「輸入取引の意義」について

みなさん、こんにちは。

片山立志です。

 

さて、前回のつづきです。

今回は、関税定率法でいう「輸入取引の意義」を考えてみましょう。

 

というのも、輸入取引によらないで輸入された場合、関税定率法41項(課税価格の決定の原則)の規定により課税価格決定することは、できません。

では、この「輸入取引」とは、何でしょうか。

通達では、「輸入取引」を次のように定義しています。(定率法通達4-1)

              ↓

「本邦に拠点(住所、居所、本店、支店、事務局、事業所その他これらに準ずるもの)を有する者が買手として貨物を本邦に到着させることを目的として売手との間で行った売買であって、現実に当該貨物が本邦に到着することとなったものをいう。」

               ↓

つまり、通常、現実に貨物を輸入することとなる売買がこれに該当します。

               ↓

 ここでのキーワードは、「本邦に拠点を有する買主」、「売買」、「本邦に貨物を到着させる目的」、「本邦に貨物が到着」です。

 

では、次の事例は、輸入取引に該当するでしょうか、しないでしょうか。

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①無償の商品見本を本邦に引き取るため輸入する場合

②本邦に拠点を有する者が外国に保有している自己の家具を本邦に輸入する場合

③本邦に拠点を有する買手が米国で販売することを目的として香港に所在している売手から仕入れたもので、買手が香港に保管後、当該仕入れた貨物を本邦に輸入する場合

④賃貸借契約により輸入された貨物で契約条項に所定の金額を支払うことにより当該貨物を購入することができる旨が規定されている場合

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答えは、すべて「輸入取引」に該当しません。ですから関税定率法41項に規定する課税価格の決定の原則を利用して課税価格を計算することはできません。

では、なぜ、輸入取引に該当しないのでしょう。

 

①無償の商品見本の輸入は、売買(契約)に基づいたものではありません。ですから「輸入取引」には、該当しないのです。

②この場合も外国に保有している自己の家具を本邦に輸入するわけですから、売買(契約)に基づいて輸入されるわけではありません。したがって、「輸入取引」には、該当しないのです。

③香港から米国に輸入するために仕入れた貨物は、仕入れた段階で買手の所有物です。買手の所有物を本邦に輸入するのは、売買(契約)に基づいたものではありませんね。したがって、これも「輸入取引」には該当しません。

④これも賃貸借契約に基づいて輸入されたものであり、いくら「一定の金額を支払うことにより購入できる」という条件が付されていても「輸入取引」には該当しません。

 

次に、試験では、穴埋め選択式に注意してください。ここでは、語群を設けませんので、適当な語句を考えてみてくださいね。

 

「関税定率法4条に規定する輸入取引とは、( ア )に拠点を有する者が( イ )として貨物が( ウ )ことを目的として売手の間でおこなった( エ )であって、当該貨物が( オ )に( ウ )することとになった( エ )をいう。」

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答えは、

ア 本邦 イ 買手 ウ 本邦に到着する エ 売買 オ 現実 

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この場合の買主は、本邦に拠点を置いていることのほか、実質的に自己の計算と危険負担の下で売主との間で輸入取引をするものを指します。もちろん、売主においても実質的に自己の計算と危険負担の下で買主の間で輸入取引をするものを指します。売主については、当然ながらその居所の場所は、問いません。穴埋め選択式用に「自己の計算」、「(自己の)危険負担」というキーワードも覚えておいてください。

 

というわけで、今回は、「輸入取引の意義」についてお話しをしました。

スクーリング


みなさんこんにちは。

 

最近は不安定な天気も落ち着き、いよいよ夏、到来といったような天気ですね。

 

先月、東京と大阪で10月の通関士本試験合格を目指した「夏季スクーリング」を行いましたので、

今回は、スクーリングのお話しをします。

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 合格率数パーセントを乗り切るためには、ここをクリアーする必要があるのです。       

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711日(木)に大阪のベル国際ビジネス専門学校をお借りしてスクーリングを行いました。

受講生の大半がお勤め帰りの方でしたが大変熱気のある講座でした。

 

翌週の718()には東京・代々木で通関士の夏スクーリングを行いました。

大学と違い、受験講座の場合、席は前から埋まっていきます。

大阪の時と同じように教室の中は、やる気の熱気に満ち満ちていました。

 

東京・大阪ともに温度も気温も高く、まさに夏本番といわんばかりの暑さだったのですが

受講生の方々の積極的な姿勢と、緊張感すら感じる集中力に応えるべく

私も真剣そのものでした。

そのため2時間の講義は非常にあっという間に感じました。

 

それでは皆さん、体調には気を付けて日々限界超えることを目指し、励んでください。

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関税評価と外為法の攻略ポイント



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みなさん、こんにちは。



暑い時期が続いていますが、勉強の進み具合はいかがでしょうか?



