2011/06/26

僕はもう、一生分泣いた4

僕はもう、一生分泣いた―パニック障害からの脱出僕はもう、一生分泣いた―パニック障害からの脱出
著者:円 広志
日本文芸社(2009-01-27)

『夢想花』でかつて大ヒットを飛ばした円広志氏。
現在では関西の番組中心に活躍されているが、実は9年という長きにわたり病に苦しんでいた。その病とはパニック障害だった。

最近、特によく聞く不安神経症のひとつ、パニック障害。
私の周囲でも苦しんでいる人がいる。だからそれなりに病について知っているつもりだったけれど、円氏の体験を知れば知るほど思ったのは『病の症状は人によって全く違う』という事。
大きなストレス、神経の疲れなどから発症するのは同じだろうが、症状の出方が違い、対処法もそれぞれ模索しなければうまく掴めない。「この病にはこれ」というはっきりしたものがないから、余計患者の不安は増幅する…ひどく理不尽な病だと感じている。

円氏ははじめ、自身が運転する車が渋滞で停止しているにも関わらず、周囲の景色が移動しているという錯覚に襲われた。それでも、多くのレギュラー番組を抱え、体調不良など訴えるのは芸能人失格と考え、無理を重ねる。
そのうち、暗闇が怖い、炎の揺らめきが怖い、ステージで歌うのに、スポットライトが怖くてならない。そして人が怖い…様々な状況に恐怖を感じるようになり、早朝生番組で、身体を揺らしていないと不安が消せない…自分はどうしてしまったのか??不安だけが増していく。
心身ともに健康な人というのは、多少の怖いことにも気分を逃しながら行動することができる。要するに無理をしないようにセーブができる。病にかかった円氏は、お酒で気分をごまかしながら、周囲に当たり散らしながら、それでも医者にかかるということをせず8カ月も悩み苦しみ続けた。この辺の描写は、読んでいてものすごく不快だった。40代の働き盛りのおじさんの誠実さと傲慢を感じて。自分で自分を苦しめていることに、自分で自分の首を締めているということに早く気付いて欲しい!と願いながら読んだ。

現在の円氏は、体調の悪い日もあるらしいが、そんな時は薬を飲み、無理をしないという現在の自分のペースをつかんだようだ。
この病は治り始めを自分で感じると、どんどん加速して治っていくのがわかったという後半のくだりは救いだった。
同じ病で苦しむ人たちを応援したいと赤裸々に体験を公言し、本の出版に踏み切った円氏。
現在この病で悩んでいるまっ最中の人がこの文章を読むのは少々大変かもしれないが、参考になる事、気付く事、共感できる事があると思う。何よりも同じ病から脱出した人がいて、その人の元気な姿をTVなどで見られるというのは、安心感が増すと感じた。

michako55 at 00:00│読書 
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