2016/3
蛤をあぶりて早い夕餉かな
指先の血に嬉しきは雨後の春
稽古場に笛春めくや中之舞
春雨や開場を待つ列にいる
外は雨 春撒くごとし 龍女舞う
春寒の空切り取るやブルームーン
ほっといてほっとかないで恋の猫
桃割れの市松けなげに雛の段
すべきこと脇へ春夜の読書かな
同じ願い母思い出す西行忌
小さめの蓬餅出る峰の宿
湯けむりの肩に儚き春の雪
彼岸にも花にも早し友の寺
助手席に伴侶居眠る春街道
桜待つ人に蕾に今日の雨
おとといの憂い気のせい蕗の薹
悔ゆることありて今年の桜咲く
michikovocal at 01:38|
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