2005年01月28日

昭和の歌謡曲 あいつが悪い 藤 圭子

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プルルル・・・
 
 「はい、ポンポコ探偵社でつ」
”人を探してほしいんです”
「はい、え〜と、まずお名前と年齢とご職業を・・・」
”急いでるんです。今すぐ探してください”
「その前にご住所と電話番号を・・・」
”あたし、騙されたんです、あの人に。あたし、あの人と結婚の約束をしたんです。それなのにあの人ったら他に女の人を作って”
「いや、あの・・・」
”あたし、あの人の言うことはなんでも聞いてきたんです。我儘なことはなにも言ってないんです。結婚指輪は10カラットのダイヤでいいからって。新婚旅行だってそれほど贅沢でなくていいんです。1ヶ月でヨーロッパを一周できれば満足なんです。新居もそんなに高級じゃなくてもいいからって。高輪あたりの高層マンションの最上階で夜景が見られれば十分だからって”
「え〜っと・・・」
”子供はほしくないなら産まなくてもいいし、家事は家政婦に任せて、午前中は生け花と料理教室、午後はエアロビクスをして、それが終わったら六本木ヒルズで夕暮れを見ながらカクテル飲んで、そんな倹しい暮らしでいいからって、そう言ったんです。それなのに、あの人ったら、うっうっ、ううう・・・(涙)。
「あ、ええっと(汗)、今でつね、所長は外出してまつので、また改めて・・・」
”あたし、あの人のことが許せません!絶対にっ!!”
「うひゃっ!?そんなこと電話でおっしゃられても・・・」
”殺してください。あの人を見つけたら、すぐに殺してください!”
「ひぃぃぃーーーっ!!」
で、なければ、あたし、今ここで、ここで・・・。
「あわわわわ、は、早まらないで、ひゃみゃりゃりゃにゃいで・・・ガタガタブルブル」
”うぎゃあああああ!!バカヤローーーーッ!!!舐めるんじゃあねえよおおお!!!バキッ!ガチャン!ドカン!!”
「げげげっ、ぶくぶくぶく・・・」
 
再び藤圭子です。
藤圭子というと演歌ならぬ”怨歌”と評されたほど(一説では、五木寛之が自著のエッセイで絶賛したところからそう言われ始めたとのこと)、そのキャラからして、さまざまな怨み言を歌に込めるという印象が強いですが、これは、前回1月20日「圭子の夢は夜ひらく」でも書かせていただいたように、阿部純子(本名)が本質的に持っていた不幸の影に脚色を加えた、作詞家・プロデューサーの石坂まさをによる藤圭子を売り出すための戦略でもありました。69年デビューから79年の最初の引退までの10年間が、藤圭子の全盛期であったわけですが、その間イメージチェンジを図った明るい曲もありましたが(「はしご酒」「酔い酔い酒場」など)、藤圭子が持つ良くも悪くも強烈な個性が足枷になって、新たな広がりを見せるには至らなかったようです。
 
さて、画像のシングル盤「あいつが悪い」は、藤圭子が81年シングル「蛍火」で早くもカムバックするも、その後泣かず飛ばずでレコード会社を転々とする時期の84年、ロリーポップ音楽出版から単発で出されたものです。しかし、インディーズからのリリースということもあってか、拙の手元にある盤には価格がどこにも見当たらず、ジャケット裏とレーベルを見るとプロモ盤の体裁をとっています。さらに、名字なしの「圭子」名義になっており、そんなところからも通常のレコード店では流通していなかったことが想像されます。ということで、残念ながらCD化がされていないレア盤の一枚となってしまっております。
 
曲の内容はというと、”とことん今夜は酔いつぶれたい”とか、”生きてるかぎりはあいつが憎い”だの、サビに至っては”あいつが あいつが あいつが悪い”の連呼で、これを藤圭子が歌わなくて誰が歌うんだ!?というくらい怨みつらみのオンパレードです。いわば藤圭子が自ら歌うセルフ・トリビュート・ソングの趣とでもいえばよろしいでしょうか。これはハッキリいって笑えます。ちなみに、作詞:伊藤アキラ、作曲:浜圭介、編曲:桜庭信幸と錚々たる面子です。なお、B面は同曲のカラオケです。
 
それにしてもこの曲を聴いて思うのはただひと言、「女性の怨みはかくも恐ろしき」ですね。といってもこれ冗談ですから、女性でお読みの方がいらっしゃいましたら、ご笑納くださいませ(笑)。
 

mickbanzai at 01:52│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by MASA   2005年01月28日 02:14
路傍の石さん、明日の10時、テレビ東京系「たけしのだれでもピカソ」は昭和特集で、最近ばんばひろふみと離婚してワイドショーを賑わせている平山みき(現在ひらがななんですね)と渚ゆう子が出演します。お見逃しなく〜。
2. Posted by mickmac   2005年01月28日 15:02

路傍の石さん、こちらには、はじめましてです。

ストーンズネタより昭和歌謡曲を楽しみに拝見しております。
しかし、藤圭子のレア盤いいなぁ(笑)。
80年代の藤圭子は、宇崎&阿木コンビの曲がなかなか良いです。

今後は、大好きな梶芽衣子さんネタをお待ちしております。
梶さんも宇崎&阿木コンビの曲を唄っていますからね。
いつか自分のブログでも書こうかと思っているのですが、今のところは他人まかせで……。
わたくし、妹の太田とも子さんのレコード(ブレイクする前の宇崎竜童の曲)も持っております。

今晩の「誰でもピカソ」では平山みきさんと渚ゆう子さんか……楽しみです。

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