2011年04月13日

110413, 東日本大震災ー続1

今回の東日本大震災は詳細なテレビ映像が広く報道され、全世界が注目している。特に欧米の心を揺すったのは、がれきの山のアルファルト道路にうずくまって泣いている赤い髪の素足の若い女性の写真だという。そばには泥によごれた赤いブーツも揃えてあった。外国特派員が撮ったものだというこの写真には私も心を打たれた。どこもかしこも地獄絵ばかりだが、やはり心を揺さぶられる1枚の写真はあるものだ。

他方、私が哀れに思ったのは、雪が積もったダンボールの中の老母と妻の遺体の横で、空に向かって嗚咽している還暦過ぎの農夫の髭面写真がある。救出隊が多忙でなかなか来てくれず、最愛の身内の亡きがらに毛布をかけて泣きながら救助隊を待っている写真だとあった。やはりこれも地獄だ。
               
テレビ画面だが、行方不明の可愛い孫娘の写真をかざしながら探し回る老婆の姿があった。ナレーションでは、まだ浄土への道順も知らない孫娘だから、若い母親の遺体に抱かせて埋葬してやりたいと探しているのだという。何とも哀れな極限状態で、私は溢れ出る涙を隠しながらテレビに見入った。

今回の災害は津波が主な災害であったが、仮に関東地区が襲われたら、神戸のように、火災に苦しめられるだろう。何かの予測で、10万人を超える犠牲者が出る可能性もあるとも書かれていた。この東京が大地震に襲われると、まず京浜工業地帯のタンク群に着火して燃え広がり、渋滞で身動きできないまま道路に並ぶ無数のクルマが次々と燃上するという。今回の千葉コスモ石油の火災も一旦着火すると消火は不可能となり、10日近く燃え続けた。

災害時に歩いて帰れるルートMAPが多く売れたことがあった。その主要道路も現実には火の海で近寄ることも出来ない火炎ルートになりそうだ。因みにそのような時私は、江戸川沿いのサイクリング道路を自転車で北上して帰るつもりで、既に何回か試走してみたが、社員にはいつも嘲笑されている。 
  
今後日本はエネルギー源を何処に求めるか、これから激論が交わされるだろう。確かに風力や太陽光など自然エネルギーは地球には優しいが、量的にはとても間に合わない。有力な代替エネルギー源がないことは、反原発論者も十分承知だが知らん顔だ。

例えば風力発電の例では、1台がほぼ1,000KWHだから、1,000台設置してやっと原発1基分100万KWHに相当する。日本全国を合計しても風力発電装置は多分1,000台程度しかないだろう。福島の原発4基に相当するには4,000台が必要となり、全日本では多分10,000台の風力発電機を設置しなければならないという破天荒な計画になってしまう。しかも強風下で動くことが前提だが、無風状態ではその生み出すエネルギーもゼロになってしまう。自然エネルギー論者にこの辺の意見を聞いてみたいものだ。

私はやはり原発は避けて通れないエネルギー源だと思う。今回の事故の致命的な問題は、原発は大地震のショックには耐えたが、準備されていた13台の自家発電装置が全て海岸寄りの地下室に設置されて、津波の最初の一撃で全て無能化されてしまったことだ。何とも幼稚な設計思想で、独占企業体が陥り易い唯我独尊の典型例だ。原子力委員会とか、原子力安全保安院とか、仰々しい組織のお偉方の顔を見てみたいものだ。

しかし新規の原発開発計画は非常に困難になった。聞く処によると、現存の原発の寿命は刻々と限界に近づいており、もう待ったなしの状態だという。運転延長や増設なしには、少々の節電では間に合わなくなってしまうのだ。 石油や石炭等の火力発電は気候温暖化の元凶といわれており、これから日本はどうすべきだろう。まさか自然回帰の生活をする訳には行かないから、結局は、安全度を更に高めた新しい原発を開発する以外に解決策はないと思うのだが。

福島第一原発から漏出した放射能は63京ベクレル(63,000,000,000,000)とか、チェルノブイリ原発事故の520京ベクレル(520,000,000,000,000)よりまだ一桁少ないと原子力保安院は説明している。その殆どは太平洋に流れて段々と希釈される。主な放射線のヨウ素131は半減期が8日だから、1ケ月後には放射能が12.5%に迄減少し、半年後には1/50に、一年後には1/100以下に減ってしまうから実質的には殆ど騒ぐ問題ではない。 しかしセシューウム135は30年の長い半減期だから怖い。一度体内に吸収されると一生涯、内部被爆され続けるので余程の注意が必要だ。しかしセシュームは口にしてもその殆どは吸収されないまま、体外に排出されると聞いたこともある。

日本の原発が全て海岸に設置されており、普段は西風なので、福島原発の放射能の大半は太平洋に向かって広がってゆく。しかし欧米の原発の多くは内陸の河川傍にあり、汚染水は下流に向かって流れて、殆ど希釈されないまま、下流一帯に放射能をまき散らすため、日本とは比較にならない大きな恐怖となるという。チェルノブイリはウクライナとベラルーシ共和国の国境から東南方向のウクライナ国内に、日本国土の半分近い広大な土地を放射能で汚染し, 200万人の被災者を出してしまった。オリンピックの体操種目のあの可愛らしい選手達も含めて数万人が甲状腺ガンを発病しているという。しかし他のガンは少ないとも聞いた。

今回の大災害が意外に好結果をもたらす場合もある。例えば、日本はロシアや中国と北方4島問題や尖閣諸島の領有権で、いろいろ感情問題に発展して、お世辞にも関係良好とはいえないが、両国は今回の大災害を契機に日本との関係円滑化を目論んでいるという。外交関係は非常に複雑だが、改めてその微妙さにも驚く。頑張っていた前原(前)外相は僅か5万円の外人献金問題で辞任し、代わって就任した松本外相は、伊藤博文の家系の東大法学部卒の銀行マンで、外交交渉では全く存在感ないという。外務大臣は1国の全利益を代表して複雑な国際関係を推進し統括する役目だが、相手国の外相との個人的な信頼関係が非常に効く分野だともいう。手堅さだけの新人外相ではなく、もっと積極的で有能な大臣を充ててほしいものだ。


mh3944 at 15:38│Comments(0)TrackBack(0) 雑感 

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