2005年04月06日

『名曲ベストヒット歌謡』(3月28日テレビ東京系)

 
路傍  なつかしの昭和歌謡特番を観ながらの対談2回目です。
ところで、この春に民放3局が歌謡曲を題材に特番を組みまして、それぞれに出演した歌手や番組の演出に違いがありましたが、逆に共通項というものはあったんですかね?
夜明け 現在の歌謡界の大御所がデビューして最も活躍した時期と重なるのですが、1960年代から80年代初めにかけて、昭和35年から55年までの20年間が昭和歌謡黄金時代です。3つの番組のどれもがその時代に焦点を当てていましたね。では、なぜこの時代が黄金時代であったかについては、番組を観ながら話を進めていきたいと思います。

路傍  今回は、3月28日にテレビ東京で放映された『名曲ベストヒット歌謡』です。では、ビデオの再生ボタンをオ〜ン!
前回の対談でのテレビ朝日系『帰ってきた昭和の名曲』は、すべて往年の歌謡界で活躍してきた歌手のナマ出演による歌唱だけだったのですが、この『名曲ベストヒット歌謡』の趣向が興味深くて、1960年代の昭和35年から44年までの各年間ごとのベスト5を秘蔵映像あり、ナマ出演による歌唱ありで綴っていくという、これまた見応えがありますね〜。
夜明け 昭和35年からスタートですね。5位が三橋美智也「達者でナ」、4位が松尾和子「再会」。でも、この映像はいずれもヒットした当時の映像ではないですね。生前のずっと後年にテレビ東京の特番に出演したときのものですね。できれば当時の映像を観たいんですけど。
路傍  いや〜、あの時代とんでもなく高コストだったVTRは、その頃は消去して使い回していたらしいですから、ほとんど残していないのが常みたいですよ。というよりも、テレビ東京の前身”東京12チャンネル”自体の開局が昭和39年でした(笑)。
夜明け でも出ましたよおおお、お宝映像が!!西田佐知子「アカシアの雨がやむとき」です。この曲が昭和35年の1位ですか。絵はモノクロですが、洋風の部屋でソファの上で膝を抱えて歌うその姿も若くて、まだ初々しさが残ってますねー。この人って今でも意外と人気あるんですよ。アンニュイで退廃的な香りがあって不思議な魅力を感じさせます。日活の映画にも歌と同じ題名の浅丘ルリ子主演『アカシアの雨がやむとき』がありましたね。
路傍  これは映像協力スポニチクリエイツとなっていたので、芸能ニュースで使われた映像かもしれません。当時は、今でいうビデオ・クリップをニュース映像として作って映画館などで多く流していたみたいです。
さて、続く昭和36年ですが、5位の五月みどり「おひまなら来てね」から始まって1位がフランク永井「君恋し」です。フランク永井のムード歌謡の世界こそ、高度経済成長期の時代の雰囲気を象徴してますね。
夜明け 個人的な体験では、番組では2位の坂本九「上を向いて歩こう」こそが一番ですね。当時の子供たちにとっては、学校など至る所で歌った思い出深さではトップじゃないですかね。それと水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」。水前寺清子は演歌ならぬ”援歌”なんていってましたけど、この番組には出ないの?
路傍  昭和37年は5位のハナ肇とクレージー・キャッツ「ハイそれまでョ」から1位は村田英雄「王将」です。拙の好みとしては、橋幸夫・吉永小百合「いつでも夢を」倍賞千恵子「下町の太陽」ですね。倍賞千恵子主演の『下町の太陽』の映像には新鮮な驚きがありました。この映画、『男はつらいよ』の山田洋次監督なんですよ。ここでの倍賞千恵子のみずみずしくも清純なイメージが、その後の『男はつらいよ』での寅さんの妹さくら役に受け継がれるのかななんて思っちゃいました。
昭和38年は5位の三波春夫「東京五輪音頭」から1位の舟木一夫「高校三年生」まで。
村田英雄三波春夫春日八郎三橋美智也は、70年代以降の映像でしたけど、ここでまとめて紹介されます。考えてもみればもう全員故人なんですよね〜。春日八郎三橋美智也のふたりは、拙が生まれる以前に全盛期を迎えていましたから思い入れもないですけど、村田英雄三波春夫は印象深いです。三波春夫というと思い出すのが、かつて三波春夫の御殿があった所。拙が高校時代に、御殿の前の道路通称”チャンチキ通り”をよく通ったんですよ。
夜明け なに、それだけの話?も〜、つまんないことで字数を稼がないでよ。三波春夫はいいんですけど、ここまで観ていてスパーク3人娘が出てこないのはどーゆーことなんですか?カバー・ポップスの全盛期でもあったはずなんです、この頃は!
