2021年12月

2021年12月24日

211224 トヨタが危ない 

世界に誇る日本のトヨタが危機を迎えている。自動車業界は電池+モーターで動くEV電気自動車に向かって大転換しつつあるが、Hybridに自信をもつトヨタは 従来からFV車には消極的であった。しかし米国テスラ、独VW, 及び中国勢が EV車の大量生産を開始し始めたのだ。遂にトヨタも我慢できなくなり 先日 やっとEV大計画を発表して、8年後の2130にはEV車を350万台販売すると表明して花火だけは打ち上げたが、具体的な計画はまだ持っていない。
                                         
歴史的事実だが、30年前に 我が国は世界の半導体市場で圧倒的なシェアを握っていたが 今日では完全に脱落してしまった、テレビ業界も同様で 日本メーカーは シャープ亀山モデルとして 世界に名声を博した製造技術で世界をリードしていたが、今は韓国中国勢に完全に撃破されてしまった。自動車で世界No.1 のトヨタも、EV車に関してはまだ腰が定まらず、EV転換に乗り遅れて 脱落するのではないかと 私は本気で心配していたが、やっとEV車の激流に目覚め始めたようだ。しかし日本勢はまだ本腰とは思われず、このままでは最後まで生残るのは 修羅場を生き抜いてきたホンダだけではないかと私は心配している次第。
                                         
日本ではEV車を街で殆ど見掛けないが、世界では昨年よりEV車が大量生産時代に入り 米国テスラ48万台、中国上海自動車24万台,独フォルクスワーゲン22万台、ルノー日産18万台、米GM4万台 に対して、トヨタ、ホンダ、マツダは各1万台前後で、欧米中国に圧倒的な差をつけられている。EV車はまだ電池が未完成で、国内自動車業界の従業員も守らなければならない と豊田社長はテレビで力説するのを見ながら、私はその時代遅れ感覚を恥ずかしく思っていたが、やっと本格化にEV車に動き始めた段階だ。
                                           
確かに現行のEV用電池は パソコンのリチューム電池の改良型で、走行距離も150キロ以内、充電に2~3時間を要し、使用途中での充電は殆ど不可能に近い。更に充放電を繰り返すと電池性能が激しく劣化する重大な欠陥もあり、長距離対応で発火の危険もない全固体電池の開発に各メーカーが全精力を注いでいる。にも拘わらず外国自動車メーカーはEV時代に乗り遅れないよう 死に者狂いで先行投資してEV車を販売しているのだ。特に日本EV車の問題は高コストにあり、中国では2人乗EV車が50万円で販売されている。にも拘わらず日本の軽メーカーは EV車を 100万円以内で販売することは殆ど困難だという。 中国EV車はエアバック無し、エアコン無しの、ゴルフカート改良型の設計思想で 異次元に安いEV車を年間100万台も販売しているのだ。
                                                   
当然の結果として 中国では電池切れなどリコールは多発しているが、EV車市場を独占しようとする中国勢の意気込みは猛烈だ。日本車は高性能のHybrid車で燃費を格段に向上させた成功に酔ってまだ目覚めていない。Hybridに出遅れた欧米と中国勢は、桁違いに安価なEV車で世界市場の席巻しようと必死になっている。日本勢は 新型の全固体電池を載せた高性能なEV車で挽回するつもりだが、新電池の完成見通しは全く不明で何年もかかるといわれる。10万円バイクからスタートしたホンダやスズキなら 多分激烈な価格競争を生き抜くだろうが、高性能車で世界を制覇したトヨタなど国内メーカには 恐怖の地獄が待ち受けている。                   

mh3944 at 10:19|PermalinkComments(0) ビジネス 

2021年12月13日

211213 衝撃的な出来事 

先日 仕事を終えて 早めに帰ろうと事務所を出た時だった。近くの県道は交差点を移動する大工事中で、重機がうなりをあげて動き周り、埋設する下水管がごろごろ転がっている場所に、 中年の女性が道に迷い立ち留まっていた。白杖から直ぐに目が不自由だと分り、工事中の道路に戸惑って 動けなくなっていたのだ。 
                                            
どちらに行かれますかと私が聞くと、近くにあるはずの細い坂道が分からなくなったとのこと。私も毎日通う道なので ご一緒しましょう と伝えて並んで歩き始めた。狭くてクルマ1台がやっと通れる細長い坂道だが 駅への近道なので軽自動車も通り、直ぐに1台やってきた。彼女は片側に寄って車をやり過ごすと再び歩き始めた。何処までお帰りですかと聞くと、下の大通りを横切った先だという。私の家と近いと思った。また後ろから軽が来たので 彼女は再び片側に寄って車をやり過ごした。狭いので車も最徐行で通り過ぎる。明るさは判別できるのですかと聞くと、全くできないというので これには驚いた。子供のとき麻疹を患って全盲になったそうだ。  
                                                                                                            坂を降りてT字路に来ると 彼女は何の躊躇もなく左折し その次を右折して大通りに向かう。今日は遠くまでお出かけでしたか?と聞くと、久寺家まで行ったと言うのには本当に驚いた。JR線下の狭い地下通を通り越して、国道6号の交差点を横切り、更に1Km先辺りまで行った帰りだったのだ。我々でも往復1時間の混雑する道路を 全盲女性は往復する大冒険だったとは、驚愕させられた。 
                                            
