2017年11月20日

171120 入院の感想 

高齢男性の増加で、前立腺肥大、前立腺ガン患者が増えている。血中PSAで容易に検査できるので、男性の前立腺ガンの早期発見に有用であり私も先日受診した。自宅から徒歩10分のT病院というベッド数50の泌尿器科病院に行った。T病院の建物は古くすぐ隣りにモダンな総合病院ができたので、Tが倒産しそうだとウワサもあったが、高齢者の激増で狭い待合室は混雑していた。       
                                              
私はまずNMR検査を受けた、患部に影があるのでBIOPSY(細胞診)でガン細胞の検査をしますと医師から告げられた。肛門から太い注射針を刺して患部周辺の細胞片を多数採取し、顕微鏡でガン細胞を調べるのだ。痛いんでしょう?と聞くと麻酔するから大丈夫!と先生は言う。一週間過ぎて久し振りに私は看護師と医師に囲まれた手術台に乗った。点滴麻酔しますよ!と言われると直ぐに気を失ったらしく、目覚めたのは約40〜50分後に病室のベッドだった。麻酔方法も格段に進歩しているとつくづく感心した。細胞片採取なら外来でも済むのでは?思っていたが、血尿も出たのでやはり1泊入院が正解だった。                                                   
                                         
2万円の個室もありますが、と言われたが、一泊の検査入院には勿体ないと思い4人部屋にした。しかし隣はアメリカ人の高齢男性が入院中で、かなり病状が悪いらしく四六時中唸っているのには驚いた。血圧を測ります!血圧ですよ!と看護師が大声で叫ぶが通じないらしい。外人に慣れていない看護師は英語で何というの!と相談し合っている。直訳ならBlood-Pressureだと思ったが、面倒に巻き込まれたくない私は黙っていた。唸り続ける患者と同室では眠れず、持参した安定剤を1錠飲むと直ぐに眠ってしまった。                                              
                                             
翌日は祝祭日でまだ外が暗い4時頃に目が覚めたが、隣は静かに眠っていた。朝食は8時頃だというが私は検査入院だから食事は抜きで退院して自宅に帰ろうと思ったが、無断退出すると騒ぎになり先生に睨まれるので、朝食を待つことにしたが、その4時間が結構長かった。やっと出てきた粗末な朝食を平らげて、今度は帰宅OKかと若い看護師に聞くと、宿直医の回診が済まないとダメですと言う。更に小1時間ほど待ってやっと寝起きの宿直医が回ってきた。遅くなりました退院OKですと言われて、私は紙袋をぶら下げて直ぐに退出した。急な検査入院だったが、平時には思いもしない惨めな2日間だった。                                        
                                             
10日ほど過ぎて、細胞診の結果を聞く為、再び外来に訪問した。順番を待つ間、上階の病室ではあのアメリカ男性はまだ唸っているだろうかと思うと哀れだった。彼が何の仕事をしているか知らないが、元気な時は颯爽と振る舞っていただろうに年をとり病気になると、狭い病室に押し込められて唸りながら過ごすことを思うと、老後の落差の大きさを痛感した。特に人気絶頂の現役時代を過ごした人は、老後の寂しさが身に沁みることだろう。例えば政界で猛威を振るった田中角栄も同様に孤独に苦しみ、歌謡界を風靡した美空ひばりや石原裕次郎も最後は苦しみ悶えたことだろう。私の検査結果は幸い軽微で今後は定期的にPSAの推移をみることになった。                                                                  
              
傘寿過ぎの高齢でも仕事を続けている私は、閑をもて余している近くの知人から、「仕事を続けていても誰も偉いとは思っていないよ!」と変な皮肉を言われたことがある。彼は一級建築士で大手建築会社に勤めていたが、CAD技術の進展に追いつけないと定年退職して既に20年経つが、逆に閑過ぎて苦しんでいるのだろう。収支さえ合えば個人企業の社長業は本当に爽快で、無為に暮らすより余程快適だ。しかし人生には健康が最も大切で、最後はPPKで逝きたいと痛感した検査入院であった。
                              


mh3944 at 09:32│Comments(0) 雑感 

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