2011年11月18日

111118,どうする日本農業


山田前農水大臣以下の農業関係者が反TPPデモを連日繰り広げている。日本農業はTPPの荒波を受けると滅亡すると連日の大騒ぎだ。何の具体策も言わず、ただ日本農業を守れと叫び続けている。  

国会議員は誰でも日本農業が衰退した理由を知っているがタブーらしく決して口外しない。それは零細農家を鎖国状態に隔離し続けた農地法なのだが誰も触れない。この法律に守られて、日本農業は戦後60余年の時代的な大変革の荒波から隔離されて、国内の農民は鎖国状態に置かれ、将来像も後継者も無いまま高齢化して意欲を失い、危篤状態に陥ってしまった。農業を救えとデモを繰り広げる農業幹部連中も、抜本的に農業を改革する気持ちは全く無く、このまま出来るだけ長生きさせて現在の旨みを吸い続けたいらしい。

農地法という悪質なウイルスは日本農業の体内深く食い込み、農民の活力と潜在的可能性まで奪い去ってしまった。自民党が零細農民の票を確保するため、農家を隔離して土地に縛りつけた悪法だが、時代を重ねて蓋を開けてみると、そこには年老いた農民が息絶え絶えに悶えている姿だった。これは丁度、中世西欧の荘園領主が農民を領土に縛りつけて安住した結果、最終的は自分達も破滅してしまったのと同じことだ。

繰り返すと、日本農業の問題点は、自由な民間資本の参入を堅く禁じてきたことだ。具体的には、民間資本による自由な株式会社経営を許さず、農業関係者以外に土地所有を許さず、農地を支配できないように、非農業関係者の議決権を1/4以下に抑え続けてきたことだ。世界は自由な民間資本が創意工夫を重ねて農業の生産性向上に日夜努力している最中、狭隘な土地に閉じ込められた日本の零細農家は何ら対抗策も講じないまま、温室状態で無駄な年月を重ねてしまった。

今、日本で行われるべきは、農地法を完全撤廃して自由な民間資本を農業に導入し、未開拓でフロンティア状態の国内農業を徹底的に改革して企業経営に改質することだ。常に激しい競争に慣れている民間資本は、必ず創意工夫して新しい打開策を次々と打ち出してくるだろう。単なるひとつの例として、私のアイデアをご紹介したい。 

 日本の平均的な農家の耕作面積は2ha(ヘクタール)だという。私の実家も50年前に1.5haの農家だったから、半世紀が過ぎても殆ど何も変わっていない訳だ。 アメリカは日本の100倍以上の300ha規模と言われ、誰が考えてもコスト的に日本は太刀打ちできず、そのまま自由化すれば、圧倒されるのは自明だ。しかしアメリカは更に10倍規模3,000haのオーストラリアに対して、経営努力を重ねながら日夜工夫し対抗している。
               
欧米に比べると日本の農耕地は大きなハンディーがあり、平坦な農地は全体の2/3で、残り1/3は狭隘な山間地だという。先ずは民間資本をこの2/3の平坦農地に導入して、更に大規模に区画整理して耕作面積を現在の2haから10倍程度の20ha程度に拡大し、一層の機械化と効率化を推進する。そして一般企業と同様に、週休2日制の企業経営を導入する。汗と涙とにまみれた非効率な現行の農業から完全に決別し、近代的な大規模に機械化し省力化した農業に改変する。農業従事者も一般サラリ-マンと同様な待遇に変更する。休みが取れない酪農は交替制度を導入して対応する。政府は補助金とか税制面でこの法人企業を助けてもよい。

コスト的にはまだ米国に劣るかも知れないが、工業製品と違って農産物は生鮮食料品だから、鮮度や、品種、味覚、有機栽培、産地直送などなどの付加的な工夫を重ねれば、少々の価格差はカバーできると思う。
一般のサラリーマンが満員電車に揺られて雑踏の都心に出勤する代わりに、職住近接の農業従業員は、清んだ空気に恵まれた田園地帯の大規模な農場に毎朝定時に出勤し、大型機械を動かして作業し、夕方には帰宅する制度に改変すれば、農業に目を向ける若手も大いに増えると私は思う。

では残り1/3の狭隘な山間地の段々畑はどうするか?これは効率化農業から切り放して、そのままレジャー農園として都市住民に安い価格で販売する。政府は各地にモダンな簡易宿泊施設を設けて、都会住民が安く宿泊出来る便宜を図る。そして土曜日曜や連休には都市住民が泊まり込み、自分名義の土地で農作業を楽しめるレジャー農園に改変する。

旧来の日本のレジャーは単純な観光地見物や温泉だけの受身型レジャーで、多くの国民は飽きている。新しいレジャー農園は家族全員が積極的に農耕に参加する能動型レジャー変える訳だ。ここでは自分達が作った春の野菜や、秋の穀類果物を収穫し、持ちかえって料理すれば、きっと格別なレジャーになると思う。例えば稲作や野菜を作るのもよし、モモやブドウ作りもあるだろう。更には自分達が育てたイチゴやトマトも賞味できる筈だ。或いは美しい花の栽培や、花園作りに熱中する人も出るだろう。

詳細は知らないが、ヨーロッパにクライネガルテン(英名Small- Garden)と言う、簡素な別荘付きで農作を楽しむこの種のレジャー農園があると聞く。日本でも風光明媚な海山に恵まれた土地で家族が農耕に汗を流すこのレジャー農園はきっと広く受け入れられると思う。農業には日常的な管理も必要だが、それは経営企業の社員や、近くに住む農民の手を借りれば十分間に合う。

クルマが下駄代わりになった今日、従来のドライブは娯楽として無意味になった。また単純な温泉保養地も飽きられてガラガラだと聞く。海外旅行は結構な費用がかかり、ゴルフに至っては家族一同で楽しむにはほど遠い。ディズニーランドも年配者は無用、その内子供達にも飽きられる日が来るのはそう遠くないだろう。
                 
旧来の汗と涙にまみれた零細農業は苦しくて私も嫌いだが、週休2日制の近代経営の大規模農業は大歓迎であり、生産性に追いまくられる自動車工場や電子機器工場に比べて、作業環境は格別に優れている。連休に狭くても自分名義の農耕地に家族全員で出かけて、大自然と話し合いながら農作物や花の栽培に汗を流す作業は大いにやり甲斐もある筈だ。

反対デモに専念する国会議員や農協幹部に言いたいのは、何の見通しもなく、ただ自分達の目先の利益や地位を守る為だけの反対運動は是非止めて欲しい。そしてTPP加入をショック療法として利用し、鎖国状態で眠り続ける日本農業を徹底的に変革してはどうか? 政府に働きかけて、日本農業を覚醒させれば、新らしい第四次産業として再び農業を隆盛できると思うのだが。 


mh3944 at 13:05│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