実に逃げている。全く無責任な都知事である。菅首相主導で首都機能移転を真剣に具体化すべきだ。  
                                          
5)少子化対策も極めて重要だ。歴代の少子化担当大臣は 全く何もしない月給ドロボウだった。フランスは既に合計特殊人出生率は1.9にまで上昇しており、我が国も移民など小手先政策ではなく、本格的な対策を考えるべきだ。 例えば、近年は一人っ子同士の結婚が多く、どちらの姓を名乗り どちらの家を継ぐかが大問題で結婚できないケースが非常に多い。私自身も結婚後の姓名で最後まで紛糾し続けた経験がある。解決策は夫婦別姓を公認し、子供の姓名も自由にして解決策を探れば、年月が問題を解決してくれる。菅首相は早急に法制化して若者達が自由に結婚し 離婚も難しくない社会にすべきである。  
                                           
6) 中国の尖閣侵略も深刻である。中国の戦略は、軍隊を漁民に偽装させて尖閣に送り込み、日本の官憲が排除に乗り出せば、自国民保護を理由に軍隊を上陸させて尖閣を占領する作戦に決まっている。 これを防ぐには 国際的な大キャンペインを巻き起こして中国の不当な侵略を訴え、事前に食い止めることである。 先日の外国特派員協会で、中国王毅外相が尖閣は自国領土だと公言した際、隣席した茂木外相は何の反論もせず 中國に絶好のPR機会を与えてしまったが、このような醜態は絶対に許されない。茂木外相は直ちに更迭して 元気で発言力のある新外相に交代すべきだ。更に安倍前首相も起用して中国の暴挙を世界中に訴え続けることも必要だ。桜を見る会の800万円不正使用でバカ騒ぎを続ける野党も早急に目覚めて国土防衛を考えるべきだ。           
                                           
7)自民党のパートナーは公明党より維新と組むべきだと私は思う。今回の健康保険の2割負担も自民党の年収170万円案を拒否して 200万円に変更して財政再建効果を台ナシにした。公明党は 国土防衛に消極的で憲法改正もガンとして認めない。自民党は維新を重要なパートナーとすべきだと私は思っている。                   
                                          
8)IT時代には絶対に不可欠なレア-ア-ス確保も重要だ。10年前の中国漁船との衝突事件で85%を中国に頼っていた輸入先をベトナムなどに分散したが まだ60%を中国に頼っている。解決策は太平洋海底から採掘するか、研究開発でレア-ア-ス使用量を減らすかである。GoToキャンペインの数分の一でも開発投資に回して、中國依存から早急に脱出しないと日本はIT時代を乗り切れない。   
                               



mh3944 at 10:17|PermalinkComments(0) 政治 

2020年12月07日

201207 絶対絶命の危機   

長い一生には、誰でも死ぬほど苦しい時がある。私の最大の危機はボート事業の時だった。予算会議で会長より 我社は主力のFRP樹脂を販売するだけでは勿体ない。一歩進んでFRP成形品にして販売すれば 売上高は直ぐに2〜3倍になるだろうとの話だった。要は材木屋が製材を売るだけではなく 家具にして売れば、売上高は何倍にもなる筈という単純な話だった。早速社内で協議して 私はFRPボートの製造販売を担当することになり、外部から専門技術者を採用して釣舟事業を始めたが 大失敗を犯してしまった。   
                                             
車で持運びできる小型ボートを200台ほど製造して 全国の釣具店経由で販売した。 誰でも買える10万円の安さ、車搭載できる小型で 最初は好調で半年が経過した頃、この小型ボートが沈没したとの報告が入った。住宅の雨漏不可と同じく、舟は転覆しても首だけは水面から出て 暫く浮いていることが絶対条件であった。早速近くの海でテストしてみたが簡単には沈没しなかった。  
                                            
しかし現実には釣舟は海底に沈没したのだ。原因を追究すると、発泡スチロ-ルの留め金に使ったステンレス製ボルトが海水に溶けて 留め金が外れたと分かった。最強のステンレスでも電蝕反応で海水に溶けてしまったのだ。電蝕反応とは巨大タンカーでも徐々にイオン化して海水に溶ける恐ろしい現象であり、造船業界ではアルミニュウムなどを取り付けて、鉄より先にアルミ部分が溶けるよう必ず工夫されているのだ。   
                                           
最強のステンレスなら大丈夫だろうと 軽く考えた我々の重大ミスで、小型釣舟の小さなボルトは半年で海水に溶けてしまったのだった。船体の沈没は絶対に許されず 自転車なら軸が折れて車輪が外れるのと同じ深刻な事件であった。我々一同は顔面蒼白になり、早速全国の販売店を訪問して200台のボートのリコール作業を開始した。しかし地方の漁港の小さな釣具店には 買ったお客様の記録は殆ど無かった。従って全国的に回収して修理することは不可能だと判明した。あとは事件発生のクレイムを待つ以外に対策が無かった。もし一人でも溺死者が出ると 忽ちマスコミが騒ぎ出して重大事件に発展し、責任者の私は刑事事件になる筈だった。ボート事業部は全ての業務を止めて、恐怖の事件発生を待つだけとなり 生きた心地はなかった。結局 小型釣舟で荒海に出る人は殆ど無く 犠牲者は発生しなかったが ボート事業部は大赤を出して解散となった。     
                                                 
規模は違うが半世紀前に、ホンダのN360が米国の高速道路で転覆死亡事故を起こして、設計不備を訴えられて裁判になり 数百億円を支払った事件と同じことで、素人が安易にボートや釣舟などを販売すると、命取りになる危険があること知らされた。長い人生では誰でも絶体絶命の危機に直面する可能性はあるが、もし事件が発生すると直ちに全力対応して、その後は運を天に任せて、幸福の女神が見逃してくれるよう祈願する以外に対策はないことを知らされた。    




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