路傍  ここではもう一方の男性アイドル三田明舟木一夫の青春歌謡に焦点を当てたということなんでしょうね。三田明は今も現役のようですが、この人は年をとりませんね〜。あの初々しい笑顔に若い頃の面影が残っているというのは驚異ですね。
そして、ここから急ピッチで飛ばしていきます。昭和39年といえば東京オリンピックの年です。5位の越路吹雪「サン・トワ・マミー」から1位の青山和子「愛と死をみつめて」。昭和40年が5位の日野てる子「夏の日の想い出」から1位の美空ひばり「柔」。昭和41年が5位の加山雄三「君といつまでも」から1位の園まり「夢は夜ひらく」です。
夜明け ええーっ!?なんで園まり「夢は夜ひらく」なの?「夢は夜ひらく」は、当時緑川アコやバーブ佐竹なんかも競作で歌っていて、確かにこの年で一番ヒットしたのは園まりらしいんですが、この選曲はどーにも腑に落ちない。
路傍  そりゃ、あんたの勝手な思い込みでしょ。当時の園まりのイメージからいえば、伊東ゆかり、中尾ミエとのスパーク3人娘なのでしょうけど、この人本来の持ち味からすれば「夢は夜ひらく」が妥当じゃないの?園まりは別の番組で言ってたけど、3人娘で歌謡ポップスを歌うのは苦痛だったらしいよ(笑)。
拙は、マヒナ・スターズがナマ出演で歌った「ウナ・セラ・ディ東京」がよかったね。できれば、ここでザ・ピーナッツにもこの曲を歌ってほしかったけど。そういえば、そのザ・ピーナッツも紹介されないんだよな〜。
夜明け 竹越ひろ子がナマ出演で「東京流れもの」を歌って、やっぱりこのカラーはテレビ東京だね。この人常連だもんね。ここでわかったよ。この特番のターゲットは、当時すでに成人になって歌謡曲を聴いてた人たち。今の60代以上の高齢者じゃないのですか?団塊世代だったら竹越ひろ子よりもグループ・サウンズじゃないの。でもって、なんで加山雄三が5位なんだよ、怒るよ!
路傍 まあまあ(笑)。昭和42年は5位の森山良子「この広い野原いっぱい」から1位の石原裕次郎「夜霧よ今夜も有難う」。昭和43年が5位の鶴岡雅義と東京ロマンチカ「小樽のひとよ」から1位の千昌夫「星影のワルツ」。ラストの昭和49年が5位の箱崎晋一郎「熱海の夜」から1位のいしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」でした。
まあ、いろいろとご不満もおありでしょうが(笑)。元祖3人娘の美空ひばり江利チエミ雪村いづみのエピソードなんかは胸が締めつけられて、ナマ出演して故人のふたりを偲んで語り、歌う雪村いづみには感動しました。
新宿そだち夜明け ナマ出演した津山洋子大木英夫「新宿そだち」は、TV東京ではお約束みたいな感じがしました。この曲は好きなんですが、ちょっと興醒めかな。でも、逆にいえば今となっては他局では見られない顔触れかもしれないということで(笑)。
番組のコメンテーターとして出演した松方弘樹が亡き水原弘の面影を胸に歌う水原弘「君こそわが命」というのはどうよ〜。
路傍  ノーコメント(笑)。でも、松方弘樹の「水原弘は”不良性感度”が強くてタマランのですよ!」という言葉には笑いましたけど。それよりか、43年で湯原昌幸がナマ出演で歌った「雨のバラード」の方が10倍よかったけどね。素晴らしい歌手です。あと、デビュー当時のモノクロ映像のピンキーとキラーズ「恋の季節」はレアでしたね。これも映像協力スポニチクリエイツとなっていました。しかし、43年44年という歌謡界の最重要期からのナマ出演が、先の湯原昌幸と44年のビリー・バンバンだけというのは寂しすぎる!そんなので、この時代が黄金時代だったということについてはどうですか?
雨のバラード夜明け やめた!!(笑)今回の特番の内容だけではそのことは語りきれませんね。その話は、次回『にっぽん歌謡50年全史』を観ての対談のときに譲ります。とかいってたら、番組も最後の曲、いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」の映像が流れてきました。あれ?これはNHK提供の48年紅白歌合戦の映像からですね。できれば、紅白初出演の44年の映像から使ってほしかったな〜。なんだよ!詰めが甘いよ!!
路傍  NHKが許可しなかったんじゃないの?(笑)ということで、最後も不満で締めくくらせていただきました。
うー、長かった(疲)。次回はさらに番組の内容が濃いです。お楽しみに〜。
 
