「終盤の質問戦」

2017-06-23-08-46-1223日、質問戦も終盤を迎え、私は2人の共産党議員に続き、この日最後の4番目で質問に立った。

質問の通告項目は、2月定例会の続編という位置付けで、今後のインフラ整備の課題と起業家支援施策の2点について、知事及び教育長の見解を質した。

以下が質問原稿案である。




【人口減少時代を見据えたインフラ整備のあり方】

我が国では人口減少社会が本格的に到来し、消滅可能性自治体の発生が危惧されています。ご承知の通り、人口減少は様々な社会システムに多大な影響を与えています。

 

例えば、私たちの暮らしと命を支える上下水道事業では利用料収入が活動原資となりますが、上下水道の料金収入は人口減少と連動して減少していき、今後事業の存続そのものを危険なものとします。

 

上水事業について言えば、サービスの担い手は市町村が中心で全国に1400近い事業体がありますが、約半数は給水コストを水道料金でまかなえない原価割れの状態で、「水道は独立採算」の原則が揺らいでいるのが実情です。

 

地方自治体では、財政難の中で一般会計からの繰り入れは減少する方向にあり、人口減少が進むにつれて一段と経営が厳しくなっていくことが予想されています。

 

今後は人口減少による水需要の減少が見込まれる一方で、高度成長期に整備された水道管や浄水場が更新期を迎え、維持コストは爆発的に膨らむ見通しで、人口減少により料金収入が減り、かつ、インフラは老朽化し、更新投資を行う資金もない厳しい時代を迎えていると言えます。

 

また、人の面でも不安があります。市町村では水質管理や管路保全に携わる技術系職員が高齢化し、若い人の補充もままならない状態にあると指摘されています。

 

厳しい収益環境、施設老朽化による投資需要増、職員不足や技術継承の問題による組織の脆弱化等、上下水道事業を取り巻く環境は非常に厳しいものがあり、このままでは、施設老朽化によるサービスレベルの低下や上下水道料金の値上げによる住民負担の増加から逃れることは出来ないでしょう。

 

お手元に配布した新日本監査法人の調査資料によれば、2040年度までに日本の殆どの事業体が水道料金の値上げが必要と推計しています。このうち半数が30%以上の料金改定が必要であり、それも速やかな値上げが必要と推計しています。

 

鳥取県下の12市町村についてみると、2040年時点で、現状の水道料金を平均で40%弱は上昇させないと事業を維持できないと推計しています。中でも、伯耆町は58%、智頭町は52%、岩美町は51%と1.5倍以上の値上げが必要と推計しています。

 

全国平均でも34.1%の上昇が必要とのことですから、それを上回る鳥取県は、投資額に対し給水人口が他地域に比べて低く、その結果、インフラを維持するのが容易でないことを物語っています。

 

このままでは、水道料金も相対的に高い地域になる可能性があり、都市間競争でも負けていくことになりかねないと懸念しますが、本県の上下水道の現状と今後の課題について知事のご所見を伺います。

 

次に、現在検討中の水力発電のコンセッションについてお伺いします。

現在、3~4の水力発電所がコンセッション化の検討対象と聞いていますが、それ以外の発電所もコンセッション化してより大きい事業規模とし、財政貢献、事業リスクの軽減等を追求していく必要があると思いますが、知事のご所見を伺います。

 

最後に、県立美術館整備について、PPP/PFIの導入可能性調査が行われるとのことですが、基本構想を見る限り運営面の検討項目は多くありますが、それに対し美術館に如何なる機能を持たせるのか、施設機能面の検討が全く見当たりません。

 

県立美術館については、集客や効率的インフラ整備の観点から庁舎の合築すら有りえる等の発言をして来ましたが、施設機能面での検討を行ったのでしょうか、教育長にお尋ねします。

 

また、このままでは施設機能面でのイノベーションは期待できないと危惧します。100億円もの予算を投入する事業の割に、従前の美術館整備の発想と手法に止まり、まちづくりを含め賑わいや観光・地域経済に貢献し、如何に成長し続ける美術館とするかとの視点が抜け落ちているのではと思います。この点について、知事のご所見も伺います。

 

