2013年07月

2008年8月24日(日)午前

今日午前中は⑩Vernal のすぐ側にある
Dinosaur National Monument の
ユタ州側を、
午後は⑪Dinosaur から入って同公園のコロラド州側を観光します。
第6次コース大


























Vernal で宿泊したモテル 6 の前の通り。
今日もいい天気です。
PICT3631




















ここのMotel 6 は三階建で、快適でした。
Motel 6はどこも清潔で、費用もリーゾナブル で
我々日本人にとっては十分な広さでした。
また、無線のインターネットもほとんどの場所で接続可でした。
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バーナルの通りはペチュニアの大きな鉢植えで一杯でした。
PICT3635




















国定公園に向かう前に、Vernal の町中にある
恐竜博物館に寄ってみました。
日曜日でも開館していましたが、
受付で、こちらが何も言わないのに
「Senior 料金は6ドルです」と言われて、
家内はショックを受けたよう。
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博物館に入ると、
恐竜の化石のレプリカが。
PICT3646




















恐竜に関係するいろんな化石が展示されていました。
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屋外にはいろんな恐竜の彫像が。
PICT3659




















まるで恐竜遊園地です。
PICT3660




















なんだか、優しそうな恐竜です。
PICT3662




















1時間ほど、この博物館を見物して、
PICT3663




















その後、バーナルからUS-40号線を東に少し行き、
UT-149号線に入り、北に向かうと、
右手前方に恐竜国定公園の山が見えてきました。
PICT3666




















道路脇には、いかにも化石が出そうな、
湾曲した地層がそびえていました。
PICT3667




















恐竜国定公園のユタ州側の
恐竜発掘場ビジターセンターに到着。
そこに展示されていたアロザウルスの化石。
長さ5.6m、体重612kgのジュラ紀の恐竜。
4日前に、ここから250マイル北、ワイオミング州Worlandで説明板に記載され
ていたと同じ種類の恐竜ですが、こちらの方が若い恐竜らしく、身長
はWorlandのそれ(10.7m)の半分くらいです。
PICT3668




















それでも、その足の骨が私より背が高い。
こんな恐竜と原始人類が共存していたら、
はたして人類は生き延びられていたかな?
恐竜が絶滅して5000万年後に原始人類が誕生してよかった。
PICT3670




















ビジターセンターからFossil Discovery Trail のスタート点まで
シャトルバスで行き、そこから3/4マイルのトレイルを歩きました。
このあたりも、昨日ワイオミング/ユタ州境で見られたように、
コロラド高原の堆積岩層が垂直に立っていて、北から順に
Stump 層(1.63億年前)、
Morrison 層(1.5億年前)、
Mowrey 層(1.0億年前)
が露出しています。
このトレイルは北側のStump 層から、
順に南のMowrey 層まで歩きます。
わずか1.2km歩く間に、6000万年の旅ができます。
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Stump 層のサイト。
約1.63億年前、このあたりから現在のカナダにかけては
大きな内海の浅瀬部分だったようで、
イカ、貝、カタツムリ、アンモナイト などの化石が見られるそうです。 
PICT3672




















説明板に化石のある場所が矢印で示されていましたが、小さい化石
を発見することはできませんでした。
PICT3673-1





















Stump 層が盛り上がっていました。
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次に、少し南のMorrison 層に向かいました。
PICT3676




















これがMorrison 層の地層か?
PICT3677




















地層がほぼ垂直に立っているのがよくわかります。
1.5億年前(ジュラ紀)に、ここは陸地化しました。
平地の河川域で、洪水が頻繁に起こる
雨季と乾季が繰り返される現在のアフリカの大草原のような環境で、
そこを恐竜たちが自由に歩き回っていたようです。
恐竜の骨がその川砂や砂利の中に埋められ、
それがMorrison 層となり、
その後6500万年前のロッキー山脈やユインタ山脈の造山活動の時
コロラド高原一帯が隆起し、このあたりでは地層が湾曲したそうです。
PICT3675




















そのMorrison 層の坂道をよっこらしょ と登って行きました。
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Morrison 層のサイトでは、
地層に埋もれた恐竜の化石そのものが見られました。
このようなものを見るのは初めてで、
貴重な体験をさせてもらいました。
化石に手を触れることは許されていますが、
化石も含めて、いかなる石も採取は厳禁です。
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こちらにも。
1.50億年前、雨季に増水すると上流から恐竜の死体が
流れてきて、このあたりの川岸に打ち上げられたようです。
PICT3686




















