そう、言われたことがある。
昨年の夏休み、私の教室を訪ねて来てくれたS君(小5)のお母さんにそう言われたのだ。
お話によると、分数が苦手で担任の先生に指摘されたという
焦って、自宅でお父様も一緒になって数時間教えたがうまくいかなかった
なので・・・公文で分数を教えて欲しいというご相談だった。
お話を伺った後、さっそく診断テストを実施させてもらった。
どんな状態なのかを知るため。
結果は・・・



う~~~~ん・・・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

たし算、ひき算はかろうじてできた
かろうじてというのは、瞬時に答えが出ないから
何か口の中で数えてからでないと答えが書けない
九九は中途半端に暗記していて、かけ算もわり算もひっ算では手が付けられない状態
当然、分数は全く理解できていなかった
これでは、いきなり分数を教えたくても教えようもない
基本的なところからやり直すしかないと判断
公文教材でいえば、出発点は2A(小1)からという結果だった
私はこういう状態の子には何度となく会ってきているのでさほど驚きもしないが
お母様にしたら、衝撃的な結果だったようだ
この状態では、分数は教えられない
「分数を教えてくれないんですか?」
と言われたが、私は魔法使いでも何でもない
できないものはできない
そして、学問に王道なし!
しっかりと土台を作らなければ、何も積み上がっていかないと
教材の流れから説明し、私がS君にしてあげられる学習計画を提示した
今まで中途半端だったところをしっかりと定着させていけば必ず分数は習得できる
ただ、少し土台作りの時間が欲しい

そんなに長くなくてもいいから、夏休みと2学期の時間をしっかりやれば
3学期には分数に入れるだけの力をつけられるはず
急がば回れです!
と、話してみた
それでも、5か月で小学校4年間分を習得させようとするtomoko先生の計画は
かなりハードなものであった

S君がどこまでついてきてくれるか分からない
しばらく考え込んでいたお母さん
私の学習計画表を見ながら
「この通りいけばいいんですけどね・・・先生を信じてもいいですか?」
と、この時言われ、私の教室で学習を開始することを決意された
この期待は絶対に裏切れない
お母さんの切実な気持ちも十分に理解できる
小5なのに小1からやるなんて、本当に間に合うのだろうか?
本当はすぐにでも分数を教えて欲しいのに・・・という焦りもヒシヒシと伝わってきた
しかし、物事には順番というものがある
「絶対にできるようになりますから!大丈夫!」
その代わり条件が一つ!
tomoko先生が出した課題は必ずやること!
そんな話し合いがあり、S君の学習が夏休みからスタート

実は、一緒に来ていた妹のEちゃん(小2)も同時に算数入会

学校ではひっ算に入っていたのに、一桁のたし算をまだ指を使わないとできない状態だった
Eちゃんも、3学期には学年を越えていく!そんな学習計画を立てた
tomoko先生の課題は多かった
一日に20枚はこなさなければならず、当然毎回九九から覚え直しさせ
肝心なたし算はプリントの他にも、うろ覚えのものはすべてノートに書きださせた
成果はメキメキと出てきて、見極めの終了テストも次々と合格してくれたS君

わり算の辺りで、苦しかったのかもしれない
「宿題なくした・・・」と初めて言って来た
無くしたのではないと直感的に思った
そっか・・・ちょっと苦しいのかもしれないね
少し枚数を減らしましょう
5枚ペースに変更した
普段は無表情のS君だが、この時は喜んだ
後でお母さんからの連絡で分かったのだが、宿題は本の間に隠していたらしい
お母さんも私も、そこは見過ごしてあげることにした
責めても仕方ない、調子良く頑張り始めていたので、その件はそのままにした
S君は努力を続け、お母さんも一緒に見守る日々
間違えを次の日に持ち越さない工夫(自宅にて答え合わせ)に
お母さんも協力してくれて順調に学習が進んだ
そして、今月年明け
小1~小4までの教材を駆け足で修了し、見極めの終了テストを一発で合格した

夏休みにお母さんと約束した「3学期には分数」という期待に応えられた
今、S君は何の問題もなく分数計算に入った
しっかりとした土台を作ったので、指導を入れるとすぐに再現できる力をつけた
あまりによくできるようになったので、一番最初に会った夏休みに実施した診断テストを先日やってもらった
それが、次のような感じに・・・



この前の夏休みには、ほとんど手をつけられないほど空欄だらけだったテスト
この約半年で、ほぼ100点
すべてできるようになった
わあい\(^▽^\)(/^▽^)/わあいっ
tomoko先生は涙が出るほど嬉しかった
「やった~~~!やったじゃん!こんなにできるようになったじゃん!」
興奮して、S君本人に比べるようにして見せた
「この前の夏休みはこうだったのにね~凄い!凄い!頑張ったね!」
いつもクールで表情を見せないS君だけど、この時はちょっとニンマリ
『俺っていつの間にか、できるようになってる』って思ったみたい
我々公文の指導者は、子供達が成長していく時間の中でも
とっても貴重な時間をかかわる
だからこそ、お預かりしたら、その貴重な時間は無駄にはできない
必ず成果を出してあげなければならないという使命
夏休みにお母さんから『先生を信じていいですか?』と言われたことは
ずっと私の心に響いていた
まずは、一つ期待に応えられたかな・・・とホッと胸をなで下ろしたが
これからが公文の力のみせどころ
期待以上の成果を出したい!力をつけさせたい!とメラメラとしております
一気に小学校の課程を修了させて、どんどん進んで公文で中学校課程
早めに終わらせちゃいましょう!
ちなみに、妹のEちゃん(小2)もメキメキと力をつけて
すでに学年を越えている
C教材後半(小3の教材)に進み、わり算を学習中
春休みにはD教材(小4レベル)でしょう
ちょっと公文って凄いんじゃない?(= ̄▽ ̄=)V