IMG_065919日の4番目で改選後初となる一般質問を行った。

下記がその際の質問原稿である。









1、官民連携の推進について

老朽化した西部総合事務所福祉保健局の移転に伴う新築整備については、PPP/PFI手法の導入が検討されており、鳥取県で初めての事例になるのではと期待しているところですが、コンサルタントによる導入可能性調査では、公設公営の従来手法からDBO方式やPPP/PFI手法を広く比較検討し、その結果PPP/PFI手法が有利だとしてそれぞれのVFMを試算しています。試算結果はPPP手法だと-385%、PFI手法だと+55%となり、PFI手法が最も望ましいと結論付けています。

 そもそもこの事業は、直面する福祉保健局の庁舎更新にあたり、西部総合事務所地内の旧米子警察署の除却やエネルギー棟の更新問題等を含め、米子市の中心市街地に保有する県有地を有効活用しながら民間の力を最大限呼び込む点にあると理解しておりますが、何故このようなVFMの開きが生じたのか、この事業の企図するところは何処にあるのか、知事のご所見を伺います。

 2、障がい者スポーツの振興について

パラスポーツは、1910年のドイツ聴覚障がい者スポーツ協会の創設に始まり、1924年パリでの第1回国際ろう者スポーツ競技大会の開催を経て、1948年、車椅子患者のアーチェリー大会がオリンピックで同時開催されたことがパラリンピックの原点であり、近年の関心の高まりに繋がっています。

 我が国においても東京2020オリンピック・パラリンピック大会を控え、「パラリンピックで日本を変える」をスローガンに、2015年「日本財団パラリンピックサポートセンター」が設立されました。本県では日本財団と連携して「日本一のボランティア先進県」を目指した全国初の共同プロジェクト協定が締結されております。

 今定例会にも障がい者スポーツを支える人材育成と、フィールドの提供として布勢運動公園に拠点施設の整備事業が上程されていますが、日本パラリンピアンズ協会の調査によると、障がいを理由に施設利用を断られた、或いは条件付きで認められた経験があるとの回答が2割程度あり、ハード・ソフト両面での立ち遅れが大きな課題となっております。

 そこでお尋ねしますが、本県のパラスポーツを取り巻く環境をどのように認識されているのか、また、2033年には二巡目国体が開催されます。全国に先駆けて「共生社会の実現」を目指し、鳥取県ならではの大会運営を検討されることと思いますが、特に施設整備のあり方は大会を左右する重要な課題だと思います。この点についてどの様にお考えなのかお聞かせ下さい。

 3、児童虐待の無い社会を目指して

平成29年には13万件を超え、年々増え続ける児童虐待件数と度重なる死亡事案に対応するため、児童虐待防止法の改正案が今日の参議院本会議で全会一致で可決成立しました。

 今年1月、千葉県野田市で起きた小学4年生の栗原心愛ちゃんの虐待死亡事案では、児童相談所は嘘の書面を父親に書かされたことを把握しながら自宅に帰す判断をしてしまいました。また、札幌市の池田詩梨ちゃんが衰弱死した事件では、虐待の兆候を把握しながらも児童相談所と警察の連携不足が2歳の幼い命を奪う結果となってしまいました。毎日のように飛び込んでくる悲痛な報道に、胸が締め付けられるような気持になるのは誰もが同じだろうと思います。

 この度の改正案は、児童福祉司の増員と児童相談所の体制強化や親による体罰禁止が柱ですが、「子どもの虹情報研修センター」の河崎センター長は、「児童福祉司を教育するいわゆるスーパーバイザーをどう活用するかが大きなテーマになる」と述べ、人材育成の重要性を訴えられています。

 現場の実態と国の施策を共に注視しながら、必要に応じて独自の改革を全国に先駆け推進していくことが極めて重要だと思いますが、本県の現状も含め知事、教育長、警察本部長のご所見を伺います。

 

追求質問


1、官民連携の推進について
西部総合事務所の新棟整備等に関するコンサルタントの調査結果は、敷地内に定期借地を活用したPPPよりもPFIの一手法であるBTO方式が最も有利だと結論付けていますが、PPPの条件提示がもっと大胆なものであれば、結果が違ったのではないかと感じています。

 今回の調査におけるマーケットサウンディングの条件では、敷地内の本館や新館に加え、一体的に土地利用が可能な隣接地にある老朽化した旧耐震の市営武道館を残す計画としたため、民間事業者が活用できる土地が極めて限定的になっています。

 当然、民間事業者が収益を得ようとする構想も限定的になりますから、なかなか手が挙がりにくいのも当然でありVFMの試算結果が示す通りだと思います。それなりの理由があったのは理解しますが、米子の中心市街地の土地利用としては誠に残念だと言わざるを得ません。

 そこで、今回のBTO方式による新棟の整備に当たっては配置計画を見直し、単に目先の福祉保健局の更新や旧米子警察署の除却、エネルギー棟の更新だけに留まらず、将来の有効な土地利用のビジョンを描きながら進めるべきだと思いますが、知事のご所見を伺います。

