2018年05月18日

180519 フランスの凋落

仏マクロン大統領が苦闘している。 歴代政権が過度に規制緩和を進めて生じたフランス国民の怠惰病を断ち切りメスを入れようとして、国民から猛反発を食っている。 怠惰病は、国鉄、航空会社、法曹界、大学など広範に広がり、規制緩和で生じた悪平等が深く浸透してフランスの国力低下を招き、重大な事態に陥っているという。         
                                         
産経新聞(5/2)によると、例えば世界の大学格付で、世界のNo.1のオックスフォ-ド大学、No.2のケンブリッジ大学に続く実績と格式を誇っていた仏ソルボンヌ大学はNo.196位に迄ランクを下げた。因に東大はNo.28位、京大はNo.36位。 誰でも自由に大学で学べるべしとの方針でソルボンヌ大学は入学試験を廃止し高卒者全員に門戸を開放し、希望者多数なら抽選方式にした為、大学には学力不足の学生が溢れて、無事に卒業できる者は半数にも満たないという。                                                                                         
                                       
昔は肉体労働だった国鉄には多くの特典が残存しており、従業員は52才になると退職して年金を満額受給するという民間ではあり得ない厚待遇のため、フランス国鉄の債務残高は6兆円に達した。ドイツや北欧諸国は年金制度を大胆にカットして競争力を回復したがフランスは改革案が提案される度に大規模デモに発展して全く解決されない。その結果フランスの経済力は独,英,他諸国に大きく引き離されてしまったという。                                                                                
                                          
マクロン大統領が掲げる悪弊改革は、次の如くであり、日本や西欧諸国ではごく当り前のものばかりだが、既得権化したフランス国民はこの改革に猛反対のストライキを起こすという。
    a) 大学入試を能力主義に戻す  
    b) 国鉄職員の年金制度の改革   
    c) 議員が自分の家族を雇用することを廃止、
    d) 労働者の過保護を止めて、企業の競争力を回復  
   e) 法人税33%を段階的に25%まで引き下げ  
    f) 継続中の非常事態宣言の解除       
                                           
                                        
かような悪弊が続くとフランスは国力を喪失して、残るは幻のごとき観光業だけになるが、その観光業も近年はテロ頻発で、フランス旅行者は大きく減少し始めているという。                          
                                      
欧州の私の友人達の言動からもこの雰囲気は十分理解できる。ドイツ人は律儀で堅苦しく話し難いが、イタリア人は社交的で医薬会社の社長が、イタリアには2重帳簿が多く、課税対象と実売上高とはかなり差がある、日本企業はバカ正直すぎると笑う。イタリア、スペイン、トルトガルなど南欧ラテンの友人達は底抜けに明るく楽天的で、交通ラッシュが朝昼夕の日に3回、昼食後は自宅で昼寝というシェスタ慣習も最近は影を潜めてはきたが国民は享楽的な人生を楽しみ、同じラテン民族のフランスも人生は楽しむべしと信じる人々が多いようだ。                        
                                               
日本も笑ってばかりはおられない。野党は国民の歓心を買うことに熱心で、彼らが提案する放漫予算が実現すれば、日本もフランスのように国力を失って凋落に陥る危険性が大きい。日本の大きな問題は2つであり、ひとつは 若者達が元気を喪失して人口減少が止まらないことで、他方は福利厚生予算ばかり増加する放漫財政を続けていることである。これらは複雑な問題だが、与野党は如何に若者のやる気を取り戻すかを真剣に検討すべきである。
                                               




mh3944 at 08:26│Comments(0) 政治 

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