2019年11月11日

191111 余生も楽ではない

仕事を早めに終えて近くの理髪店に立寄った。散髪屋も不景気でいつも椅子が空いているが、久し振りに先客がいた。どうせ短時間の1,000円散髪だろうから直ぐ終わると思っていたがなかなか終わらず1時間近く待たされた。珍しく本格理容で鼻ヒゲまで手入れしていた。先客は3,000円支払って私と目が合うと、我家の隣りのKさんだったのには驚いた。                    
                     
Kさんは元金融業で10年前に退職して隠居の身だが、生活スタイルは相変わらずで気位が高い。奥さんは認知症で近くの老人ホームに入居し、ご本人は孤独な生活だが、金融業出身らしく上流感覚が抜けず、近隣との付き合いも殆ど無く、すぐ隣りの私とも滅多に話さない。            

私の住宅街には大手銀行のOBが多く、現役時には肩で風を切って歩いていたが、長いキャリアで得られるスキルは乏しく、退職すると 彼らは周囲との関係が築けず殆どが孤立した生活を送っている。ある大手銀行OBは子犬をつれて朝夕散歩するが ペット仲間同士の付き合いが苦手だ。私も柴犬を毎朝散歩させるが、特に夕方の散歩時には多数のペット仲間が集まって暗くなるまで無駄話しをする。殆どが主婦層の井戸端会議だが、ペット達には最高の楽しみで互いに取っ組み合いに遊ぶので、私も長い時間付き合っている。しかし銀行OBさんはそのサークルには加わらず、いつも近くを通り抜けて行く。長い銀行員生活で身に沁みついた高給取り意識が邪魔して、庶民のペット仲間にはなかなか入れないらしい。                         

私は、銀行屋や株屋などの金融業が好きではない。お金は儲かるだろうが、一生を賭けて得られるものは殆どない虚業の一種だと思っている。株式業者は、瞬時の情報にも気が抜けない緊張する仕事だろうが、情報を素早く入手して売り逃げする以外に何も残らないと思う。それでは心を許せる友達はできる筈がない。私のヨット仲間にも株屋OBが数人いるが、彼らはいつもシングル艇に乗る。ヨットにはシングル艇と2人艇があり、2人艇は狭い船上で長い時間 苦労話や人生談義になってしまうが、金融業OBにはそれが耐えられないらしい。                 

金融マンは長い間、社会のエリート階級として、多数の目利きや秀才が集まったが、今や銀行業は不景気風が吹きまくる斜陽産業になり 下坂を転がり落ちている。銀行マンが独占した金融業はIT金融やスマホ金融に代わられて、大手銀行には厳しいリストラ旋風が吹き荒れている。それは小売業界の激変と同じで、華やかなデパートは 小売業の雄として業界をリードしてきたが、近年は衰退の一途を辿り、ネット販売やコンビニに代わられてしまった。しかしデパート業界を牛耳ってきた慶応マン達は現業にしがみついている。良く知られた例え話に 蛙を熱湯に投げ込むと驚いて飛び出すが、蛙の入った釜を徐々に加熱すると多くの蛙は逃げ出せず死んでしまうという。       

どんな職業でも仕事の習性が性格に大きく影響するのは避けられない。私も工学出身で 堅苦しい技術屋精神に凝り固まっていたが、40代で米国系企業の責任者として国際社会に放り込まれて外国人との付き合いを強いられ大恥をかいたが、世界には色々な人々がいることも教えられ 今では人生の賜物になっている。
  






mh3944 at 10:30│Comments(0) 雑感 

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