2021年03月22日

210322 産業スパイ   

50年前に私がまだ研究員だった頃、得意先の開発部長を同伴してシカゴの米国化学会に出張した。会場に着くなり 部長は一眼レフを取出して スクリーン映像を撮り始めた。画面が変わる度にバッシャ! バッシャ! と撮影するので 周囲は顰蹙したが 彼は続けた。当時の我国の技術開発は米国の最新情報を素早く入手することが大きな任務だったのだ。
                                         
時代は代わり今は、EV自動車の動力源の電池開発が世界で激しく競争中だ。リチューム電池は充放電を繰り返すと劣化するので、全固体電池が使われる見通しとなり、我が国の研究陣も必死になって急速充電可能な全固体電池を開発中だ。技術開発では常に先頭を走る我国も、量産段階になるといつも韓国中国に抜かれて2〜3番手に落ち込む歴史を繰り返している。半導体然り、液晶テレビ然り、有機ELテレビ然り、リチュ-ム電池然りと、日本は研究開発でノーベル賞を受賞しても 量産段階になると必ず中韓に抜かれてしまう。それは半世紀前に 日本が米国技術を導入して量産態勢を素早く確立したのと同じであり、今日の日本の最新技術は直ぐに中韓に流れてしまう。  
                                   
外国技術の導入は自国開発より確実で安く、中国韓国は常に 日本の最先端技術を探っているが、 我が国から技術移転の多くは不法盗用で、中韓のブローカーに騙された日本の技術者が 秘密裏に持ち出しているのだ。私は実例も知っている。例えば、中韓は日本の学術誌を見て標的を定め、技術の持出しを打診する。苦労ばかりで正当に報われない想いの技術者は 高額な提示に目が眩んで 安易に誘惑に乗ってしまう。例えば総額5,000万円で最新技術提供に合意したとする。日本の技術者親しい仲間集めて最新情報を取集し USBに分割して、土曜日曜に韓国に渡って提供し、初回500万円を受け取って歓喜する。続いで2回目の500万円 3回目の500万円と情報を渡すが 回を負う毎に要求レベルが厳しくなり 核心情報を要求され始める。 
                                          
殆んどの技術情報を渡して、残額3,000万円を要求すると、韓国側は内容不十分を理由に残額支払いを拒否する。日本技術者は怒り狂うが 誰にも相談できず、救いを求めることも不可能で 悲嘆に暮れて手を引くことになる。私の知っている例では 当初は韓国中国の国家プロジェクトの主要メンバー扱いに待遇され 意気に感じて行動するが、最後は騙されて意気消沈し人生を恨みながら 不慣れな盆て栽を始めて気を紛らわしている者もいる。 
                                          
実は韓国も、中國への技術持出しが続発してトラブルが多発している。具体例としては 高性能電磁鋼板の製造技術の盗用事件があり 韓国技術者が韓国ポスコ社開発の独自技術として 中國に不法に持ち出した技術情報が、実は10余年前に 韓国ポスコ社が新日鉄から盗み出した技術情報だったことが判明して、日韓中三国間で国際的な紛争になった例もある。
                                            
我が国は産業スパイの法整備が極めて遅れており、スパイ王国ともいわれている。我々同胞が自国技術を不法に盗み出すことには大いに憤慨するが、国内での待遇に不満を持つ技術者は、甘い勧誘に乗り易く 貴重な技術情報を横流しするのだ。政府は貧弱な日本の産業スパイ取締法を早急に整備して、不正持出し者は2度と再起できない厳罰方式に改正すべきである。      
 


mh3944 at 10:39│Comments(0) ビジネス 

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