2019年09月12日

190912 命の叫び 

「もうおねがい。ゆるして、ゆるしてください。おねがいします。きのうぜんぜんできてなかったこと、これまでまいにちやってきたことをなおす。これまでどんだけあほみたいにあそんだか。あそぶってあほみたいだからやめる。もうぜったい、ぜったいやらないからね」「ぜったいぜったいおやくそく。あしたのあさは、きょうみたいにやるんじゃなくて、やるんじゃなくて、もうあしたは、ぜったいやるんだとおもって、いっしょうけんめいやって、パパとママにみせるぞ。えいえいおーう。おやくそくだから、ぜったいにおねがい」

これは昨年まだ寒い3月 風呂場で義父から冷水を浴びせられて死亡した目黒区の船戸結愛ちゃん(5才)が 絶命する前にパパ,ママ宛に書いた最後の詫び状だった。結愛ちゃんは食事も与えられず衰弱して寒さに震えながら 残る力を振り絞ってチラシの裏に書いた最期のおねがいだ。八十路を過ぎた私も思わず涙した。テレビに映る愛くるしい結愛ちゃんが、ごく短い生涯に覚えた語彙をフルに使って冷酷なパパに許しを請うた心からの訴えだ。小理屈並べて80年生きてきた私も恥ずかしくなる。 近年、幼児や子供の虐待死事件が多発し 1月には野田市の栗原心愛ちゃん(10)が父親の虐待で死亡、鹿児島出水市では大塚璃愛来ちゃん(4)が同居の交際相手 日渡駿(21)に風呂場で溺死させられるなど、毎日のように痛ましい悲劇が平和な筈の我が国で続いているのだ。  

 結愛ちゃんの義父 船戸雄太(34)は何故ここまで冷酷になれたのか。母親の船戸優里(27)は、同居する雄太が怖くて結愛ちゃんを守り切れなかったと裁判で泣いて詫びている。若い女性が心理的DVで動けなかったのかもしれないが それは言い訳にならない。 野獣の世界で親の子殺しが知られており、ライオン社会ではボスが交代すると、新ボスは1〜2年以内の子供ライオンを殆ど殺すという。雌ライオンは我が子を守ろうとするが、新ボスは徹底的に子供ライオンを攻撃してかみ殺すという。これは雌ライオンを早く発情させる為の雄の本能的な行為だ。しかし大脳が発達した人間ではこの本能は破壊されており 子供殺しは殆どあり得ないと学者先生はいうが、船戸雄太にはこの子供殺し本能がまだ残っていたのだろう。  

赤ん坊や子供が訳もなく泣き叫んで親も怒り心頭に達することはあるが、船戸結愛ちゃんの真摯な詫び状から それとは全く違う。食事を与えず寒い風呂場で冷水を浴びせて衰弱死させた船戸雄太は、他人の遺伝子をもつ結愛ちゃんの存在が許せず、子殺し本能が働いたのだろう。

比較するには適当ではないが、私の故郷山口の童謡詩人 金子みすずを思い出した。萩に生まれて昭和初めに下関に嫁ぎ、無学で遊び人の夫から淋病を染され 唯一の楽しみの短歌まで禁止されて 心理的に追い詰められ、終に26才で自殺したが 彼女も心揺さぶる命の叫びを数十篇の短歌に残した。お見合い写真だろう彼女の姿には、内面に深い悩みと苦しみを秘めながら 短い人生を閉じた悲痛の叫びが読み取れる。いつの時代にも脳が未発達なケダモノ近い若者がいるのは本当に困ったものだ。

金子みすずの詩                     
おさかな、  海の魚はかわいそう。お米は人につくられる、牛はまき場でかわれている、こいもお池でふをもらう。 けれども海のお魚は なんにも世話にならないし いたずら一つしないのに こうしてわたしに食べられる。ほんとに魚はかわいそう。
                            
わたしと小鳥と鈴と:  「わたしが両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥はわたしのように、 地面(じべた)をはやくは走れない。わたしがからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴はわたしのように、 たくさんなうたは知らないよ。鈴と、小鳥と、それからわたし、 みんなちがって、みんないい。





mh3944 at 08:49│Comments(0) 雑感 

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