2024年08月

2024年08月19日

人間関係の効用 

87才の高齢になり,朝夕の柴犬散歩が唯一のルーチンになった私は、何だか社会から置き去りされる寂寥感もある。市から高齢者集団検診の通知があり、大腸がん検査もあるとのことで 指定病院に向かった。猛暑の大通りは人影も疎らだったが、院内は大勢の患者で賑やかだった。受付で趣旨を伝え、集検担当技師と面談して 高齢者健診手続きを終えた。外は焼けつくような猛暑でも 病院内は相変わらず忙しく少々安心もした。
                                             
卒寿ちかい高齢の私が健康を維持できていることを神様に感謝しているが、貧乏性の私は現役時代の多忙な快感も懐かしい。米国ではキャンピングカーで 広い国内を小旅行し続ける引退者も結構多いそうだが、私は余生の上手な生き方になかなか慣れない。会社の先輩に猛烈な仕事士で、社長候補No.1とも言われていたSI氏が 全社の業務部門を牛耳っていたが、私は何故か彼に嫌らわれていた。想像するに多分、我社のビジョン と銘打った私の社内公募論文が 一等賞に表彰されたことが 経営企画室長としてのSI氏のプライドを傷つけたのかも知れない。余りに酷い嫌がらせに困惑した私が、彼と摩擦を避ける為 社外に出ることを考え、米国診断薬メ-カーと合弁会社を設立して本社から離脱して、彼の影響力を完全に遮断することにした。
                                             
会社本流を驀進して社長就任も直近かと思っていた彼が、突然 前立腺ガンで急逝したとの広報を受けて私は驚愕した。私の合弁会社の主力商品は 前立腺ガン早期発見の検診薬PSAがあり 私は友人知人に逢うと必ず商品紹介をしていた。もしSI氏との関係が続いていたら 間違いなく私は彼にPSAを紹介した筈て 簡単にガンを早期発見できたと思うと 運命の悪戯を思わずにはいられなかった。前立腺ガンは殆どの年配男性に発病する宿命のガンだが 早期発見してホルモン治療すれば 完全にコントロールできるガンでもある。しかしもし早期発見を見逃すと 全身に骨転移して治療不可能になる恐怖のガンでもある。人間社会は複雑極まりなく、嫌いで無益な相手だと思えても、関係を断絶すると 自分の人生にも影響して 将来の全ての可能性を失うこともある実例を知った出来事だった。 

mh3944 at 19:14|PermalinkComments(0) 雑感 

2024年08月13日

引退生活

卒寿近い高齢になった私は、会社出勤はゼロで、柴犬の朝夕散歩が唯一のルーチンとなった。西日本の山奥で育った私は 学業よりも農繁期の手伝いが最優先の学生時代で 自分の将来を家族で話し合ったことは殆どなく 将来は絶対に都会に住もうと思っていた。
                                                           
幸運にも60年の現役時代では 脳外科手術を乗り切った以外は、大事件に遭うこともなく通過し、20年間の自営会社も無事終了、子供や孫達も自分の意思で活躍をしているが、90才近くなると自分の体の不自由が目立ち始め、遂に本格的な隠居生活となった。囲碁将棋など趣味を楽しむ生活には無縁な私は、ルーティン仕事が消えた今は、朝夕の柴犬散歩がルーティンとなり、多忙だった現役社会から離れる寂しさはある。しかしIT時代になり 閑があれば PCを開いて社会変化に接し、地元のNPOクラブにも入会して 定期的に講演する緊張感もあって 結構楽しい。 
                                                                       
近隣の友人知人の大半は既に鬼籍に入った今、まだ健康で居られる幸運はに深く感謝しており、若者達の邪魔をしないことと、朝夕の柴犬散歩で転倒しないように注意している次第。

mh3944 at 10:22|PermalinkComments(0) 雑感