3月28日テレビ東京系『名曲ベストヒット歌謡』(3時間番組)
 
演奏曲目(青字は秘蔵映像赤字は番組出演 放映順)
三橋美智也 「達者でナ」
松尾和子 「再会」
美空ひばり 「哀愁波止場」

マヒナ・スターズ 「お百度こいさん」
西田佐知子 「アカシアの雨がやむとき」
五月みどり 「おひまなら来てね」
スリー・グレイセス 「山のロザリア」
島倉千代子 「恋しているんだもん」
坂本九 「上を向いて歩こう」(曲紹介のみ)
フランク永井 「君恋し」
ハナ肇とクレージー・キャッツ 「ハイそれまでョ」(曲紹介のみ)
北原謙二 「若いふたり」
橋幸夫・吉永小百合 「いつでも夢を」(曲紹介のみ)
倍賞千恵子 「下町の太陽」
村田英雄 「王将」
三波春夫 「東京五輪音頭」
春日八郎 「長崎の女」
村田英雄 「皆の衆」
三橋美智也 「リンゴ村から」
三田明 「美しい十代」
三沢あけみ 「島のブルース」

舟木一夫 「高校三年生」
越路吹雪 「サン・トワ・マミー」(曲紹介のみ)
都はるみ 「アンコ椿は恋の花」(曲紹介のみ)
マヒナ・スターズ 「ウナ・セラ・ディ東京」
井沢八郎 「ああ上野駅」
青山和子 「愛と死をみつめて」
日野てる子 「夏の日の想い出」(曲紹介のみ)
竹越ひろ子 「東京流れもの」
山田太郎 「新聞少年」(曲紹介のみ)
ペギー葉山 「学生時代」
美空ひばり 「柔」
加山雄三 「君といつまでも」
バーブ佐竹 「ネオン川」(曲紹介のみ)
黒沢明とロス・プリモス 「ラブユー東京」(曲紹介のみ)
青江三奈 「恍惚のブルース」
園まり 「夢は夜ひらく」
江利チエミ 「さのさ」
雪村いづみ 「青いカナリヤ」「踊りあかそう」
美空ひばり 「悲しい酒」
森山良子 「この広い野原いっぱい」(曲紹介のみ)
津山洋子・大木英夫 「新宿そだち」
佐良直美 「世界は二人のために」(曲紹介のみ)
水原弘 「君こそわが命」(曲紹介のみ)
松方弘樹 「君こそわが命」
石原裕次郎 「夜霧よ今夜も有難う」
鶴岡雅義と東京ロマンチカ 「小樽のひとよ」(曲紹介のみ)
湯原昌幸 「雨のバラード」
黛ジュン 「天使の誘惑」(曲紹介のみ)
ピンキーとキラーズ 「恋の季節」
千昌夫 「星影のワルツ

箱崎晋一郎 「熱海の夜」(曲紹介のみ)
ビリー・バンバン 「白いブランコ」
奥村チヨ 「恋の奴隷」(曲紹介のみ)
内山田弘とクール・ファイブ 「長崎は今日も雨だった」
いしだあゆみ 「ブルー・ライト・ヨコハマ」

■TV特番篇2005年(索引)
 

mickbanzai at 01:37│Comments(0)TrackBack(0)

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