ついに模擬試験も今月に迫り、いよいよ追い込みをかけている頃だと思います。



ですので、今回からは、通関士の合否を左右する関税評価の基礎を確認したいと思います!
今年は、この分野の法令改正もありました。

まずは、改正点から見ていきましょう。



―――――――――――――――――関税評価の攻略――――――――――――――――



法令改正点は、必ず出題されるものと心得よ!



関税定率法41項(課税価格の決定の原則)により、
課税価格を決定できない場合には次の順番によって課税価格が計算されますね。


①同種の貨物の課税価格により算出する。

②類似の貨物の課税価格により算出する。

③国内販売価格から算出する。

④当該輸入貨物の製造原価から算出する。

 

しかし、③と④は、逆転することがありました。

つまり、国内販売価格により課税価格が算出することが出来るが、
それに先だって当該輸入貨物の製造原価から課税価格を算出することができます。

 

この場合、輸入貨物の原価を把握することが出来、かつ、輸入者が要請する場合に
製造原価に基づき課税価格を算出できるわけですが、この規定の表現が変わりました。


「輸入貨物の原価を確認することが出来る場合において、当該輸入貨物を輸入しようとする者が希望する旨を税関長に申し出た時は、当該輸入貨物の国内販売価格に基づき課税価格を計算する方法に優先」して、製造原価により課税価格を計算することが出来ます。

 これまでの参考書は、要請という言葉を使用していましたが、
希望する旨の申し出という言葉に変更されています。穴埋めの際に注意してください!



次に、これらの方法により課税価格を計算出来ない場合です。

いわゆる、「特殊な課税価格の決定」のことです。この特殊な課税価格の決定方法については、
これまでの国家試験に出題されたことは、ほとんどありませんでしたが、特に今年は、要注意です。

しっかり改正されました!


2つの区分に分かれています。

 

【1】必要とされる要件を満たさないために課税価格を決定できない場合



関税定率法4条から4条の3までに規定する方法による課税価格の計算の基礎となる事項の一部がこれらの規定による計算を行うために必要とされる要件を満たさないためにこれらの規定によっては、課税価格を計算することが出来ない場合、その必要とされる要件を満たさない事項について、合理的な調整を加え、課税価格を計算できる。

 

つまり

関税定率法4条から4条の3(これらは、課税価格の決定の原則・同種又は類似の貨物に係る取引価格による課税価格の決定・国内販売価格又は製造原価に基づく課税価格の決定についての規定です。)では、課税価格が決定できない。


なぜ?


課税価格の計算の基礎となる事項の一部がこれらの規定による計算を行うため

必要とされる要件を満たしていない場合


必要とされている要件を満たさない事項について


合理的な調整を加える


課税価格を決定する!

と規定しました。



【2】必要とされる要件を満たさないために課税価格を決定できない場合以外



これは、協定による規定に適合する方法として税関長が定める方法により計算されます。

つまり、言い換えますと、税関長の定める方法は、協定の規定に適合するものでなければなりませんと念を押しているのです。

でないと、協定に抵触してしまい、協定違反になってしまいますから。

今回の改正で、はっきりとこの点を条文に規定したのです。

 

では、その協定とは、何でしょう。一言でいえば、「WTO関税評価協定」のことです。

条文では、具体的に次のように記載しています。

 

①世界貿易機関を設立するマラケシュ協定 付属書一A の一九九四年の関税及び貿易に関する一般協定7

 

②一九九四年の関税及び貿易に関する一般協定7条の実施に関する協定

 

この2つですが、これらの内容はともかく、このような協定があるぐらいは、記憶にとどめておいてください。そして、この2つめは、「WTO関税評価協定の規定に適合する方法で税関長の定める方法」と覚えておくといいでしょう。



これまで出題がほとんどなかった分野ですが、

改正点として今回は、ぜひ注意してください。



(つづく)

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