2023年02月16日

小売業界の栄枯盛衰 

大昔の75年前 私は尋常小学校6年の修学旅行で 広島の福屋百貨店に行った。生まれて初めて見る大都会のデパートは夢の世界で、田舎者の私には全てが驚異だった。特に1Fー6Fを繰り返し上下往復するエレベターが無料だと知って、何回もエレベーターに乗り降りしながら 楽しい時間を過ごした。存分堪能した私は 屋上から下を見下ろすと 級友達が道路に整列して待っているのが見えた。驚いた私はエレベターを待たず 階段をぐるぐる回って走り下りたが、遂に下り階段が見つからなくなり 泣き出した処、そこはB1だと教えられた忘れられない出来事があった。

それから1世紀、デパートは小売業界のリーダーとして慶応閥が日本の市場を率いてきたが、遂,に価格勝負のスーパーに敗れて失墜し、今では見る影も無い。しかし勝負に勝ったスーパーも 年中無休 24時間営業のコンビニの利便性に押されて勢いを失い、3大コンビニが 国内マーケットを寡占して、これからの如何に展開するか?と見守っていたが、遂にコンビニを駆逐する強力な新勢力が現れてきた。
                                                                              
それは生協コープの宅配システムだ。半世紀以上の大昔、行商紛いの訪問販売からスタートした。華麗なデパート, 低価格のスーパー, 利便性のコンビニには勝てる筈がない生協だったが、遂に新しい活路を見出した。それは子育てやパート勤務に多忙な主婦の時間を節約する利便性で 惣菜等を纏めて週一回 自宅に届けるシステムだ。手ごろな値段で自宅に届けるサービスは 多忙な時代の波に乗って社会に浸透し始めた。近年コンビニ業界が人手不足で苦戦する中、コープ生協は惣菜から各種雑貨品へと品揃を多忙な主婦に届ける 小売り勢力に成長してきた。        
                                                      
私の近くは 大手ドラッグストア、大手スーパー、大手コンビニ等が 激しく競合する利便な環境でで、コープ生協には長らく無関心だった。しかし夫婦共に高齢になると お茶など重量商品には難儀し、トイレペーパーなど嵩張る商品もコープ生協は 簡単に自宅に届けてくれる便利さに魅了された。スーパー信者だった家内も、次第にコープ生協の品揃と宅配利便性を納得して、遂にコープに宗旨替えする始末。大昔に学生運動で 就職できなかった私の知人は、生協のタートで働いていたが 今はコープ生協の大幹部に収まって 昇天の勢いにある。時代の変化は誠に恐ろしいものだと思う。
                                
最先端の商品と文化を教えてくれた都心デパートには 近年全くご縁が無く、24時間無休のコンビニも不満は無いが、コープ生協の宅配利便性は便利で これから本格的に世話になりそうだ。慶応閥が独占してきた豪華なデパート群は魅力を失って衰退し、代わって パートで細々と生き延びたコープ生協は、小売り業界の寵児になるとは、 小売世界の激しい栄枯盛衰に驚いている次第。 


mh3944 at 12:44│Comments(0) ビジネス 

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