これは背骨の脊椎骨か。
PICT3679




















ここにも。 
恐竜化石のある場所は白いペンキの目印が
あるので、すぐわかります。
Morrison 層は厚さはわずか2.4~3.6mですが、
この中に体長18cmから24mの大小10種類くらいの
恐竜の化石が埋もれていて、正に恐竜化石の宝庫です。
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そこからまた少し南に歩いて、
Mowry 頁岩層(1.0億年前)にきました。
1.0億年ほど前、このあたりが再び内海となり、
そのころ現在のカリフォルニア/ネバダ州境の火山活動が活発で
その噴火に伴う火山灰がここまで飛んできて、
それがここの浅海に堆積し、この灰色の頁岩になったそうです。
火山灰の堆積によって魚が死に、大量のうろこが集まって、
化石になっているそうです。
PICT3688




















そこからトレイルを下って行き、
PICT3689




















Mowry 頁岩層の切り立った崖に沿って
PICT3691




















のんびり歩きながら、ビジターセンターまで帰りました。
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この公園のユタ州側にある6つのトレイルの内、ビジターセンターに一番近い、
Fossil Discovery Hiking Trailだけを、わずか1時間ハイキングしただけです
が、大変興味深い貴重な体験でした。

その60.ワイオミング州ジャクソンからユタ州バーナルへ292マイル」へ。
その62.恐竜国定公園観光-2」へ。
「思い出のアメリカ西部の道」の「目次」へ。
 

2008年8月23日(土)

今日は⑨Jackson からワイオミング州を縦断し、
ユタ州の⑩Vernal まで移動です。
第6次コース大


























ジャクソンの朝7:30、出発前に、モテルの周りを散歩し、
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8時にジャクソンを出発し、ロッキー山脈を下って行きました。
PICT3563




















前方の山はジャクソンの南のWolf Mt(2890m)か?
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その山のふもとの針葉樹林を抜けて
PICT3566




















US-191号線を1時間ほど南に行くと、
ロッキー山脈を下り、再びワイオミング州のプレーリーに下りてきました。
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牧場地帯になってきました。
PICT3568




















US-16号線ではワイオミングのプレーリーを
東西に横断しましたが(その54その55)、
このUS-191号線は同じワイオミングのプレーリーを
南北に縦断します。
PICT3569




















牧場のゲートの前に駐車して、西を見ると
ゲートから1kmほど入った所に
牧場主のものと思われる屋敷が見えました。
広大なアメリカ西部の牧場では、
ゲートに立っても牧場主の家は地平線の彼方で
見えないことがほとんどですが、
ここでは珍しく見えました。
ゲートの入り口にはPape Ranchesという門札も見えました。
帰国後、インターネットで調べたら、この牧場は1917年からPape一家によって
経営されている、10475エーカー(42平方km)の牧場で2700頭の牛を
飼っているそうです。さらに2009年度の自然保護活動で受賞している
という、優れた牧場のようです。
PICT3570




















Pape Ranchesから3マイルほどで、US-189号線とUS-191号線の分岐点
をUS-191号線に進み、そこから11マイル、ジャクソンから78マイル走った所に
パインデールという人口1412、標高2187mの町がありました。
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その町でガソリンを給油し、
その前にあるGeneral Storeで、飲料やレーズンパンを買って、
一休みしました。
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再びプレーリーの中の一本道を一路南へ。
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パインデールから1時間ほど南に走った所にまた牧場の入り口があったので、
そこに駐車して小休止。
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またまた、私にとって百万ドルの風景です。
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ここでは、牧場主の家ははるか地平線の彼方にあるようで、
ここからは見えませんでした。
これが普通です。
PICT3575




















パインデールから59マイル、無人のプレーリーを南に行った所に
人口たったの325、標高2006mのファーソンがありました。
本当に小さな集落ですが、US-191号線と州道28号線の交差点にあり、
小中高学校もあるそうです。人口の割には学校が充実しすぎている
印象ですが、学校にはファーソンだけでなく、40マイル南の大都市Rock Springs
の子供たちもスクールバスで通うそうです。白人が96%で、一家族あたり
の平均収入は57000ドルと、リッチです。教育関係者が多いのでしょうか。
PICT3579




















ファーソンから40マイル南に行き、
ちょうど正午頃、人口18,708、標高1911mの
Rock Springsに到着しました。
PICT3584




















ロックスプリングは石炭、石油、天然ガスの産出で栄え、
南北に走るUS-191号線と東西に走るI-80号線および
大陸横断鉄道が走る、交通の要衝です。
1975年にI-80号線を通って、メンロパークからボストンまで
大陸を横断ドライブした時、ここを通過しました。
あれ以来、33年ぶりです。
PICT3581




















