2023年09月

2023年09月26日

大相撲と科学研究

柴犬の散歩途中で、今日は大相撲を見るので先に帰ります、とペット仲間に告げると、彼らは、大相撲がそんなに面白いの?と呆れた顔をする。確かにサッカー、ラグビー、卓球、野球など比べると、大相撲はスリルに乏しいスポーツではある。しかしこれは少し過去の モンゴル勢優勝が続いていた時で 今は毎場所 誰が優勝するか 予想もできない大混戦の面白い時代に変わってきた。

先日終わった秋場所も、前頭尻15位の熱海富士と 大関貴景勝との優勝決定戦になり、不利と思われた大関が注文相撲で辛勝してやっと名誉を保つことができた。大相撲は勝越し負越しの違いで待遇に大差があり、意欲を無くした力士は すぐに番付が急降下して幕内から脱落するが、日本は福利厚生の充実で 脱落した力士も 残り長い余生を生き延びる方策が色々あるが、モンゴル力士は脱落すると人生も終わりになってしまう。
                                                              
相撲は体重別クラス分けがなく、無差別一本勝負の世界で 軽い小型力士には不利だが 小型力士は あらゆる技を駆使して白星を稼ごうとする。昔は力士間で 勝星を融通する時代もあり、後がなくなった力士には内密で白星を貸すこともあったらしいが、現代相撲は、馴れ合い勝負は消えて 真剣勝負の世界となり 小型力士も必死になって白星を稼ごうとする面白いスポーツに成長した。体重無差別の戦いでは 圧倒的に大型力士が有利だが 小型力士でも意欲のある力士は 必死に抵抗して好成績を残す、気力勝負のスポーツでもある。 白鵬などモンゴル勢が横綱を独占し続けたのは、大相撲に生涯を賭けて来日するモンゴル力士の強い意思の反映でもある。取組みで不利な体勢になると 日本力士は簡単に土俵外に出るが、モンゴル力士は絶体絶命でも 俵に片足をかけて必死に抵抗し 相手をうっちゃろうとする場面も多く、その厳しい意欲がモンゴル勢の好成績に繋がっている。
  
                                                                   
別次元の話だが、科学研究の世界では、論文が他の研究者に引用される頻度が高いほど その論文価値が高くなる社会である。従って研究者は独創的な研究でも 一瞬も早く有名科学誌に投稿する スピード競争の世界でもあり、一秒でも早く投稿した科学者の名誉となる。その引用論文数で長らく世界TOPを占めてきた米国は、近年は中国に抜かれて2位に落ち、中国人論文が首位を独占し始める時代になった。TOPを占めていた米国は 自由活発な交流と相互の議論応酬が刺激となって 好成績を生むと言われるが、中国人研究者の隆盛は 何が原因なのか分からない。 逞しく想像すると、福利厚生制度が未整備な中国人研究者は 成果を出さないと 社会から脱落して生き延びることすら困難になるからだろうか。
                                            
上位が定席であった日本は段々と順位を落として、遂にベスト10位にも入らなくなった、日本人研究者は5年などの有期限定付き契約者が多く、身分不安定が研究に悪影響を及ぼしていると説明される。その対策として 政府は我が国の科学水準を上げる為 超大型奨励金制度を打ち出し 10兆円ファンドと銘打って 国内大学に公募した結果、東大, 京大を抑えて、東北大学が年間3,000億円ファンドを獲得した。東大が落選した理由は 応募内容がスケールとスピードに欠けると判断され、京大テーマは 変化する社会への対応が遅いと指摘されている。抽象的で余り理解できないが 私も別の旧帝大学生の時 、必死に研究する先生は少数で、多くは超高級サラリーマン風情で 権威の衣に生きるエリート先生が多く、若輩の私は歯ぎしりして衝突事件を起こした記憶もある。大学で研究に従事する科学者諸兄の奮起を願っている次第。



mh3944 at 11:43|PermalinkComments(0) 政治 

2023年09月17日

内閣改造―私の意見

30%台の低い支持率を向上させる為、岸田首相は内閣を改造した。しかしそれでも支持率は殆ど向上せず、30%台を低迷したままだ。岸田首相は懸命に努力しているが 支持率が何故上がらないか原因を考えてみた。 
                                   
1) まず先日の広島G7会議で、岸田首相は世界中から多数の首脳を広島に集めて原爆記念館を見学させ、原爆が如何に悲惨な結果をもたらすかを世界の首脳に示したことは大きな効果があった。カナダの首相は、再度記念館を訪問して、超悲惨な結末を再確認したとも聞く。このG7開催の結果、岸田内閣支持率は50%台の後半に急上昇した。
                                  
