2018年11月07日

181107 福島原発裁判

  
東電福島の原発事故の裁判が始まった。東電は予想できた筈の大津波への対策を怠った為、原発事故が起きたと被害者側は主張し、東電側はM9クラスの巨大地震が発生して大津波が来襲するとは予想できなかったと反論する。要は大地震発生を予測できたか否かの論争で、誰も結論が出せない宗教裁判のようでもある。                                                                               
大地震当時の東電副社長の武藤栄氏は、事故発生の3年前に福島第一原発を15.7mの大津波が来襲する危険があるとの試算報告を受けていた。しかし武藤副社長はその報告は信頼できない、土木学会で再検討するよう指示して終わった。そして3年が経過した平成23年3月11日にM9巨大地震が発生して15m級の大津波が襲い掛かり原発を水没させた。 武藤副社長は、大津波を防ぐ防潮堤は数百億円を要する巨額投資なので安易に決断出来ず、大津波来襲の信憑性を確認する様指示していたと反論する。 裁判官も困惑する難題だが、私が裁判官だったらどう判断するかを考えてみた。                                                    
                  
武藤副社長は多分、桁外れの大津波の来襲は、学者連中の誇大妄想の可能性がある。もし防潮堤を建設すれば東電経営の収支に重大な悪影響を及ぼし自分の責任となる。巨大地震の予知は国家プロジェクトとして20年間も研究され尽くされた難テーマだが、信頼できる結果は何も得られなかった。当てにならない大津波来襲に対する巨額投資は東電の役員会でも認められる訳がなく、提案は嘲笑されると思ったのだろう。                                                                                     
大地震の予知は極めて困難な問題だが、過去に東北地方に大津波が来襲したことは歴史的な事実でもある。来襲するのは確実だが時期が不明なのである。私は巨大投資でなくても、最小限の対策だけは対応しておくべきだと考えただろう。大津波が来襲しても原発が破壊して放射能が撒き散らされることだけは絶対に避けるべきと思うのだ。                                                                                                                      
地震による原子炉事故は、原子炉が物理的に破壊されるか、津波で原発が水没して電源が途絶して冷却不能になるかのどちらかだが、頑強に設計された原子炉自体が破壊する可能性が極めて小さい。他方、大津波で原子炉が水没して発電不能に陥ることはあり得るかもしれないが、冷却を続ければ原子炉が暴走することはない筈だ。即ち大津波に襲われても 冷却水を原子炉に供給し続けられるように大型給水車を準備して、近郊の水源に届く十分なホースも用意すれば長期間の冷却も可能だと。                                     

或いは大津波で電源が水没して外部電源が途絶した場合は、別ルートから電力を確保する体制を整えておけば、事故に至ることはないから、移動型の大型発電車を何台か準備ておく。大型給水車と大型発電車の価格は不明だが、仮に@5000万円としても、給水車10台+発電車10台の合計20台の金額は精々10億円であり、防御壁の数百億円の1/100だから、役員会は簡単に説得出来る。大地震の予知は学者連中の結論を待つ以外にない。いくら検討しても誰も明確な結論を得ることは不可能かも知れないが、この10億円で最悪の原発事故だけは回避できると。                                                                                             
大津波の来襲時期は誰にも分からない。しかし分からないから何も対策しないのは無責任だ。チェルノブイリ事故で知られたように、原発事故は人類に極めて大きな災害を及ぼす。にも拘らず東電副社長は、土木学会で再検討するよう指示しただけで放置し、深刻な災害の危険性を慎重に考えたとは言えない。従って副社長は業務上の重大な過失責任がある。                    
                                             
まあ六法全書を殆ど勉強したことがない私だが、東京地裁でDNA裁判を実体験して法律屋の頼りなかった判断も知っている技術屋の意見であるが。  
       


mh3944 at 08:21│Comments(0) 政治 

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