家内の祖父は当時の岡山県昭和町からこのロックスプリングに移住し、
ここの鉄道で働いていて、今88才の家内の母はここで生まれ、
2才の時一家で帰国しました。
PICT3583




















岡山の田舎からはるばるこんな所に出てきて、
毎日汗水流して働き、暮らしていたんだなあ、
と思うと、この荒涼たる風景にも懐かしさを覚えました。
PICT3582




















ロックスプリングの町中の大きな交差点を左折し、
PICT3585




















US-191号線を南へ。
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10分ほど南へ行くとロックスプリングの郊外に出て、
PICT3590




















眼下に平原が広がっていました。
どうやら、今走っている所はテーブルマウンテンの淵のようです。
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そのテーブルマウンテンの坂を下って行くと、
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これまでのプレーリーの風景から、
コロラド高原の風景へと、
風景が一変しました。
どうやら、コロラド高原の北端に入ってきたようです。
PICT3596




















遠くにもテーブルマウンテンが横たわっていました。
PICT3598




















ロックスプリングから65マイルほど南に行った所は
ワイオミング州とユタ州の州境で
Flaming Gorge 湖が見えてきました。
PICT3599




















州境を越えてすぐの所にその湖を作っている
Flaming Gorge ダムがありました。
1958-1964年にかけて建設された高さ154m、幅360mのダムです。
PICT3600




















Gorgeというだけあって、ダムができる前は、
このあたりはミニ グランドキャニオンのような美しい峡谷だったのだろうな
と思わせるような、コロラド高原特有の色とりどりの堆積岩が
見られました。
この川、グリーン川はここから下流230マイルでコロラド川に合流し、
グランドキャニオンに流れて行きます。
イエローストン川はミズリー川、ミシシッピ-川に合流して大西洋へ、
スネーク川はコロンビア川に合流して太平洋へ、
グリーン川はコロラド川に合流してメキシコ湾へ、
ロッキーを水源とする3本の川をこの3日の間に見たことになります。
PICT3603




















Flaming Gorge ダム湖を後にしてさらに南に進み、
そのダム湖を振り返りました。
PICT3604




















ダムからUS-191号線を1時間ほど南に行ったあたりで、
地質学的に珍しい風景が見えてきました。
コロラド高原は広範囲にわたって、
堆積岩が水平に横たわっていることで知られていますが、
このあたりは例外的に、地層が垂直に立っています。
そのために、北(手前)から南にゆくにつれて
若い地層が露出しています。
手前の緑の木で覆われた所は2.7億年前のウエーバー砂岩層、
その向こうの赤い地層が2.5億年前のモエンコピ層、
その向こうの湖のあたりの灰色が2.2億年前のチンリ層
と思われます。
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このあたりにはリン鉱石の露天掘り鉱山がありました。
中学校で習った、窒素、リン酸、カリの必須肥料の一つ、リン酸塩肥料の
原料として重要な鉱石です。
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コロラド高原ができた数億年前よりはるかに最近の数百万年前、この
辺りは浅海となり、そのころ堆積した層の中にPhosphoria層という
リン鉱石を含む層ができたそうです。上から4層目にあるので、上の層
を剥がし、厚さ20ftくらいのPhosphoria層を掘削、粉砕し、水と混ぜ
て、スラリー状にして、パイプラインで鉱石を濃縮するプラントに送るそうです。
PICT3613




















そのパイプや濃縮プラントらしき建物も見えました。
PICT3612




















濃縮されたスラリーはやはりパイプラインで、2000馬力のポンプを用いて、
さきほど通過した、96マイル北のロックスプリングに送られ、そこで硫酸や、
アンモニアを用いてリン酸塩肥料に加工されるそうです。結構スケールの大きな
プラントのようです。
PICT3617





















ロックスプリングの工場ではリン酸塩肥料しか作っていないが、リン酸はソフトドリンク
や医薬品、虫歯のセメント、リソグラフィーなど多くの用途に用いられるそうです。
コロラド高原北端の、一見何の変哲もない、通り過ぎてしまいそうな、
US-191号線沿いの風景の中にも、こんなストーリーがあったとは、驚きでした。
PICT3606




















