2024年07月11日
女性の起業感覚
日本は女性の社会進出が進んでいる。手際よい事務能力は誰もが認めるところだが、女性特有のマイナス面もある。私の実例でも女性の感覚は直感的で 大プロジェクトには不向きな場合もあり、適材適所が必要だと思う。
私が企画部時代の実例で説明する。化学会社の多くは高付加価値の医薬品は希望の商品で、機会があれば医薬業に進出したいと思っているが 適当な手段がない。米国医薬品企業と提携して輸入販売から始める方法もあるが 多くの米国会社は既に日本に進出済みだ。業界プロから情報を探る手もあるが 面倒で金もかかる。そこで私は全く違うアイデアで提携相手を探すことを始めた。
米国会社四季報から相手を探し出す方法であり 私はUS Medical-Directoryを取り寄せてその会社内容を詳細にチェックし始めたが それは大変な仕事だった。そこで親しい米人RS氏に相談すると適当で良ければ出来るかも知れないとの前向きな返事を得た。これが Big-Projectのスタートとなった。そして数ケ月経過すると 彼は赤くチェックを入れたMedical-Directoryを返してきた。
誠に乱暴なやり方だが、可能性ありそうにみえるこの米会社に、私は 日本市場を共同開拓したい旨の 丁寧なInvitation-Letterを書いて投函し始めた。医薬分野の経験は浅いが全力を尽くす意思と 自社の会社概要を同封して一社ずつ丁寧な手紙を出した。最初に10社近く投函して暫く待つと 少しずつ 返事が舞い込み始めたが 全てNegativeで 既に日本支店があり そちらに相談してほしいとの内容だった。簡単ではないことは十分承知済みだったが 懲りずに私な同じ手紙を毎月投函し続けた。
ところが、部内の年配部員(女)からクレイムが出た。会社概要はコストが高いので無駄な使い方は止めて欲しいという。彼女の意見には驚愕した、Big-Projectよりも経費節減の方が大切だという 女性特有の超アンバランスな感覚だった。弾薬の節約する為 戦争で攻撃するのを控えて欲しいという 無意味さには呆れたが 私は無視して100社近くの米医薬品会社に投函し続けた。全てNegativeだった時は、彼女に如何に説明するかは考えなかった。
そして遂にNYとLAの会社から Posiitveな反応が舞い込んだ。NYは介護事業、LAはアイソトープ系臨床診断薬だった。特に後者は早く協議したい意向で, 私は早速渡米して先方会長と面談して 合弁企業設立プロジェクトを発足させることになった。結局 私はこのアイソトープ系臨床検査薬合弁会社の初代社長を12年間担当して、年商20億円になった時点で 定年退職を迎えたが、この仕事は我が社の医薬品事業への突破口となり、私のサラリーマン人生の華でもあった。
mh3944 at 10:25│Comments(0)│
│ビジネス