 2、障がい者スポーツの振興について

1週間前になりますが、私は東京臨海副都心に整備されたパラスポーツの専用体育館、「日本財団パラアリーナ」を視察しました。この施設はブラインドサッカーが1面、車椅子バスケットやウィルチェアーラグビーが2面、ボッチャが8面取れ、体温調節ができない選手のため館内は一年を通して18度で管理しているとのことでした。

 余談になりますが、当日はウィルチェアーラグビーの全日本チームの練習があり、競技用の車いすが激突する大音響と迫力に目が釘付けとなりました。その際、全日本チームのエース池崎選手と話す機会があり本県の障がい者支援の取り組みを紹介すると、「鳥取県のパラスポーツの振興を大いに期待したい」との言葉をいただきました。


この施設のトイレやシャワー、トレーニングルーム等の設備は全てが車いすのまま使え、半身麻痺に対応して扉の取手も左右対称になっているなど、選手の声を生かした日本最先端の障がい者スポーツの施設だと感心しました。

 そこで施設整備費を尋ねると規模からは考え難い僅か8億円ほどで、構造や工法に特許もあるとのことでしたが、その肝は何が必要で何が不必要なのかを徹底的に追求したローコスト建築に対する設計理念だと理解しました。

 施設の稼働率は90%を超え、自治体を含め全国から見学者が後を絶たないとのことで、修学旅行の受け入れも検討されているとのことでした。このアリーナを視察したスポーツジャーナリストの増田明美さんは、「この施設で子供たちがボッチャや車いすバスケット等を体験すれば、パラスポーツへの興味は高まり、パラリンピックで社会は変えられる」と述べられています。


残念ながらこのパラアリーナは、東京都との契約上の問題からパラリンピックの翌年
2021年には取り壊しが決まっていますが、存続を求める声が日毎に大きくなっているとのことでした。

そこで地元に目を向けますと、2029年には島根県、2033年には鳥取県で二巡目国体が協力開催されます。中海圏域がその中心地になることは容易に想定されますが、このことを見据えると、先の2月定例会でも知事と議論した通り、現在、米子市と話し合いを始めている東山公園の体育館整備に、このパラアリーナを加えて見ては如何でしょうか。

 東山公園はJR東山公園駅に直結し、南北自由通路の整備が予定されている米子駅の南口からも直接バス移動が可能となる非常に利便性の高い立地であり、知事の英断によって市営の東山水泳場と県営の米子屋内プールの交換が行われた自治体間連携の先進地でもあります。

 国内にもほとんど存在しない、ましてや中国地方では皆無の大規模なパラアリーナは多くの人を呼び込む集客施設となります。障がい者の輝く鳥取県だからこそ、日本一のパラスポーツの拠点を目指して検討すべき課題だと思いますが、知事のご所見を伺います。

 3、児童虐待の無い社会を目指して

厚生労働省の調べによると、平成30年段階で全国の児童相談所における警察官と教員の配置状況は、現役警察官34名、OB警察官189名、現役教員131名、OB教員151名となっています。

 壇上でも述べた通り関係機関の情報共有と連携強化は喫緊の課題だと思いますが、本県の状況を見ると教職員の実績が僅かにあるだけで警察官の実績はありません。取り組むべき課題だと思いますが、警察本部長のご所見を伺います。

 児童相談所の体制強化は言うまでも無く、そこで得られた経験と知識は復職してからも大いに役立つものだと考えますが、本県では教育現場から出向し教育現場に戻る事例が主なもので、せっかく得られた経験や知見を組織全体にフィードバックする体制にはなっていません。この点について教育長のご所見を伺います。

 
4、児童虐待の無い社会を目指して

学校には児童虐待に対して、早期発見の努力義務、協力義務、教育・啓発義務、通告義務の4つの義務がありますが、多忙感や負担感、或いは児童虐待の発生頻度が少ないことへの慢心、また、専門外意識による依存体質や保護者対応への配慮や畏怖等々、これらの現状からくる対応の遅れが実際にあるのではないでしょうか。

 学校の実態として、校長が通告をためらい学校だけで問題を抱え込んでしまう、通告対応で校長が児童や保護者に対して勝手に対応する、或いは校長が児童相談所の対応を批判する等の問題があると仄聞しています。

 一方、児童相談所には通告を受けた場合、法に基づいて様々な行政権限がありますが、児童福祉司は1人あたり6070件のケースを抱えており、業務が回らなくなるという懸念から出来るだけ新規のケースを受けたくないという心理があるのではないでしょうか。

 児童相談所の実態として、児童福祉司の手が回らずケースの対応が遅れることや業務が多すぎて研修を受ける機会や意欲が少ない、或いは困難なケースに進んで対応しようとする職員が少ない等の問題があると指摘されています。

 

何れにしても今回の法改正の動きを受けて、児童虐待とはどういうものか、どういうケースがあり、どのように対応すればよいのか等、知識と技能を習得できる実践的な研修を推進する必要があると思います。加えて、関係機関との垣根を越えた適切な人員配置が不可欠だと考えますが、知事及び教育長のご所見を伺います。