2) 自信をもった岸田首相は、ご自分の長男(31)を首相官邸の筆頭書記官に任命したが、大きな墓穴が待っていた。有頂天になった長男は広島の友人知人達20余人を 首相官邸に集めて食事会を開催し、勢い余って大臣任命式典の赤絨毯階段で写真を撮り 寝そべった写真がSNSに流れて形成は一転した。 その公私混同振りに国民は仰天したのだ。慌てた岸田首相は 直ちに長男を官邸の筆頭書記官から外して広島に戻したが、覆水盆に返らずで 呆れ果てた国民の支持率は30%台に戻り、その後 殆ど動かなくなった。上昇しない内閣支持率の抜本対策として、岸田首相は内閣改造に踏み切った訳だが、支持率は微動したが大きくは動かず、喜んだのは新任大臣だけだった。
                                      
3) 改造内閣の評価は専門家に任すが、私は気掛かりなことが3点ある。
まず外務大臣になって1年半の林芳正外相を交代させたが これは逆効果だと思った。林外相は活発に動いて諸外国を訪問し 沈滞した日本の外交活動を取り戻すべく努力していたが、突然の交代を命じられた本人は驚愕し 外務省も驚いた。林外相は岸田派のNo.2で英語も流暢、世界中の国々との親交と緊密化を進めて名声を信頼を獲得し始め、危険な中国とも良好な関係にあり、次期首相の有力候補と言われ始めたが 目立ち過ぎて岸田首相を脅かすことを恐れられたのだ。後任の上川陽子外相はハーバド大学卒で学歴的にも立派な経歴だが、外交は学歴とは無関係で、交流の積み重ねで信頼関係を構築できた人間関係が大きな力を発揮する舞台であり、新人の上川外相は再び国際関係の構築を最初から始めることになるだけだ。
                                        
4) 緊急最重要なテーマの少子化対策大臣に、実績皆無の加藤鮎子が任命されたことも問題である。日本の少子は急進中で 100年後には人口は半減し7,000万人になるという極めて重大な時期に、実績皆無の若い加藤大臣では 大胆な施策は打ち出せず 精々子供手当の増額から始まるのでは困るのだ。強力な男性大臣の任命が不可欠だと私は思う。日本の少子化傾の原因は色々あり、結婚相手の若者が低給料の契約社員が多いことも原因のひとつだが、女性が結婚を渋る隠された理由は、男性側の両親の世話まで押し付けられる恐怖がある。少子化時代の現代 嫁ぐ女性側は 自分の両親の世話も気掛かりであり、実家と婚家の両方の両親介護を押し付けられる恐怖が女性にあるのだ。この恐怖は 特にスキルを身につけた高給女性には耐えられない屈辱でもある。実社会でシングルマザーが増えつつある現実もその証拠である。夫婦別名問題も対策のひとつであり、政府はシングルマザー達の不安解消に責任を持つことが必要である。
                                     
5)デジタル化担当大臣(文民統制 civil control)
デジタル化は社会を効率化する最重要なテーマである。マイ-ナンバーカードでは大混乱を起こしている。PCをログアウトしないまま、次々とカードを差し替えて作業を続けた結果、自己の通帳や保険証が他人のカードに表示する大混乱をおこしてしまった。PC操作でログアウトの重要性を知らない地方役人の不勉強の結果だが、行政TOPのデジタル庁 河野大臣の無責任でもある。これはCivilian-Controlの誤解から生じる不可避な問題であると私は思う。本来Civilian-Controlは 軍事部門の最高責任者には非軍人を充当することを意味するが、日本では拡大解釈されて 理科系人材を最高責任者に任命できないと誤解されている。その結果 IT時代のデジタル庁長官にIT音痴の河野大臣が指名された結果から生じた必然の事件であり、地方の市役所でも、IT音痴がデジタル化責任者となっている社会慣習から生じた問題である。欧米では 物理学者メルケル氏が 長年ドイツ首相を務めたが 日本ではあり得ないことであり、理系人材が不自然に冷遇される社会構造になっているのだ。理系冷遇は実業界でも現実であり、不満な技術者は、何倍もの高給を中国や韓国から提示されて転勤し 貴重な技術know-howが流出するのである。IT社会の今日も 理系冷遇が潜在する日本の社会構造では、混乱と非効率が避けられないのである。



mh3944 at 16:06|PermalinkComments(0) 政治 

2023年09月07日

おわら風の盆 

昔から素敵な踊りだと思っていた 富山県八尾市のおわら風の盆をテレビでみた。日本も欧米も同じだが、お盆は 年に一度だけ ご祖先様を自宅に招いてご馳走し 翌日再び墓地に送り返すお祭りだ。大昔に私の田舎でも真夏のお盆休みのある夜、小学校グランドに浴衣を着た多数の若者達が集まって 大音響の音楽に合わせて賑やかに踊る盆踊りがあった。山奥の小さな八尾町では 諏訪町,上新町,西町など各々の村落が小さなグループになって3日間踊り続け、全国から玄人筋の観光客が大勢かけつけるという。

豪快な阿波踊りとは違って おわら風の盆は 三味線と胡弓に合わせて唄う越中おわら節に合わせて、少人数の若者達が静かに踊る 風情と哀愁に満ちた本当に素晴らしい芸術だと思った。男は無骨に所作して踊るが、やはり中心は 編み笠を深く被って顔を隠した若い女達の素朴な踊りで、世界にも誇れるユニークな純日本式舞踊であり 思わず感傷的な雰囲気に誘い込まれてしまった。朝から晩まで多忙な農業に追われて明け暮れる若者達が、年に一度だけ集まって3日間を踊り通して自分の恋人を見つけようとするのだろう。

