2023年12月

2023年12月24日

大東京の夜景 

朝早く、 病院待合室で順番を待つ間、100インチの巨大ビデオの画面を眺めていた。昔は巨大画面は液晶では不可能で、プラズマになると予想した松下電機の戦略は見事に外れて、液晶の全盛時代になった。経営の神様、松下幸之助の塾生でも 技術激変を見通すことはできなかった。
                                       
巨大画面に映る大東京の夜景は、虎ノ門ヒルズ、六本木ヒルズ、麻布台ヒルズ、森JPタワービル、などを次々と映し出している。これほど広大な東京を煌々と光り輝かすには 巨大な電力エネルギーが必要で、風力とか太陽光などでは不可、原発は必須だと思った。しかし日本人は原発アレルギーが根強く、新規原発を増設することは不可能に近い。次の新規原発は 多分高圧ガス炉発電 以外にはないだろうと私は思う。

ビデオ画面には、丸の内、大手町、日本橋、銀座、渋谷、新宿、池袋など 次々と巨大なビル群が見渡す限りどこまでも競っていた。欧米の大都市は、中心部に巨大なダウンタウンがあり、その周囲に低層のビル群が広がる風景だが、東京は巨大なビル群が関東平野の全域に乱立して、お互いにダウンタウンを競っている。これは日本人独特の、相手の事情を考えずに お互いに競い合う競争心からだろうか。お隣り韓国でも ソウル地区に全人口の6割以上が集中する大都会だという。特に若い女性はソウルに集中して キャリア向上に励み 出産が疎かになって 人口が急減する恐ろしい事態になっている。

私が東京に移住してきた昭和40年初頭には 高層ビルは皆無で、日本橋の我がDICビル(18F)が 都内で最も高く、ハトバスが来訪して 18Fビルから、日本橋、銀座、皇居の風景を観覧していた懐かしい思い出があるが、翌年には本格的な霞が関ビル(36F) が開業した。

それから半世紀、東京には次々と超高層ビルが建設されて、その威容を世界に誇っている。しかし100年後には 日本の人口は半減して7,000万人の中規模国家になるという。その時、この都心の超高額ビル群は完全に埋まっているだろうか。東京の夜は 輝きを半減して暗い夜景になっているかも知れない。それ以前に30年以内に確率70%で来襲する関東大震災が発生すると、この美しい夜景は様変わりするかもしれない。もし連動して富士山が噴火すると、東京全域に5cmの火山灰が積り、交通機関が大混乱する危険性があるという。この美しい夜景の眺めながら 色々考えていた。


mh3944 at 09:20|PermalinkComments(1) 雑感 

2023年12月13日

介護より 出生数増加を

今は介護産業の華盛りで、 至り尽せりのサービス業が提供され 関係業者が高齢者宅に出入 している。私の隣家の元船長の奥さんK(89)宅も、介護業者が連日来訪していたが、ある事件が発生した。
                                       
社交的なKさんは要介護3だが 友人知人が多く、複数の介護業者が頻繁に出入りして, ゴミ出し掃除, 買い物などを色々な仕事を代行し、給食業者は食事を宅配、介護車で週2回ほど体操教室、遊戯会に出かけて夕方に帰ってくるなど、多忙な日々を送っていた。そこに詐欺グループが目をつけ、介護車が帰った夕方に来訪して 雑談を繰り返していた。私が奇異に感じ始めたのは、夜遅くまで電灯がついている日が増えたことだが、単なる隣人の私が 警告するのは出過ぎだと思い 成り行きを見守っていた。そして月日が経過したある日、遂にパトカーがやってきて、何か事件が発生したことを知った。 
                                                               
伝聞だが、若くて優しい男性が、車で Kさんを郵便局にも連れ出し、貯金の出し入れを手伝っていたが、ある時、覚えのない大金100万円が 引き出されていると分かった。早速Kさんは 若い男性に電話したが不通だった。直ぐに隣県に住む実弟さんがやってきたが 何の対応もできず、弟さんは彼女を連れて帰り つくばの老人ホームに入れたが 全ては後の祭りだった。
                                
実はKさんは特別な事例ではなく、同様な危険をはらんだ孤独な高齢者は、私の近隣に何人もいる。ある家は奥さんが病気入院中の元金融業者、また奥さんが急死した都市銀行元社長、元大学教授のご主人が肝炎で逝去した奥さん、肺結核で若く逝去した元営業部長の奥さん、などなど。被害に遭った実例と異なるのは、多くは静かに一人暮らしている。昔は兄弟姉妹が多く、親が逝去しても、子供や孫達の誰か跡を継いだが、今は子供が少なく、片法が逝去すると直ぐに孤独な一人暮らしになってしまう。 
                                                                       
