2018年01月18日

180119 自然エネルギーと原発

暫く鳴りを潜めていた小泉元首相が、脱原発,再生可能エネルギーを叫んでいる。猛反対を押し切って郵政民営化を実現した小泉氏は、政治家最後のご奉公として、日本社会を脱原発に押し進めたいという。原発がコスト安で安全だと力説する官僚達の説明は大ウソだったと気付き、日本社会を自然エネルギーに向かわせて30年後の2050年迄には、世界をリードする完全な自然エネルギー社会を実現したいという。従来の20年後を30年後に延長したことも考えると小泉さんは本気になっている。次期首相を狙う河野外務大臣も徐々に脱原発に方向転換し始めており、更に次々期を狙う小泉進次郎議員も盛んに勉強中だと言われる。

脱原発派の論拠は、使用済核燃料廃棄物の最終保管所が全く無いことであり、特にフィンランドのオンカロに建設中の岩盤地帯に400m掘り下げて、1キロm四方の巨大空間を作り、10万年間の超長年月を安全に保管する場所が、日本には候補地さえ全く無いのだ。10万年と言えば、現代人の祖先のホモサピエンスがアフリカ中部で誕生して、アジア,ヨーロッパに向けて移動し始めたのが8万年前だが、それ以上の超長年月に渡り放射性物質を安全に管理することは誰も保証できないと小泉さんは言う。更に原発が戦争やテロで攻撃される危険性もあり、仮に北朝鮮が若狭湾の10基の原発群を破壊すると、近畿と中部地帯の殆どが放射能で汚染されて、5千万人の日本人が住む場所を失って流浪の民になる危険性をも指摘する。

原発再稼働派は、原発の発電コストが10円程度と経済的に安定しており、日本が第二次大戦に追い込まれた石油封鎖の愚だけは絶対に繰り返さない為にも、自主独立のエネルギー源として原発維持は必須であると主張する。更に再生可能エネルギーのコスト高は、日本経済を弱体化し破壊するともいう。太陽光は日中だけ発電するが、総電力の半分は夜でも供給し続けなければならないベースロード電力であり、原発以外に代替電源はあり得ないという。
 
もし日本が原発技術を放棄すると、世界の原発は中国製だけとなり、わが国のエネルギーは中国政府に牛耳られる危険な状況に陥ることも危惧する。既に原発技術を失った英国は次期原発の建設を中国に発注する予定だが、エネルギーの根幹を独裁国家中國の恣意に任すことの危険性が英国内で大議論になっている。        
                                       
現在の日本の電源エネルギー構成は LNG:40%、 石炭:30%, 雑火力:15%、水力:8%、太陽光:5%、原子力:2%、バイオ:2%, 風力:0.5% であり、水力,太陽光,風力,バイオなど再生可能エネルギーを合計しても15%程度である。大量のCO2を排出する石炭火力は、ドイツ、カナダ、フランス、英国など先進国を中心に、全廃を目指す方向に進行中であり、30%にも達する我が国の石炭火力は早急に廃止を迫られているが、原発以外には代替電源が見当たらないのが現実である。 安倍内閣は、12年後の平成42年度の電源構成を、原発:20%~22%, 再生可能エネルギー:22 %~24%、石炭火力:26%を目指しており、依然として石炭に頼らざるを得ない苦境を示している。


日本の原発総数42基の内、再稼働は5基で、 残り37基は全て停止して安全対策審査中であるが、廃止を迫られている石炭火力の代替電源は原発再稼働以外に全く見通しがない。しかるに小泉元首相はわが国の原発が大震災で全て停止に追い込まれた時でも、日本社会は生き残ったではないか。この逆境をチャンスと捉えて、安倍首相は自然エネルギ―へ強制的に転換できると主張する。   
                                                       
原発再稼働派も自然エネルギ―派も、信念を賭けた主張であり、私が如き不勉強者が勝手な意見を述べるのは少々躊躇するが、立法で強制的に脱原発を実現させようとする小泉流の思想はやはり強引過ぎると思う。その前に、両方の識者が公開討論会を開いて徹底的に議論しては如何だろうか。専門家同士が時間をかけて公開で議論すれば、その優劣はかなり見え始めると思う。仮に再生エネルギー派が優勢であれば立法の検討も可、逆に危険過ぎるとの意見が優勢だと判明すれば、安倍内閣の漸進的な転換政策を進めればよい。郵政民営化の如く、賛成派,反対派の多数決で結論を出す人気投票の議案では無いだろう。                                                                                                                    
参考までに、大震災の教訓として見え始めた一条の光は、日本原子力機構が開発した次世代の小型原子炉の高温ガス炉があり、現在 ポーランドへ技術輸出して建設する案件が具体性を帯びているという。これは原子炉の熱をヘリュームガスで取り出す新技術であり、運転用の水も不用、電源を喪失しても炉心溶融に至らない小型原発であり、運転の安全性も極めて高いと言う。本件は日本の原子力行政に夢を与える魅力に溢れた展開となりそうだ。                               
                                            

mh3944 at 14:51│Comments(0) 政治 

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