さらに南に行くと遠くにまた別の湖が見えてきました。
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それはVernal の町はずれにあるSteinaker 貯水池でした。
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モーターボートが疾走していました。
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午後3時、バーナルに到着しました。
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バーナルは人口9089、標高1624mのきれいな町でした。
恐竜国定公園のユタ州側のゲート シティーであると同時に、
石油、天然ガス、リン鉱石で栄えている町です。
US-191号線沿いにはペチュニアの花が一杯飾られていました。
PICT3621




















恐竜国定公園のゲートシティーだけあって、
Dinosaur Inn という名前のインもありました。
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夕食はモテルの近くにあるGolden Coral というレストランのビュッフェで
チキン、ビーフ、サーモン、ブロッコリー、サラダ、メロンなどたっぷり食べても、
二人で25ドルでした。
今日も、ロッキー山中のジャクソンからプレーリーに下り、ロックスプリングから
コロラド高原の北端に入り、変化に富んだUS-191号線を堪能し、また
「思い出のアメリカ西部の道」がひとつ増えました。

その59.グランドティトン国立公園観光-2」へ。
その61.恐竜国定公園観光-1」へ。
「思い出のアメリカ西部の道」の「目次」へ。


2008年8月22日(金)午後

午後はコールター ベイからUS-191号線に出て、
公園内を40マイルほど南に走りながらグランドティトンを観光しました。
公園内を南北に走るUS-191号線はジャクソンホール・ハイウエイと
呼ばれていて、途中何箇所かある展望台に立ち寄りました。
コールター ベイから7マイルほど南に行った所で、
スネーク川が湾曲している場所、Oxbow Bend Overlookに寄りました。
このスネーク川は上流のイエローストーン湖から
さき程まで居たジャクソン湖に流れ込み、
さらにここでジャクソン湖から流れ出て、隣のアイダホ州を経て、
ワシントン/オレゴン州境のコロンビア川となって、
太平洋に注ぐ長大な川です。
スネーク川はアイダホ州のTwin Fallsでは雄大な渓谷を形成していました
(その97)。
PICT3525




















そのOverlook から西を望むと 
スネーク川の向こうに、Mt  Moran (3842m) が見えました。
すばらしい眺望に、しばしうっとり。
PICT3526




















そこから10マイルほど南に行ったところにある
Elk Ranch Flats Turnout から西を向くと
ティトンの連山がスネーク川(緑の木のある所)の
向こうに見えました。
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そのTurnout から南の方向を見ると、
広い駐車場に車がチラホラでした。
PICT3529




















青空を背景とした雪をかぶるティトンの山々に
これまた、うっとりです。
PICT3530縮小




















さらに南へ8マイル行って、
Snake River Overlook へ。
ジャクソンホール・ハイウエイ にいくつかある展望台で
最も有名な場所。
ここからはスネーク川越しに、
このあたりの最高峰グランド ティトン(4197m)が
正面に見えました。
PICT3532




















ズームすると、
グランド ティトンの偉容が迫ってきました。
PICT3533




















そこからさらに4マイル南にある
Teton Point Turnout に立ち寄りました。
説明板を見ながら、ティトンの連山を一望できます。
PICT3536




















ロッキー山脈のこの辺りはまだ活発に造山活動を継続していて、
900万年前からこの連山部分は隆起し、
その手前のジャクソン ホールとよばれる谷の部分は沈下して、
南北40マイルの大断層を形成しているそうです。
PICT3539




















その隆起したティトン連山が氷河によって削られて
このようなギザギザした山になったとか。
PICT3546




















ズームすると、グランド ティトン(4197m)がまだ成長中の
若々しいTeenager の山であることを実感できました。
PICT3545




















同じ場所を観光していたアメリカ人男性が撮ってくれました。
PICT3551縮小




















さらに8マイル南にある
Craig Thomas Discovery and Visitor Center に立ち寄りました。
そこに展示されていた岩石の標本。
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そのビジター センターの窓越しに見たグランド ティトン。
PICT3553




















その駐車場にはきれいな花が一杯咲いていました。
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そこからさらに12マイル南に行き、
夕方5時頃、Jackson (ジャクソン)のモテル-6にチェックインしました。
PICT3560




















その後、夕食を食べに、ジャクソンの町を散策。
ジャクソンは人口9600、標高1901m、
グランドティトンやイエローストーン国立公園のゲート シティーです。
PICT3557




