日本は少子化時代に陥り、100年後には人口が半減して 6,000万人になるという。子供達が結婚しないまま年配者になった家庭が多すぎる。 50才近くで 針きゅう治療院を開設した未婚女、何をしているか分からない50過ぎの独身娘、中堅企業を定年退職して自宅に引きこもる女、リフォーム会社に勤めながら高齢になった独身息子、公務員の父親が突然死し 息子は有名レジャーランドの作業員を担当する50才の独身息子、銀行頭取の息子で 自宅で何かしているらしい年配息子など、人生後半になっても結婚しない男性や女性が余りにも多く、これが日本の少子化の大きな理由だと私は思う。人口減少を止める為、政府は小-中-高校の教育費を無償化したが、それは順序が逆で、若者達を早く結婚させて、出生数を上げる方が急務だと思う。
                                                                     
なぜ日本の若者が結婚しなくなったのか。男性は非正規社員でプロポーズする自信がなく、スキルを身につけた女性達は、結婚しても先方両親の世話を負担したくないのだ。我々は 従来からの社会常識を変える必要があると思う。例えば結婚に失敗しても自由に離婚できる社会にするとか。ある知人宅の老夫婦は、長女が離婚して孫を連れで実家に帰ったのを大喜びしていると聞く。孫は欲しいが 義理息子はいらないようだ。
                               
昔と違って子供数が少ない現代、嫁ぐ女性が相手の両親と実家の両親の面倒まで面倒みる重荷から解放しすることだ。日本の介護システムは独居でも対応できる体制になっていると思う。更に 年間20万件近くにも達するという 人工中絶児を救う対策も必要だ。人工中絶に追い詰められた女性には複雑な事情があるだろうが、社会が万全に対応して救出すれば、年間出生数80万人は→100万人近くに上昇し、合計特殊人口出生率は 1.3から1.6に大幅改善することができると思う。


mh3944 at 13:37|PermalinkComments(0) 政治 

2023年12月01日

地方選挙

先月 私の市(13万人)の市議会議員の選挙があった。ゲルヒンの地方過疎地では 立候補者も足りないようだが、我が町は定員24名に29名が立候補した、多くは地元に固定地盤をもつ候補者であり   新人が立候補しても当選するのは厳しく、私の投票した新人候補も最下位に近い得票で落選だった。
                                 
選挙は クルマを徐行しながらウグイス嬢が名前を連呼するのが殆どで、せめて本人の声ぐらい聞きたいと思ったが、生の声は全く聞けなかった。 選挙公報の候補者主張も殆ど同じで、介護の充実、子育て支援、物価高騰の抑制、少子化対策、高齢者介護、災害対策の充実、市内産業の活性化などなど テーマは壮大だが、ご自分の手に負えない政策ばかりで 本気度は感じられず 2〜3の候補は議員定数削減を主張していた程度だ。 私は、市内産業の活性化政策について 数人の立候補者に直接聞いてみたが、全て 起業セミナーや講演会を頻繁に開催していると誇らしげに答えた。しかしその結果を聞くと、誰も 手元にデータは無いのでわからないとの返事だ。
                                         
市役所には職員4名の企業誘致推進課があり、確かに毎年 起業セミナーを開催している。しかし私がこの町に転入して以来30年間、大型住民団地には成功したが、それ以外の企業誘致の実績は全くゼロだ。お隣り印西市は、道路網も整備されて、大型配送センターも続々と建設ラッシュになっているにも拘わらず 我が市だけは企業誘致実例が何もない。確かに空き地が少なく道路事情も悪く、地価も高い我が市には、企業は関心がないようだ。
                                     
しかるに市役所は 堂々と企業誘致推進の看板を掲げ続け 常勤4名が30年以上の長期に渡って 講習会とセミナ―開催を年中行事として繰り返し続けている、担当課の経費を概算すると、@1,000万円x 4名 x 30年=12億円の膨大な予算を消費し, 活性化しているのは講師先生達だけだ。民間企業では絶対に許されない怠慢だが、結果に無関心な地方自治体では立派に通用しているのだ。
                                        
IT時代の今日、広い土地や道路網は不要で、オフィスだけで仕事ができるIT事業が山ほどあるが  市役所は関心無く 理解しようとする意欲もない。予算消化だけのマンネリ市役所なのだ。IT事業とは何者か分からなければ、出掛けて実情を勉強する気もないのだ。多分 新しいことを主張して失敗するのが怖いのだろう。選挙運動でも この無策を突く候補者は誰一人無く 異口同音に、介護、少子化、高齢者、災害対策, 企業誘致の念仏をウグイス嬢が繰り返えすばかりだった。
                                      
確かに我々住民側にも無関心で、地元の顔見知り候補者に投票して安心している市民が殆どだ。これでは岸田首相がスタートアップ企業の増出を声高に叫んでも、地方自治体はその予算消化だけが目標になり、現実のベンチャー続出は夢物語りになっている。 このマンネリ市行政を叩き直す真剣な若者が誰か立候補して ご自分の声で訴えれば 地方選挙なら簡単に当選できるだろうにと私は思った。






mh3944 at 11:54|PermalinkComments(0) 政治