2023年11月01日

私の恒例行事

今年の夏は本当に暑かった。我が家の柿木も精力が尽き果てたらしく,子孫を残すべき種も殆ど無かった。東北ではドングリが実らず、飢えたクマが人里で騒動を起こしていると聞くが、多くの植生も猛暑の被害を被っているようだ。      
                                
柿が赤くなると 待ち構えていた野鳥達が暗い内からやってきて騒ぐので、食い荒らされる前に 私は早めに収穫を始めた。長い鋏棒で一個ずつもぎ取り、ビニール袋に入れていると、学校帰りの小学生の声が聞こえてきた。声をかけると2人が駆け寄ってきた。今年は出来が悪くてごめんね!と言いながら、5個づつビニール袋に入れて渡すと、柿だ! 柿だ〜! と叫びながら、袋を振り回して走って帰った。高級果物とは言えない柿を 近隣のベルを鳴らして配るのは照れ臭く、私は無言で玄関ノブにビニール袋を掛けておくが、無事に受け取ったか否かの確認ができない不安がいつもある。
                                     
まず最初の一袋を近くの柿好き親友宅に持参すると、丁度庭にいた奥さんが走り寄ってきて、あ〜ら今年も忘れずに有難う!と嬉しそうに受け取った。 続いて2軒目も奥さんが車で帰宅したところだった。苦笑いしながら 僅かで済みません!と柿袋を手渡すと いえいえ大好物でいつも有難うございますと応え、庭で採れた曲がったきゅうり2本を頂いた。
                             
3軒目は回り道して4年生宅に行ったが、留守だったので玄関ノブに掛けておいた。しかし数日経っても何の反応もなく、さては誰かに盗まれたか?と不安だった。そして翌々週の朝 子供に同伴して登校する若奥さんと出会い お互いに軽く挨拶を交わしたが 何の言葉もない, やはり渡っていない!と思っていたら急に奥さんが引き返してきて、先日は美味しい柿をありがとうございましたという。これで私の心もやっと晴れた。粗品の柿でも 一言お礼を聞くと嬉しいが、何の反応もないと気分が晴れない。とっくに傘寿超えた私も 悟りの境地にはほど遠いことを痛感する。
                                  
残りの2軒には玄関ノブに下げておいたが、夕方各々からお礼の電話があった。翌朝のペット散歩帰りに、息子が医学部受験で2浪し気落ちしている若い父親に出会った。柿があるよ!声かけて一緒に帰宅し 袋を渡すと嬉しそうだった。医学部だけが人生でないと思っているだろうか。翌々日の夕方 保護犬2匹を散歩する顔見知りの高齢女性に会ったので、 3個ほど渡すと子供のように喜んだ。思いがけない突然のプレゼントは大人でも子供でも嬉しいものだ。
                             
家内は 柿程度では相手に迷惑なので 来年からは止めようと毎年繰り返すが、田舎育ちの私は、隣家から柿やスモモを貰った喜びは 80年経った今でも忘れられない懐かしい記憶であり なかなか止められない。人間関係が希薄な今日、住宅街でも殺風景な雰囲気になり易いが、 少々面倒な柿配りを終えると 心が少し暖かくなる。子供達は嬉しいだろうが、親はお礼をどう言うか知らん顔するか 内心では悩んでいるかもしれない。かくして今年も 秋の 柿配り行事 は終わった。      

 


mh3944 at 06:14│Comments(0) 雑感 

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