西部の国立公園のゲート シティーはどこもきれいで
ゆったりした雰囲気があり、くつろげます。
PICT3558




















インドネシア人が経営する寿司屋を見つけ、
久しぶりに寿司を食べました。
PICT3559




















その58.グランドティトン国立公園観光-1」へ。
その60.ワイオミング州ジャクソンからユタ州」バーナルへ292マイル」へ。
「思い出のアメリカ西部の道」の「目次」へ。

 

2008年8月22日(金)午前

昨夜は予約していなかったのに、
幸運にもイエローストーン国立公園内の
グラント ロッジに泊まることができました。
PICT3479




















イエローストーン湖のほとりに、
1984年に建てられた、
寄宿舎のような建物です。
PICT3475




















部屋の窓もなんとなく寄宿舎のような雰囲気でした。
会社に入社後、独身寮に住んでいた頃を
思い出しました。
PICT3474




















ロッジのすぐ側のイエローストン湖畔を早朝散歩。
PICT3478




















今日も快晴です。
PICT3477




















8時にグラントロッジをチェックアウトして、
すぐ南のグランド ティトン国立公園に向けて、
US-191号線を南へ。
イエローストーンの広大なカルデラの外輪山を越えて、
南ゲートを出たあたりでSnake River の上流にあたる
Lewis River が南に向けて流れていました。
PICT3480




















ゲートを出て、US-191号線をさらに南へ。
このUS-191号線はモンタナ州からワイオミング、
ユタ、アリゾナ州と米国西部を南北に縦断する道で、
北から、イエローストーン、グランド ティトン、
ダイナソー(その61)、アーチズ(その71)、キャニオン ランズ、
キャニオン デ シェイ(その12)、化石の森(その36)などの
国立公園や国定公園を通過する、
すばらしい道です。
道中の風景も、氷河で削られたロッキー山脈から、
赤い堆積岩のコロラド高原、
ナバホネーションの荒野、
そしてカクタスの林立するソノラ砂漠と、
この道をカナダ国境からメキシコ国境まで
1624マイル走るだけで、
大いなる西部を満喫でき、
西のUS-395号線と並んで、私の最も好きな
「思い出のアメリカ西部の道」です。
PICT3481




















40分ほどで隣接する
Grand Teton National Park に到着です。
ジャクソン湖のコルター湾に来ました。
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ビジターセンターに立ち寄った後、
コルターベイ・ネイチャートレイルを
ハイキングすることにしました。
ビジターセンターのすぐ傍、ジャクソン湖に突き出した小さな半島を
3km一周する初級コースです。
PICT3483




















30分ほど歩いて、
見晴らしの良いところに木陰があったので、
少し早いですがハムサンドの弁当を食べました。
倒木に腰掛けて、またまた、幸せな放浪者風の昼食です。
正面に見えるのはEagle Rest Peak (3431m)。
PICT3487




















さっきビジターセンターで買った牛乳が
冷たくておいしい。
しかし、ビジターセンターでもらったトレイル ハイキングの注意書きを、このブログ
を書くにあたって、読んでみると、
"Be bear aware! Make bears aware of your presence and avoide surprising
them by making loud noises such as shouting or singing. Always store
food properly."
とありました。この半島にもクマがいることはこの時はまったく気にし
ていませんでした。知っていたら、こんな所で食事なんか恐ろしくて
できなかったでしょうに。我々の周りにハイキングする人もなく、後から
考えてみると、恐ろしいことをしたものです。
ヨセミテもそうでしたが、アメリカ西部の国立公園ではクマに注意です。
PICT3493




















さらに半島の先端へ。
PICT3494




















先端に来ました。
PICT3500




















澄み切った冷たい湖水です。
PICT3504




















対岸のTeton Range の山々。
PICT3511




















Eagle Rest Peak  (3431m) の偉容。
PICT3510




















正面に見えるWater Falls Canyon。
PICT3505




















ズームすると、そのWater Falls が見えました。
Falls と複数形になっている理由もわかりました。
二つの滝が見えました。
8月でも頂上付近に残っている雪が解けて
勢いよく流れ落ちていました。
PICT3509




















さらにその北の方には
高い山はなく、
ジャクソン湖も幅が狭くなっていました。
PICT3506




















半島の先端から、林の中を歩いて
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針葉樹林の上は真っ青な空。
PICT3513




















半島の北側の湾に出てきました。
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ここからは、先ほどまで歩いた半島が見えました。
さらにその半島ごしにEagle Rest Peak が見えました。
PICT3518




















湖畔にノアザミが咲いていました。
PICT3520




















ここまでのトレイルの途中、我々以外は誰にも会わず、
人声も聞こえなかったのが、
ここに来て、遠くから人声が聞こえてきました。
よく見ると湖岸で子供達が遊んでいました。
PICT3523




















