2023年10月20日

自動車業界の行方

私は放射性診断薬(RIA)の輸入販売を10余年 担当したことがある。RIAとはRadio-Isotope-診断薬の略であり、微弱な放射性をもつ臨床検査薬だが、半減期は1ケ月で放射性は簡単に減衰する。しかし正真正銘の放射性物質で その取扱いは厄介、普通の病院検査室では使えず、厳蜜な放射線防止対策特別室が必要となる。更に使用後の廃棄物も 個別に廃棄処理が必要で厄介だった。しかし時代は 簡単に扱える非放射性検査薬への移行がユーザー側の要請だった。問題は、その試薬に適した電子機器の開発で、化学会社の手には負えない分野であり、試薬業界は業界の指導権を 日立、東芝など電子機器メーカーに奪われてしまった。有名な菓子メーカーが包装紙メーカーに乗っとられた気分で 化学屋は悲憤にくれたが、我々は臨床検査業界から撤退することになった。 
                                        
実は同様な大変革が自動車業界でも進行中である。日本は燃費良くて走行距離も長く、素晴らしいHybrid自動車を開発したが、突出し過ぎて欧米が追走できず、諦めた欧米中国メーカーは Hybridを駆逐する意思を固めた。欧米中国はHybridがCO2を排出することに難癖をつけ、CO2ゼロのEV自動車に移行すべきとの意見で一致してしまった。
                                                 
特に世界最大の国内市場をもつ中国は 日米欧から自動車市場を奪取する為、国家総動員で 激烈なEV転換作戦を開始し 欧州もHybrid駆逐作戦に同乗して、世界はEV車に向かって大きく転換し始めた。当初は様子見だった米国も、欧州中国のEV転換作戦を受け入れて、米国内で生産することを条件にEV戦略を採用して、日本Hybridだけが取り残されてしまった。EV車はエンジンが不要で、モーターと電池だけで動き、大幅なコストダウンも可能で有望だが、膨大なエンジン技術陣が不要になり、大規模なリストラ問題になる為、日本は決断が遅れて 世界のEV転換作戦に出遅れた。
                                                             
そして10年が経過した。Hybrid車からエンジンが抜けるEV車はコストも大幅に下がり 次世代を制することになった。中国は世界最大のEV生産国に成長し 欧州にもEV車を大量輸出し始めて 今度は欧州自動車業界が悲鳴を上げるまでになった。自動車大国ドイツもHybrid追放には満足したが、膨大なエンジン関係子会社を簡単にリストラできず、EVに出遅れ勝ちで 深刻な労働問題を生じている。米国はEV車の国内生産を進めているが、 解雇を恐れる膨大なエンジン労働者が反発してストライキを頻発し始めた。

既に年月が経過して、世界がEV車社会に移行することは確定し、日本のHybridはピークを越えて縮小に向い始めた。世界のトヨタもTOPの座を維持できず EV車に乗り遅れた豊田社長は責任を取り辞職した。 もし日本メーカーがに生き残る道があるとすれば、それはEVの最大欠点である リチューム電池の低容量と 繰返し充電で性能劣化する問題であろう。この致命的な欠陥を改良するには 全固体電池開発がカギとなる。本件は世界中のEVメーカーの課題でもあり、各社は 全固体電池の開発競争に全力投入中である。 情報によると ガソリン市場が消滅の危機にある出光興産が 大容量で画期的な 硫黄系全固体電池の開発に成功したと聞く。もし事実なら 発火性で再充電で性能劣化する 現行リチューム電池を代替でき、日本は再び世界の自動車業界を制覇できるかも知れない。出光電池の成功を祈っている次第。
                                       
EV車の特長は、エンジンが無く 電池とモーターだけの 製造工程が簡単で何処でも生産可能となる。そして 台湾,フィリピン,ベトナム,インドネシア,オーストラリアなど,世界国家は EV車を簡単に自国生産することが可能となり、日本車の大量輸出はできなくなると予想される。 TOPメーカー米国テスラ社は、ギガキャストと呼ぶ、一回の成型で 完成車に製造できる簡略システムを開発し 年間200万台の自社工場を完成したという。日本が得意としてきた自動車産業は 大波乱の時代に突入することになった。






mh3944 at 09:58│Comments(0) ビジネス 

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