【地元に生きる人への投資】

次に、「人への投資」についてお尋ねします。本年2月定例会では、県民の潜在力を引き出していくという観点から、「地元に生きる人への投資」について質疑をさせて頂きました。

 

人口減少社会においては、県民一人当たりでどれだけ稼げるか。どれだけ豊かであるかを基準に目標を立て、政策を実行していく姿勢が重要だと思います。

 

具体的には教育に代表される「地元で生きる人への投資」を重視し、これを産業政策の一環として考えてはどうかと言うことで、①副業・兼業の推進、②奨学金の再工夫、③ビジネスサロン&スクールの設置という3つの提案を2月定例会で行いました。

 

先般、平成26年度の一人当たりの県民所得の結果がでましたが、やはり、沖縄県に次ぐワースト2でした。この結果に真摯に向き合い、先ずは地元で生きる人への投資を通じて、県内の人材を稼げる人材に育てていく、一人当たりの所得を上げていく、こうした取り組みを充実させるべきだと思いますか、知事のご所見を伺います。

 

特にビジネスサロン&スクールの設置では、紹介させて頂いた神戸起業操練所などにも担当部局が視察に行かれるなど、スピード感を持って取り組んで頂けていると思っております。

 

6月補正予算案では、「起業・新事業スタートアップカフェ」開設について検討を進めたとも聞きましたが、これについては一旦見直しとし、次年度当初予算編成に向け事業を練り上げていくとのことでした。

 

拙速に起業支援事業を行っても仕方がありませんので、ここはじっくりとご検討頂ければと思いますが、この間どの様な議論がなされたのか、お聞かせください。

 

また、人への投資の基礎的部分に教育があります。特にグローバル化が進行する中で、国際的にも通用する教育プログラムが強く求められているところですが、先日の新聞報道で国際バカロレアの導入を新たに11校の公立高校が検討・準備しているとありました。

 

先の2月定例会でもこの問題を採り上げましたが、山本教育長は、現時点でこの認定校を設置することは考えていないと明言されました。その後、お考えに変わりはないでしょうか、お聞かせください。

 

インフラ整備のあり方、追求1>

 

インフラの老朽化問題の解決の一つに「民」のノウハウの活用があります。

一例を挙げますと、水サービス専門会社の「水ing株式会社」は広島県企業局と共同出資会社をつくり、業務の効率化などに成果を上げています。

 

上下水道事業という生活に欠かせないインフラを守るべく、その持続に向けて公共と民間が連携し、知恵を出し合う時代に入っていると認識すべきだと思います。

 

視察した浜松市では、本年321日、浜松市公共下水道終末処理場の運営事業を担う民間事業者として、ヴェオリア・ジャパンを代表企業とする企業連合を優先交渉権者に決定し、民間事業者が20年間にわたり維持管理と設備の改築更新等の事業を実施する日本初の下水道事業のコンセッションに踏み切りました。

 

民間事業者は、世界各国でコンセッション事業を含む3300カ所以上の下水処理場の運営実績を持つグローバル企業であり、その豊富な下水処理実績に基づくノウハウや技術を生かし、日々の運転や維持管理業務の効率化を実現しています。

 

また、ICT技術を活用して運転維持管理の効率化を図るほか、地元との連携として、下水道事業と浜松市特産のうなぎを組み合わせた養鰻パイロット事業や、下水道にまつわるふれあいイベントの開催などを提案しているところです。

 

社会インフラの持続性が難しくなる中で、「コンセッション」は一つの有力な手段となっています。特に上下水道のコンセッションは国が強力に推進しており、PPP/PFI推進アクションプランでは、上水道分野・下水道分野、其々6件の数値目標を設定しているほか、未来投資会議では、コンセッション事業が全国で円滑に展開されるよう必要な施策を議論しています。

 

更には、コンセッションのスムーズな適用を目指すべく水道法の改正も審議中で、浜松市に続き広島県、宮城県、大阪市、奈良市、大分市など15団体以上が鋭意検討を行っているとされています。

 

そこで、この鳥取県を具体的にどうするかについてですが、現在本県では、公益財団法人鳥取県天神川流域下水道公社を通じて流域下水道事業を展開していますが、先ずは、下水処理場のコンセッションを検討してみてはどうでしょうか。

 