2時間近くかけてトレイルを一周し、
ビジターセンターに戻ってきました。
PICT3524




















その57.イエローストン国立公園観光-2」へ。
その59.グランデティトン国立公園観光-2」へ。
「思い出のアメリカ西部の道」の「目次」へ。
 

2008年8月21日(木)午後

昼になったので、Canyon Village から Old Faithful に行き
そこのロッジのカフェテリアで、
trout、chicken、rice、beans などの昼食を食べました。
Old Faithful 間欠泉の噴出は65-92分間隔ということで、
次の噴出時刻がロッジに表示されていたので、
その時刻になると、大勢の人が噴出孔に向けて、移動しました。
PICT3470




















噴出孔の側に行くと、すでに多くの人が集まって、
噴出を待っていました。
PICT3420




















予告通り、噴出が始まりました。
PICT3422




















そら、来た来た。
PICT3424




















1分ほどの内に高くなってきました。
PICT3428




















この噴火口の中、
出口から22mの地下の所で測定された水温は118℃
だったそうです。 
ここの標高2245mにおける
水の沸点は93℃ですので、出口に達する前に
沸騰するのでしょう。
高さ40mくらいまで上がりました。
PICT3430




















そして、あっという間に勢いは衰えて、
PICT3432




















ハイ、お疲れ様でした。
PICT3433




















この後、Midway Geyser Basin に向かいました。
すると、さっきのギボン川の上流の支流であるFirehole川に
PICT3439




















間欠泉から湧き出る熱水が流れ込んでいました。
PICT3436




















その流れ落ちる熱水をたどって
PICT3440




















行くと、
PICT3441




















Midway Geyser Basin にあるExcelsior Geyserがありました。
1880年代の大噴出によって、噴出系が破壊され、
以来Geyser という名前は残っているが
間欠泉にはなっていないとか。
PICT3442




















その周囲の遊歩道を散策。
PICT3443




















大噴出の爪あと。
この壁に見られる水平な何層もの地層は
大昔の超好熱細菌の死骸を含んでいるとか。
PICT3447




















次に、同じMidway Geyser Basin にある
Grand Prismatic Spring へ。
PICT3454




















その周辺にも超好熱性細菌が織りなす縞模様が。
PICT3446




















イエローストーン国立公園内では最大、
世界で3番目に大きい温泉。
PICT3455




















その周辺には超好熱細菌のコロニーが。
40億年前にこの地球上に最初に誕生した生命も
超好熱細菌でした。 
生命の系統樹の一番根本におわします、
すべての生命のご先祖様です。
たった500万~600万年前に誕生した人類に比べると
大先輩で、格が違います。
PICT3450




















40億年前に生命が誕生した直後、
地球は巨大隕石爆撃期に遭遇し、地表は灼熱地獄になりました。
そんな時、超好熱細菌は、灼熱の及ばない地下深くで
生き延びてくれました。
さらにその後20億年間も、
地球は酸欠時代で、
また地磁気が未確立で、地表に太陽風や有害な放射線が
降り注いでいたために、地表では生命は生存できませんでした。
その間も、
このような超好熱細菌が地下深くで
生き延びてくれました。
そのお蔭で、生命はその後真核細胞から動植物、人類まで進化できました。
本当に、超好熱細菌様様です。
PICT3452




















次に、Midway から車でBiscuit Basin に移動し、
そこの遊歩道を散策。
PICT3461




















そこにあるサファイア プール。
深い青色の澄み切った湯がきれいでした。
PICT3460




















こちらはシェル スプリング。
こちらはまだ現役の間欠泉です。
PICT3463




















しばらくすると、ほーら、出てきました。
PICT3464




















Old Faithful ほどではありませんが、
立派に吹き上げました、ブラボー、拍手!
PICT3466




















はい、二分間の「熱」演、お疲れ様でした。
PICT3467




















トレイルを一周し、
PICT3468




















16:45、今日の「宿舎」のあるGrant Villageに向かいました。
その途中、Craig Pass(2518m)の峠を越えるあたりで、松林の中、
溶岩を削って流れ落ちる川を見かけました。イエローストン湖の西にある
小さな湖、Shoshone湖から流れ落ちるクリークでした。
PICT3471




















その56.イエローストン国立公園観光-1」へ。
その58.グランドティトン国立公園観光-1」へ。
「思い出のアメリカ西部の道」の「目次」へ。
 

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