世界にはワルツ、タンゴ、ルンバなど、いろいろな踊りがあり、いずれも男女が絡み合って激しく動く恋の踊りだが、おわら風の盆の踊りは全く違って、男女別々で 男性は無骨に、女性は控えめに 自分の胸の内を相手に伝えようとする踊りで 外国人観光客が駆け付けるのも理解できる。運動神経の鈍い私も ワルツ,タンゴ,ルンバなどをかなり練習したが クイックは踊れるが その他は自信のレベルに達することができなかった。しかし気持ちで踊る風の盆をみて 私にも無骨に踊れるかもしれないと感じた。欧米は自分の想いを派手な技で表現するが、日本式はごく控え目な所作で無骨に想いを相手に伝えようとするユニークなもので、世界にも誇れるダンスだと思った。



mh3944 at 13:19|PermalinkComments(0) 雑感 

2023年09月01日

台湾戦争の可能性

福島原発から基準濃度の1/40に希釈したトリチューム処理水を太平洋に排出し始めたが、中国は 日本が原発汚染水を排出していると猛反発している。国連IAEAも了承した無害な処理水だが、中国は太平洋を放射能汚染していると大騒ぎだ。処理水の無害性をSNSに報告しても 中國政府がネット規制して中国人は誰も読めず、真相を知らない国民は騒いているらしい。
                                               
世界の原子力発電所は冷却水からのトリチュームを必ず発生する。トリチューム世界排出量は、原発王国のフランスが年間 1京ベクレル(10,000兆ベクレル)と突出し、続いて2位のカナダが1,190兆ベクレル、中國が3位で年間218兆ベクレルを太平洋に排出中、英国186兆ベクレル、韓国71兆ベクレル、米国40兆の順で、日本は22兆ベレルと 中国の1/10にも満たない。しかし中国政府は反日米作戦の一環として騒ぎ立て 日本からの水産物と水産物加工品の輸入を全面禁止した。全く田舎のガキ大将の行動だが 中国の一般大衆はスーパーの食塩買占めに走り、日本非難の大合唱になっているという。無能な外務省もやっと本気になり、処理水の無害性を説明したいと中国に申し入れたが返事がない。このような非常時こそ大物議員の出番だが、中國訪問を予定していた公明党の山口党首は訪中を延期してしまった。全く何の役にも立たないインチキ公明党の正体が見えた。
                                           
中国が理由のない日本排斥運動に執拗する理由は容易に想像できる。それは不動産バブルで中国経済が不景気のドン底になり、失業者や就職できない学生達が不満爆破の寸前にある。その不満のハケ口を日本など海外に向けるのだ。これは中國外交の常とう手段で 迷惑極まりないが バナナの輸入禁止、石炭の輸入禁止など、中國が常に使う外交の武器だ。高成長を続けてきた中国経済も 世界第2位の成熟期になり高成長が止まると、深刻な内部矛盾を露呈し始めた。習近平は自己の権威を守る為、国民の不満を海外に向けて、日本非難するのだ。もし国民を抑えきれない場合、中國は次の手として 台湾進攻を本気で決意するかもしれない。

ロシアのプ-チンは ソ連の友好国が次々とロシア離れして 米国,EUに仲間入りするのを止める手段がなく、遂に隣国ウクライナをロシアに併合する作戦を決行した。しかし予想外にウクライナが強烈に抵抗して、雲行きは敗け戦となり始めた。プーチンは危険なネオナチの排除と称して、ウクライナに侵入して多数のウクライナ国民を殺害しているが、政治とは 国民を幸せにすることだと習っていない秘密警察員のままだ。
                                           
80年前の太平洋戦争時に、米国マッカーサー司令官は 世界中の反対にも拘わらず満州侵略を進める無謀な日本軍人を12才の知能レベルだと嘲笑した。お隣り北朝鮮の金正恩が 餓死寸前の自国民を放置してミサイル開発に奔走する姿も間違いなく12才以下の幼稚なリーダーだろうが、大国のリーダー習近平が 台湾に本気で侵攻するとは、彼もやはり未発達で野蛮な頭脳だといえよう。彼らに共通するのは全て独裁リーダーである。未開なアフリカなら納得もできるが、中国,ロシアは長い歴史を誇る世界の大国であり、平和を破って戦争を始めるとは やはり理解に苦しむ。  
                                            
人類は長い歴史で やっと民主主義を確立したが、依然として かような無法な国家が多数存在するとは誠に残念なことだ。しかし5年前の米国大統領選挙で 負けたトランプ大統領が、選挙結果を胡麻化してトランプ勝利に変えようと工作した事実もある。先進大国の現職大統も かようなインチキを企むことを考えると、民主主義は まだまだ未完成で不安定なシステムと言えるだろう。


mh3944 at 05:53|PermalinkComments(0) 政治