勿論、先行する浜松市や大阪市に比べて事業規模が小さいことから、民間活力の余地にも限界があり、固定費削減に向けてはある程度の集約化・広域化が必要になります。従って、コンセッションを前提にして近隣の下水道事業を纏めていくことが次のステップになろうかと思います。

 

広域連携によってコスト低減の余地が広がり、投資体力も増すことができます。職場としての魅力が高まれば、専門職員の採用も容易になり、事業基盤は確実に強化されるはずです。

 

広域化については、小規模とは言え鳥取県天神川流域下水道公社そのものが一例ですが、最近では、埼玉県や群馬県でも統合に踏み切る自治体が現れています。

 

遅かれ早かれ、県下すべての市町村は、上下水道事業の維持に向けて何らかの手を打たねばならないのですから、まさしく、県がリーダーシップを発揮するところかと思いますが、知事のご所見を伺います。

 

インフラ整備のあり方、追及2>

健全な事業運営の観点から見ても事業規模の問題は非常に大きいテーマだと思います。広域化は必ずしもコンセッションの問題ではなく、事業を効果的に実行する上での最適化の問題ですので、官がやろうが民がやろうが取り組むべき課題だと思います。

 

インフラの問題は、老朽化による更新時期、急激な人口減少、自治体財政難という3つの問題が合体しているから難しく、時間が経てば経つほど問題は悪化していく。だからこそ、早急に手を打つ必要があるのだと思います。

 

広域化による経営統合とコンセッションが、今後インフラを維持する上で重要というのが私の結論です。鳥取県では19市町村と県が其々下水道事業に携わっていますが、これとは別に各市町村は上水事業を展開しています。これらを一定程度集約し、将来的には県外地域とも連携していくことで最適事業規模を形成していくべきだと考えます。

 

「水道料金収入の減少」「耐震化と老朽化施設の更新需要増加」「熟練職員の技術継承」は一定の事業規模がないと解決できない問題であり、今のままでは、単に財政負担が増大し、サービスの低下程度ならまだしも事業そのものが成り立たなくなる恐れすらあると言えます。

 

現在、全国の自治体では上下水道のコンセッションを検討しつつありますが、広域化と経営統合による最適事業規模の追求とコンセッションという視点では、日本初の取り組みとなります。

 

そこで提案ですが、持続可能な上下水道事業の構築に向けて、先ずは有識者を中心とした上下水道のコンセッションと広域化に関する検討会を開催してはどうでしょうか。知事のご所見を伺います。

 

<地元に生きる人への投資、追求3>

 

2月定例会以降、私も、TechShop JapanというDIY工房、要するに、3Dプリンター等の高額な機器を設置したモノづくりを中心としたビジネスサロン(スタートアップカフェ)のようなものや、東京都が主催するTOKYO創業ステーション、Startup Hub Tokyoなど様々な取組を視察してまいりました。

 

そこで感じたのは、これらスタートアップ支援事業の最大の魅力は、仲間が集まる場の提供だと痛感しました。成長意欲やアイデア、技術をもった個人が集まり相互に助け合ってプロジェクトをつくっていく姿が、こうしたスタートアップ施設の彼方此方で見受けられました。こうした「場を創る」というプロジェクトこそ自治体が率先して行うべき仕事だと思います。

 

やや横道にそれますが、県の産業支援の一環としてファンド運用益を事業支援に充てる枠組みがあります。これ自体は必ずしも否定するつもりもないのですが、予算規模は大きく見た目には派手に映りますが、実際に支援に使える金額は少額の運用益になるため、政策効果が限定的で事業規模に対し費用対効果が弱い様な気がします。

 

予算を含め県組織の資源も限られている中で、先ほど来述べている「場を創る」プロジェクトに県の資源を傾斜配分した方が政策効果が高いと思いますが、知事のご所見を伺います。

 

<地元に生きる人への投資、追求4>

 

スタートアップカフェを展開するのであれば、鳥取県らしさを追求するべきだと思います。そこで提案ですが、鳥取大学や鳥取環境大学、米子高専などの学生をコアとしたビジネスサロン(スタートアップカフェ)を展開してみては如何でしょうか。

 