そして最後の渋滞激しい4車線の大通りに着くと、彼女は左側2m先の押しボタンに近着いてスイッチを押した。車が止まり周囲が静かになると 彼女は私より先に大通に飛び出して横切った。そして私は左方向へ、彼女は右方向に分かれて 再び左に向きを変え早足に歩いた。悪いとは思ったが興味深々の私は かなり離れて彼女の後を追った.。彼女は3本目の四つ角を左に曲がって、暫く歩き 右側の治療院前に着くと、カギを取り出して玄関を開けて中に入った。そこは私も名前だけ知っている針灸治療院だった。共に全盲の夫婦が 針灸マッサージ治療を長年自営していると聞く Sさん宅だった。 
                                           
それにしても、右折左折し 上り下りして、国道を横切る3キロ近い道路を、全盲の女性が一人で往復したとは凄い冒険だと思った。正常な私では 目隠しすると一歩も踏み出せない混雑の県道、国道、地下隧道、そして工事中の交差点を通過して往復する大冒険を 全盲の年配女性が一人で敢行したのだ。私は健康に恵まれていることを神様に感謝すべきだと思った。                     
                                  
近年の若者はまともな仕事が無いと嘆いて働かないが、まず自分の五体健全を感謝すべきだと思う。社会は契約社員ばかりで、正社員の求人が消えてしまったと悔やむがそれも違う。五体健全な自分が本気で努力しないから、満足な仕事が無いのだ。多分Sさんは生活保護を受けているだろうが、真っ暗闇の数十年間の日々を、懸命に生きているのだ。私も腰が痛い 目が見えない 耳が聞こえない....と不具合はあるが、それは単なる老化現象である。先日の屈辱や明日の不安など 誰にも心配事は絶えないが、全盲女性の苦しみに比べると雲泥の差であり、本当に些細な不具合だと思い始めた。
                                                    
高野山には 往復48キロの山道を 雨の日も風の日も休まず毎日 16時間かけて1000日間往復する千回修行を実功した高僧が 歴史上に2人存在すると言われるが、この年配女性は 長い一生を毎日修練し続ける尼僧とも言えると私は思った。

mh3944 at 11:57|PermalinkComments(0) 雑感 

2021年12月07日

211207 新資本主義とは?

岸田首相が盛んに 新資本主義で経済を成長させて成果を国民に分配すると言っているが、その実態は誰もわかっていない。多分偉い学者先生が言うコトバで、ご本人も十分には理解していないだろうが、兎に角デジタル化時代の到来で、社会や生活が激変し、成長産業も変わるということだろう。                                                         確かに、IT時代の到来で、銀行は次々と支店閉鎖を進めてATMに変えたが、そのATMも縮小廃止が始まり、本店集中のネット銀行に変身しつつある。新人銀行マンが夢みる支店長ポストは殆ど消滅してしまったのだ。                                      
化学技術系の私も、30代前半には課長職の辞令を受け、管理者の一員となって胸が踊った記憶がある。当時は毎年新卒社員が入社して組織が膨張して再分裂し、私は40才で部長に昇格、48歳で米国との合弁会社の社長になった。当時はキラキラ光り輝く石油化学の反応塔が最先端技術であり、多数の化学企業が参入したが、今日では、殆どの石油化学は産油国に移転して、国内では利益ゼロの代表的な産業になってしまった。
                                    
自動車も、技術の日産が派手に宣伝していた時代は過ぎ去り 地味な名古屋のトヨタの全盛時代になったが、そのトヨタもEV時代に突入して太過ぎる組織を持て余し始めた。日本を制覇した軽自動車も変化して、中国では50万円の二人乗り超小型EV車が街中に走り始め、トヨタや本田は自動車市場から駆逐されそうな危険な時期である。  
                                  
我々サラリーマンも、満員電車にもまれて会社にたどり着く毎日だったが、リモート時代が始まり、本社出勤は不要となり、世界の電通も自慢の49階建の豪華な本社ビルを売却して 半分以下に組織を縮小してしまった。小売り業界は更に深刻で、慶応閥が独占して覇を競った三越,伊勢丹,高島屋などの有名デパート群は縮小を続けて誰も見向かなくなり、コンビニと専門店の時代になったが、更にネット販売の隆盛で、コンビニ業界も変動を続けている。  
                                    
企画部門を歩いた私の現役時代は、大手商社と結んで、新製品の導入と国内起業化を進めてきたが、今日では殆どの情報がネット経由で入手できる為、PCさえあればベンチャー起業も、独自で小資本金で起業できる時代になり、失敗なら傷の浅い内に簡単に撤退できる時代に変わった。医療分野でも、経験と実績を積んだドクターが名医といわれてきたが、最近はAIの登場で、如何なる名医も叶わない正確無比な診断ができる時代になり、寿命が大いに伸び始めた。私も傘寿超え老体だが、 PC相手に仕事を継続できる時代に変わった。   
                             
新資本主義とは、言い換えればデジタル時代の到来であり、変化を止めないデジタル化社会を意味する。ITに乗り遅れた者は、引退して静かに成り行きを見守る以外に道はない厳しい時代になってしまった。




mh3944 at 14:21|PermalinkComments(0) 政治