2023年04月10日

苦闘の酪農業

私は柴犬を飼っており、晴雨に拘わらず毎朝夕 柴犬を連れて30分ほど散歩する。最近はペットブームで、初顔のペットに度々出会うが、極小型犬(5キロ以下程度)が圧倒的に多い。ペットは家庭雰囲気を和やかにしてくれる。雨降り時、極小型犬はマンション内でも用足しできるが、中型犬以上になると 暴風雨でも必ず外出し散歩が欠かせない。    
                                                                
朝夕の世話が絶対に欠かせないのは酪農業も同じだ。私の実家も大昔に肉用牛を数頭飼っていたが 年間365日、毎日の世話は不可欠で、春の大型連休とか、真夏のバケーション、年末年始の連休など 全く無関係で、毎朝起床してから夜遅くまで、牛、豚, 鶏の世話に明け暮れる。嫁いできた私の母親は、農作業の余りの苦しさに耐えかねて 何度もほぼろを売り(離婚覚悟で家出して)、泣いて実家に帰ったと聞いたことがある。農繁期の多忙な時は、私も必ず作業に参加させられた。農業酪農だけは絶対に就かないと 心に誓った記憶がある。
                                            
近年の農業はかなり機械化されて、昔のオール手作業とは異なり、米作り、田植え、草取り、収穫など殆ど自動化されてドライブ気分も味わえそうだが、毎年1ケ月も使わない農耕機械を デラックス外車並みの大金をはたいて購入する為、そのローン支払いに苦しみ続けられる職業でもある。
                                          
酪農も搾乳ラインなどが かなり省力化されているが、乳牛の健康維持は重要で、お盆や正月休みも無く 年間365日 重労働が続き、酪農関係者は必死の思いで生涯働き続け 普通の会社員生活に比べると 地獄的な重労働とも言える。また牛乳は清潔さが生命で、異物混入、腐敗などは絶対に許されない緊張の仕事でもある。更に最近 飼料として輸入するトウモロコシ価格が ウクライナ戦争を理由に暴騰して、酪農経営は大赤字に転落してしまった。追い打ちで 学校がコロナ休校になると学童用牛乳が無駄になり、保存も不可能な為、新鮮牛乳を泣いて牧草地に流し捨てるのをテレビで見たこともある。
                                          
近年、人手不足で運送業や宅急便などエッセンシャルワーカーの人手不足が重大問題になっており、特に年間無休の酪農業者の苦しい作業環境には頭が下がる。世界はIT社会になり、会社業務も様変わりしてデスクワークが主体で、休養の必要性も叫ばれているが、IT時代から取り残された酪農業は、国民健康に必須の食品生産者であるにも拘わらず、超厳しい経営労働環境が続いていることに感謝しなければならないと思う。

mh3944 at 10:55│Comments(0) 政治 

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