先程、スタートアップカフェの肝はネットワーク構築と言いましたが、鳥取県における貴重な経営資源である鳥取大学医学部や鳥取環境大学、米子高専などの学生に対し、起業家支援・事業創造支援を行うのです。

 

勿論、起業家を目指さない方もいると思いますが、例えば、地元で病院を経営するにしてもそこは経営者ですからマーケティングや組織運営などのビジネスセンスが大いに問われるわけで、ビジネスサロン(スタートアップカフェ)に通い、経営力や事業創造力を鍛えていく意義は大いにあると思います。

 

鳥取県らしさというのは、一つは「医療」であり、一つは「環境」だと思います。これらを学ぶ学生に対してビジネスマインドや稼ぐ力を植え付けていくような、スタートアップカフェにしてみては如何でしょうか。

 

軸は学生ですが、そこに会社員や個人事業主、主婦が加わり化学変化が起きるのです。また、米子と倉吉にある産業人材育成センターや商工会議所や青年経済団体等との連動も可能だと思います。

 

鳥取らしさを追求しつつ、鳥取に存在する人材を最大限活用する。特に、鳥取大学医学部や鳥取環境大学、米子高専などの学生は地域の宝であり、彼らの事業創造力を強化し、彼らの活躍が鳥取県の活性化に繋がるように、彼らと地元とのネットワーク化を図っていく、日本で一番小さな鳥取県だから出来るのだと思います。

 

先行事例を参考にしながらも、鳥取県らしさを追及し、県民の稼ぐ力の向上に向けて、全国に誇れる鳥取県版スタートアップ支援の事業展開を是非とも創り上げて頂きたいと思いますが、知事のご所見を伺います。


 

「サーフィンの一般質問」

image20日の質問戦で、福浜議員がサーフィンによる地域振興策について一般質問を行った。

私の知る限り、県政史上初のサーフィンを採り上げた質問で、支援策を検討するとの平井知事の答弁に、傍聴された鳥取サーファー連盟他関係者の皆さんも、さぞや喜んだに違いない。





20歳の頃からサーフィンにのめり込んだ私にとって、東京オリパラ大会の正式種目に決まったり、県議会の場で堂々と議論される現状に、当時のサーフィン環境を思うと隔世の感がある。

当時は「海●●●」とも揶揄されながら、誰もいない雪の積もった冬の海に漁師が使う様なウエットスーツを着込んで入っていた。

三日坊主の私がそれでも10数年のめり込んだのは、サーフィンが自然の波と同調し一体となれる奥深いスポーツだったからに他ならない。

サーファーは地元にとって効果が少なく、むしろ迷惑な存在だと言われ続けてきたが、果たしてそうだろうか。

本県の100キロ以上の海岸線を隈なく回った私から見ると、鳥取県は東中西と其々個性的で魅力的なポイントが数多く存在しており、それらの貴重な地域資源に対し、活用する発想も対策も何一つしてこなかっただけの事である。

山陰道の開通に伴い、海沿いを走る国道9号線の利活用が課題となる中、サイクリングに加え、鳥取県の魅力を発信する上でもう一つの柱に据える価値は大いにある。

「中盤の質問戦」

image20日、一般質問は3日目となり、県議会自由民主党からは同期で同級生の中島議員が質問に立った。

県議会の中では、写真の中島議員と公明党の濵辺議員が同級生で、今議会から同級生の会を結成し、定期的に意見交換をすることとなった。






2017-06-21-09-49-5421日、一般質問は4日目となり、県議会自由民主党からは浜崎議員が質問に立った。

会派の幹事長を務める3期の浜崎議員に対し、腹周りの貫禄だけは私も負けていない。







2017-06-21-15-04-54一般質問の終了後、「鳥取県の畜産業の発展を考える会」の総会及び勉強会に出席した。

勉強会では、第11回全国和牛能力共進会宮城大会に向けて、上位入賞を目指す本県の取り組み状況が報告され、9月開催の本大会に期待が高まった。






22日の議事整理日を挟み、私は23日の4番目で、「人口減少時代を見据えたインフラ整備のあり方」と「地元に生きる人への投資」の2項目について一般質問を行う。

今回は2月定例会の一般質問の続編と言った位置づけで、困難で大きな課題だが、引き続き平井知事と山本教育長の見解を質したい。
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