2024年03月02日

激変時代の就職  

3月を迎えて学生達は、人生を左右する就職先探しに懸命な時期だ。先日の新聞に、文系学生の人気就職先ベストテンは 伊藤忠、住友商事、三菱商事、三井物産、東京海上、 住友銀、三井不 三菱UFJ 、博報堂 三菱地所、 理系はソニー、NTT,トヨタ、野村総研、富士フィルム、AGC,富士通、日立、アクセンチュア、とあった。全て超一流会社で、親が喜ぶ名門会社ばかりだが 私の意見とは全く違う。私も一応 有名大学の工学部卒で、同期生達は全員超大企業に入社して苦闘を重ねて 諦めの境地で会社人生を終えている。田舎者の私は、秀才揃いの超一流会社は自分の生きる場所では無いと初めから避けて、新設の 日米合弁会社JRC(社員300名)に入社した。
                                         
JRCに入社すると既に地元の京大OBが何人もいたが、新鋭会社は人材不足で、入社早々の私は 新規プロジェクト塩素系可塑剤の製造プラントの責任技術者に任命された。無我夢中で働き、幸運にも5年後には何とか新プラントの稼動に漕ぎつけた。そして次はFRP船製造販売事業の責任者で、九州山陰四国など西日本地区の漁港を毎日歩き回った。閉鎖的な漁船世界は難業続きで、事業化は殆ど不可能と判断し 何とか抜け出したい一心だったが、5年後にやっと事業中止が決まり 救われた。それから本社の企画課長として、東京地区の外資系企業の企画担当者との幅広い交流活動を重ね、全く新奇な超高耐熱性樹脂PPSの導入に成功したが、当時のエンプラはポリアセタール全盛時代で、社内の誰も加工が難しいPPSには注目せず大苦労、本格的に動き始めたのは 大きく遅れて10年経過した頃となり 今では大きな柱に育ったが, 社内同僚の先見性の無さは本当に悔しかった。
                                         
しかし運悪く私は 40代中頃に脳腫瘍を発症した。流石にこれには落胆で 私の人生も終わりと諦めた。 都内K大学病院で 開頭手術を受けたが、幸い後遺症が少なく退院できたのは本当に幸運だった。入院中の私は 臨床検査の現場を知り、これは仕事になると 退院後に本業にしようと決心した。1年かけて先進米国の市場調査を実施し、米国のDPC社との合弁会社を設立した。会社の同僚は誰も医師相手の仕事を恐れて参加せず、スタート時は私と新人女性の2人だけの 名ばかり合弁会社だったが、段々と参加者も増え始めて 遂に社員60名、年商20億円近くにまで成長し、欧米の兄弟会社との交流を深めたが 60才に達した私は 定年退職で退社することになった。
              
臨床検査は医薬品の付属市場で 小規模だがITに似た変化の激しいマーケットであり、退職した私は自営会社を設立して 今度は臨床検査機器と輸入半導体製造機器のアフターサビスを業務するベンチャーを設立した。当然だが倒産の危険も考えて家屋敷は全て事前に家内に生前譲渡しておいた。対象は欧米輸入機器のメンテナンスで 20年間自営し80才に達した時、家内の強い希望もあって 自営会社を閉鎖したが かなりの剰余金を残した。多くのベンチャーは赤字倒産する宿命だが、私が黒字経営で終了できたのは、優秀な即戦力のシルバー技術者を何人も提供して頂いた横浜シルバー人材センターのお陰であり、そのご協力には深く感謝している次第。
                                            
私の意見とは、見栄え素晴らしい超大手会社に入社しても それは瞬時の喜びであり、翌日からは 秀才ライバル達との厳しい競争が続く地獄だということである。幸運に役員になる確率は0.1%以下で、増して社長就任は0.01%の宝籤レベルであり、殆どの社員は厳しい社内競争と 学閥競争に神経をすり減らして一生を終える地獄なのだ。更に現代は変化の激しい社会で、仮にトヨタに入社しても、10年後にトヨタが存在し続けている保障はない激変社会である。例えば グラフィック業界を長年独占し て世界中に名声を馳せたEastman-KODAKも 今は平凡な会社に没落し, 日本の富士フィルムも再起を目指して奮闘中なのである。
                                            
もし私が新卒学生なら、前述した如き超大手有名企業には決して入社しない。私ならIT業界の中堅企業か新鋭企業に入社して 若い間にあらゆる可能性を勉強するだろう。IT会社は成功没落の激しい世界で、入社しても間違うと倒産する可能性も大きいが、その時は 私は信頼できる仲間と独立して自営会社を設立し、何の遠慮もなく 思う存分働ける自営会社をつくるだろう。ご参考迄に、昔の命懸けで起業する時代とは違って今日では スタートも撤退もごく簡単でリスクも減少できる仕組みになっており、夜逃げする心配は殆どない筈だ。 


mh3944 at 11:37│Comments(0) ビジネス 

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