2019年01月15日

191015 ルノーのビッグ4戦略


フランスはドイツと並んでEUのリーダーだが同時にライバルでもある。ドイツのVWが大成功してトヨタと並ぶ世界NO.1 No.2を争っているが、フランスのルノーは脱落している。フランスは日産と提携して、ルノー,日産,三菱グループで、VWを抜き世界No.1の生産台数1060万台を何とか達成はしたが、名実ともにTOPになる為に、小さなルノーが大きな日産を飲み込んで単一企業に融合させることをフランス政府は狙っていた。                                          
                                                  
倒産寸前の日産にフランスから送り込まれたゴーン氏は、徹底的なリストラで2兆円の有利子負債を完済して日産を立て直した。派閥横行で組織が腐敗し競争力を失っていた日産に、ゴーン氏は大ナタを振るって徹底的なリストラを実施して見事に再興させた。リーマンショック時は、社員2万人をリストラして乗り切り、彼は一躍ルノーグループの独裁リーダーになった。                                  
                                                                
輝かしい成果に酔ったゴーン氏は、私腹も肥やし始めた。欧州でも高額過ぎると批判の年俸20億円を隠す為、有価証券報告書に半額の10億円と記載して残りは記載せず、合計90億円の報酬隠しが発覚し、日本の検察に逮捕されてしまった。更に自分の個人資産管理会社が通貨デリバティブで蒙った18億円もの巨額損失を日産に付け替えていたことも発覚して、証券監視委員会から背任行為だと指摘され、自分の資産管理会社に戻したが、30憶円の保証状を提出してくれたサウジの友人ハリド-ジュファリ氏に、日産の機密費から販売促進費の名目で16億円を違法に支払っていたことも判明して、これが理由のない横領だとして検察から追起訴されることになった。                 
                                           
これら調査の過程で次々と発覚した事実は、日産会長のゴーン氏は日産機密費を勝手に使って、レバノンの知人に22億円、URA知人に28億円、 オマーン知人に39億円、 カタール知人に3億円など、合計110億円もの使途不明資金を私的に支出しており、その一部はゴーン個人の口座に還流させていたことも明らかになった。                           
                                      
次々と暴露される使途不明な巨額横領事件に関してゴーン氏は、私用ではなく日産車の販売促進費であり、自分は無実であると主張しているが、その活動実績は何も無かった。これほど日産を食い物にしていたゴーン氏は日産の信用を失って日本国民からも見放されてしまいつつある。                                   
                                       
フランス政府はゴーン氏に命じて、日産の技術力、開発力、ブランドをルノーに取り込み、ドイツのVW、米国GM,トヨタに匹敵する世界のBig-4自動車会社に拡大させる政策を狙っていたが、ゴーン氏の巨額横領事件の発覚で、業界から見放されることになった。フランス政府は信用を失ったゴーン氏を見限り、ルノー自動車の会長職からも解任する情勢になった。因みにゴーン氏はフランスの富裕税から逃れる為、数年前に居住地をフランスからオランダに移しており、既にフランス国民ではなくなっていた。かくしてルノーが日産三菱を奪取して、世界のビッグ4に食い込む巨大プロジェクトは頓挫することになった。                               
                                         
                                  
最近、私が親しく有能な元部下も似たような事件を起こしてしまった。彼は極めて優秀で同僚の何倍も働き、大きな業績を上げてきたが、段々と自信過剰に陥り、ゴーン氏と同様に目が吊り上がり緊張しきった風貌と言動に変わっていた。自分の成果に酔った彼は私腹を肥やす行動にも手を染め始めていたが、その悪事が露呈して会社から退職させられてしまった。真面目に働けば、有能で勤勉な彼の実績は高く評価されて役員にもなったであろうが、成果に陶酔して急ぎすぎ、自己を見失って墓穴を掘る結末になったことに、私は残念で本当に悲しい思いをしている。25年前に彼の上司であった私は、彼の異常な雰囲気を感じてはいたが、事前に忠告して止める勇気はなかったことを悔やんでいる次第。                                       
                                        
                                        
日本にコンビニを導入して小売業界に大変革をもたらした セブンイレブンの鈴木敏文前会長も同様なケースだと思う。業績停滞に喘いでいたスーパーにコンビニを導入して、倒産寸前のイトーヨーカドーを劇的に再興させ、小売業界の神様になった鈴木敏文氏は、実績が殆ど無い自分の息子を後継に据えようと画策して挫折し、親子共に退社に追い込まれてしまったのも、自分を見失った慢心が惹き起した事件である。                                    
                                        
零細企業を自営する私がもしゴーン氏や鈴木敏文氏と同じ立場であったら、如何に行動しただろうかと考えてみた。仮に自分がオーナー社長であれば、自分と企業は一心同体の運命体であり、少々の自由な言動や行動は許されてしかるべきだとも思う。しかしゴ−ン氏も鈴木氏もサラリーマン社長であり、独裁的な地位にあっても、自腹を肥やす勝手な行動は許される筈はなく、勝手な行動は自己破滅に陥るのは当然であろう。更に私は憶病者なので、仮に自分の企業が大成功しても、その会社を勝手気まま経営する蛮勇は私にはないだろうとも思う。





mh3944 at 09:33│Comments(0) 政治 

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