2011年11月02日

111102手賀沼エコマラソン

先週の日曜、恒例の手賀沼ハーフマラソンがあった。毎年楽しみにしているがもう17回目だそうで月日の経つのは早いものだ。それだけ自分も年をとった訳だ。 昔からマラソンを見るのは好きだが、特にスポーツの少ない冬季には大きな楽しみ、自宅近くを走る手賀沼マラソンには格別の思いもある。半世紀前の私が学生時代、卒論の化学実験の途中で、大学近くを走る朝日国際マラソンを見に出かけて実験を忘れてしまい、発火寸前になり、教授から大目玉を食らった苦い思い出もある。

天気予報は外れてマラソンには好適な薄曇りとなった。大雨が予想された大阪マラソンも殆ど降らなかったらしい。日本にはなじみ深いリディアシモン選手を招待した大阪マラソンの30,000人に比べ、風光明媚な手賀沼マラソンも人気が高いのでいつも抽選で絞っており、今年も参加者は8,000名だが、それでも本当に大人数だ。一旦始まると強烈な人波が遠々と2時間は続いて、道路の横断も出来ないほどだ。

私は、手賀沼周遊コースの途中、往路5キロ,復路15キロに当たる手賀大橋近くで毎年見る。スタート15分にはパトカー2台に先導されたTop- Runnerがやってきたが、ダントツの早さで後続は誰もいない。余りに飛ばし過ぎでそのうち落ちるだろうと思いながらも、疾風のように走る姿は格好いい。暫く経って後続の大集団が来始めた。もの凄い人また人だ。私ならとっくにへたばる5キロだが、殆どの走者は元気で観衆の声援に応じる者も多い。走る父親を応援するらしい若い母親がタスキ鉢巻に着飾ってはしゃぐ幼い姉妹を伴って待っていたが、父親はなかなか現れず、遂に私も待ちくたびれてその場を移動した。

50分近く経過して復路15キロ地点にトップランナーが帰ってきた。やはりあの男だ。後続との距離を更に広げて1km以上誰も付いて来ないほど飛ばしている。多分プロだろう。フルマラソンでは15キロはまだ序の口だから平気で当然だが,ハーフマラソン専門のアマ走者は殆どが本当に死もの狂いの形相に変わっている。後で聞くと手賀沼ハーフマラソンの上位入賞者は男女とも殆どがフルマラソン選手だという。シーズンが始まる晩秋のこのハーフマラソンは格好の実力を試す舞台なのだ。

しかしマラソンであんなに形相を変えて苦しみながら走るのは何故だろうといつも不思議に思う。勿論、生活や給料が掛っている人達、例えば積水女子陸上部員や、箱根駅伝の常連になった中央学院大学の走者が頑張るのは当然だが、手賀沼ハーフマラソンの参加者の大多数は、趣味で走る素人かセミプロ選手だ。それなのに何故そこまで苦しまなければならないのだろうか? メーカー所属のアフリカ出身者なら、記録が悪いとクビになり、無味乾燥なアフリカに追い帰されるから、死にもの狂いに頑張るのは分かる。しかしこのハーフマラソンの殆どは一般参加の趣味的ランナーであり、仮に新記録を出しても、お金が入る訳でもない。にも拘わらず彼らは年間を通して鍛錬を重ね、そして冬季の2-3回の本番レースに出る訳だ。健康維持も目的だろうが、体に過度の負荷をかけるマラソンは、余り健康的ではないだろうと私は思う。

この苦しいマラソンが日本で盛んなのはひょっとして我々にマゾ的な体質があるのかも知れない。しかしニューヨークマラソンとかシカゴマラソン、ベルリンマラソン、ロンドンマラソン等々、欧米にも有名なマラソンがあるから、やはり人間は本質的に自分を苦しめる自虐的な体質があるのかも知れない。人類の長い繁栄を願う立場からは、底知れない享楽に耽るより、余程健全で望ましいことだとは思うのだが。

学生なら箱根マラソンで目立つと大企業にスカウトされるが、それにしても大学4年間は必死の鍛錬を重ねて、更に入社できても練習を怠ると直ぐに結果に現れるから、余り効率的な就職活動とは言えない。箱根駅伝のように格別なレースでは責任感もあり失神するランナーも出る程厳しいが,私は本気で勉強するほうが余程楽ではないかと思う。
                
数は多くはないが、後半でも引き締まった顔付きで走るランナーもおり、天使のように神々しく走る若い女性も何人かいた。彼女達はマラソンでなくても楽に生きる道はあるだろうに、何故この苦しいレースを選ぶのか、一度話を聞いてみたいと思っていたら、今回大阪マラソンで優勝したリディアーシモン選手(38)が勝者インタービューで答えていた。マラソンは人生の苦難を乗り越える術を教えてくれると。ルーマニア出身の彼女は今でも美しいが、特に若い時は最高の美形ランナーだった、やはりマラソンには経験者でないと分からない苦しさ以上の大きな収穫があるようだ。




mh3944 at 13:16│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!雑感 

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