2010年08月03日

100803 子供の虐待

子供の虐待が増えている。無抵抗な子供を虐待するのだから全くひきょうな話だ。 狭いアパートでは子供の逃げ場がなく、抵抗する力も無いから、暴力を振るわれるままだろう。そしてその恨みは子供の心にトラウマとなって終生残る。先日宝塚の2人の女子中学生が両親ら3人を殺して自宅に火をつけたのも、永年の親に対する恨みからだという。子供虐待の原因は複雑だろうが、やはり生活の苦しさや、加害者の人間関係が希薄で周囲から孤立しているからだと私は思う。

子供の虐待は昔からあった。しかし昔の虐待と今日とは質的に違う。私が小学1年生の同級生に、岸さんと言う女の子がいた。殆ど食事を食べさせて貰えず、痩せ衰えて見るもなく弱々しい姿であったが、とうとう小学3年の途中で登校しなくなり亡くなったと聞いた、その親はなんと私達と同じ小学校の山本先生という太った女教師だった。何かの理由で岸さんは遠縁の山本先生と一緒に暮らす歯目になったのだろう。当時は奇異に思うだけだったが、今思うとなんともひどい話だ。昔は各家庭に子供が沢山いて、少々脱落しても殆ど問題にならなかったが、今日では子供の数も少なく、何より人権思想が大きく変わり、とても許されることではなくなった。

実は私も6人の兄弟姉妹の3男だが、やはり父親が極端にひどかった。もう無茶苦茶に厳しく親近感などは全く感じなかった。ひと昔前に、タケシの父親というテレビ番組があったが、その父親像は正に私の場合とそっくりで、問答無用の頑固オヤジだった。恥ずかしい話だが、私は父と正面から向き合って何かを話した記憶は一度もない。我々兄弟姉妹6人は協力して暴力から逃れ、父親に対抗したので、彼の怒りも火がついた。それは丁度イワシの大群が寄り集まって、大魚からの攻撃を逃れるようなものだ。母親はいつも身を挺して我々幼い兄弟姉妹を守ってくれた。我々兄弟のなかで、特にすぐ上の次兄はワンパク盛りで、いつも父親の攻撃対象になった。父親が何故そこ迄乱暴だったか理由は分からない。多分、祖父母を早く亡くして苦労し、更に子供や家族から疎遠にされた悪循環もあったのだろうか。

私が中学生の時、怖かったその父親が肺結核で亡くなったが、我々兄弟は誰も悲しまなかった。逆にこれで怖い父親から怒られることも無くなると内心は喜んだが、やはり母親は一人悲しんだ。昔の父親は、何処もある程度似たり寄ったりだが、この少年時代の父親像を明確に人生の反面教師と意識して、私は家族や子供たちとの会話に努めるよう心がけてきた。

しかし最近の子供虐待は昔と趣を異にしている。虐待の対象が子供から幼児に変わってきた。昔は大家族で、母親が幼児の面倒をみなくても年長の姉や祖母が子供たちの面倒をみた。私も時間を見計らって、田畑で働く母親のもとに、幼い妹に母乳を飲ますため連れて行った記憶もある。

核家族化した今日では虐待死の6割は0才児だという。その理由は、家族や職場に出産を知られたくなかったり、育児知識がなかったり、更には育児ストレスでノイローゼになどなどが主な理由と言う。昔には考えられなかった孤独な家庭が原因であり、状況が全く変わってきた。

例えば先日大坂で23歳の母親が3才と1才の可愛い女児を育児放棄して餓死させた事件がその典型だ。ネグレクトというそうだ。母親は幼児2人を自宅に置きざりにして、2ケ月の間帰宅しなかったという。餓死するだろうと思ったが、子どもの面倒をみるのが嫌で、帰宅しなかったと話している。もう常識を超えた異常な心理だ。マンションの隣り近所は連日の幼児の泣き声から異常を察知し、市役所の児童相談センターへ繰り返し電話したそうだが、このセンターは十分な対応をしなかった。住民票が登記されていなかったとか、色々もっともらしく弁解はしているが、要は業務怠慢だ、このほうが余程重大なネグレクトだと思う。 
  

子供は本当に可愛くて直ぐに成長する。しかし幼時にその面倒をみるのは母親にとって大変な苦労だ。まして今回の如く女手ひとつで働きながら幼児2人を育てるのはもう至難の業で、そのまま続く訳がなかったが、市役所や児童相談センターは彼女を見殺しにしてしまった。若い母親の両親も自分の娘には関心が薄く、結局彼女の近くに相談できる人は無く、孤独に追い込まれてしまった。この母親は生活費を稼ぐため毎晩働いていたという。誰が考えても社会が助けなければ続かないケースだが、当局は冷たくネグレクトした。

子供虐待が増えるのはやはり核家族化と生活の困窮が原因だと思う。 福祉事務所とか児童相談センター、更には保健所等、子供の福祉と安全を守る機関がいろいろ設置されており、子ども虐待の防止を図っているが、彼らの日常は緊張感がなく、いつもお役所仕事で、事件が発覚して始めて大騒ぎとなり責任の押しつけい合いになる。テレビで弁解する彼らの呆けた顔をみるとその怠慢体質は本当に見苦しい。彼らは給料をもらっているのだから、言い訳できる立場に無いのだが、何とも恥ずかしい話だ。

お役所仕事の児童相談センターでは、子供や幼児の虐待の摘発に対応できないので、やはり近隣の住民がその異常さを察知して、少しでも異変を感じたら、関係部署へ情報提供することが大切だと思う。良識のかけらもない親達だから遠慮は無用、小さなプライバシーを守って大きな命を危険に晒さないように、日本の将来を担う子供たちを大切に育てたい.




mh3944 at 10:16│Comments(0)TrackBack(0) 政治 

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