2005年11月12日

『歌伝説 ちあきなおみの世界』(11月6日NHK BS2)5

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音楽をジャンルで聴かなくなりました。
最近ではジャンルのイメージが
頭のなかで一緒くたになって、
もはや識別不能状態に陥ってます。
なので、ロックが歌謡曲に聴こえ、
歌謡曲はR&Bに聴こえて、
ジャズが演歌に聴こえます。

あ。今、笑いましたね。
でもこの聴き方こそ
音楽の本質を突いているかもしれませんよ(笑)。

拙が物心ついて音楽を意識して聴き始めた65年頃。
そのとき我が家にあったレコードは、
サトウハチロー叙情歌集、北原白秋童謡集、
ナット・キング・コール、パティ・ペイジ、
ビング・クロスビー、マイク真木など。
それらに混ざってショパンやベートーベンなど
クラシックのレコードも多数あって、
休日ともなるとそれらのレコードが
替わるがわるかけられていたことを思い出します。

考えてもみれば60年代当時、
リスナーに意識されていたジャンルは、
日本の流行歌・叙情歌・童謡、
海外のポップス、ジャズ、クラシックと
せいぜいそんなものだったのです。
拙が70年代に入って洋楽を聴き始めた中学生の頃、
ロックとポップスはどう違うのか?
なんて議論したことを覚えてますから、
その頃から拙も音楽にはジャンルという
細かな区分けがあるのを
意識しだすようになりました。

しかし、そもそも拙はひとつのジャンル、
特定のアーティストだけにのめり込むことが
苦手なんですね。
狭いところに閉じ込められているような感じがして
窒息しそうになります。
だから、常にさまざまな音楽に接することができるような
ニュートラルなところに身を置いて
音楽を楽しんできたのだと思います。

ちあきなおみ VIRTUAL CONCERT 2005 ハンブルグにて



ちあきなおみ
自身も
幼い頃から幅広い音楽に接してきたといいます。
ちあきなおみは一般的には
歌謡曲の歌手として認識されていますが、
決してひとつのジャンルに
こだわる人ではありませんでした。

そのときどきで適宜音楽の形式が選ばれて、
それがジャズであろうが演歌であろうが、
どこまでいってもちあきなおみとしか言い切れない
独自の表現方法で音楽を創り出します。
ちあきなおみの音楽にもし名称を付けるならば、
”劇場型ドラマチック・ミュージック”
とでもいえばいいでしょうか。

戦後の光と影 ちあきなおみ、瓦礫の中から

肉声が空気を震わせ、
言葉がメロディーに乗って流れ出します。
瞳は主人公の心の内面を映し、
指の仕草がドラマを創り出してゆきます。

ちあきなおみが表現する歌は、
そのひとつが畢生の業であるかの如く
全身全霊を傾けてうたわれ、
聴く者の心を揺さぶり胸を抉ります。

ちあきなおみ VIRTUAL CONCERT 2003 朝日のあたる家



「喝采」「紅とんぼ」「矢切の渡し」「朝日のあたる家」
「夜へ急ぐ人」

日本の音楽史に残る名唱・名演ぞろいに
多くの視聴者が度肝を抜かれました。
ちあきなおみのファンサイト「ちあきの部屋」のBBSでは、
番組に直接関わった制作会社の社長までもが
書き込みに参加して、
その尋常ではない盛り上がりに湧いています。
まさに”ちあきフィーバー”状態!!

番組の白眉は、「ねえあんた」
92年、芸能活動休止に入るその直前のパフォーマンス。
(夫であった俳優 郷治の死を境に
芸能界から姿を消して現在に至ります)
すべての音楽ファンが涙に咽ぶこと間違いなしの
歌に芝居までも織り込んだ
これぞ”ちあきワールド”全開の一大傑作です。

これ以上多くのことを書くのはやめます。
少しでも興味を持たれた方は
万難を排してでもご覧になられることをお薦めいたします。


NHK BS2『歌伝説 ちあきなおみの世界』(1時間30分番組)

◆演奏曲目

喝采 『第23回NHK紅白歌合戦』72年
――船村徹コメント――
紅とんぼ 『歌謡パレード』88年
雨に濡れた慕情
 (音声のみ)
――往年のインタビュー映像(ちあきなおみ、母 瀬川ヨシ子と一緒に)――
四つのお願い 『ふるさとの歌まつり』70年・『第21回NHK紅白歌合戦』70年
X+Y=LOVE 『ふるさとの歌まつり』72年
夜間飛行
 『第24回NHK紅白歌合戦』73年
かなしみ模様 『第25回NHK紅白歌合戦』74年
――梅沢富美男コメント――
矢切の渡し 『歌謡パレード』89年
――ちあきなおみ往年のインタビュー映像――
朝日のあたる家 (朝日放送の番組から)
夜へ急ぐ人
 『第28回NHK紅白歌合戦』78年
粋な別れ 『歌謡パレード』88年
星影の小径
 『歌謡パレード』88年
――ちあきなおみ往年のコメント音声――
港が見える丘 『加山雄三ショー』88年
帰れないんだよ
 『愉快にオンステージ』92年
――村松友みコメント――
ねえあんた 『愉快にオンステージ』92年
――ちあきなおみ往年のコメント音声――
それぞれのテーブル 音声のみ
霧笛 『加山雄三ショー』88年
かもめの街
 『加山雄三ショー』88年
紅とんぼ 『第39回NHK紅白歌合戦』88年
紅い花 『愉快にオンステージ』92年
黄昏のビギン 『愉快にオンステージ』92年
喝采 『愉快にオンステージ』92年
伝わりますか (エンディングロール)

※関連ページ
ちあきなおみ 四つのお願い
※関連リンク
TEA FOR ONE 歌伝説 ちあきなおみの世界

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mickbanzai at 02:20│Comments(10)TrackBack(1)

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1. ちあきなおみの映像、連続視聴/試聴  [ 25時間、ミュージック動画・連続視聴/試聴 ]   2008年01月02日 14:38
ちあきなおみの映像、連続視聴                            ちあきなおみの映像(2) =>           ・紅とんぼ           ...

この記事へのコメント

1. Posted by buddyberry   2005年11月12日 14:36
はじめまして。
ロックとポップスはかわらないというのが私の感じる所です。
どんなジャンルでも多くの人に好まれたものはポップスですから。

『ちあきなおみ』は、恥ずかしながら某物まねタレントのデフォルメされた物まねしか知りませんでしたが、
ある時テレビで彼女の事を取り扱ったのがありまして、歌っているのを観た時、
その凄さにぶったまげたことがありました。

残念ながら地上派しか観られないので、私は観られないのですが、是非地上波で再放送してほしいです。
2. Posted by たまち   2005年11月13日 19:52
ちあきなおみさんといえば、僕は
「喝采」のボーカルがやはり心に残ります。

これ以外の曲は記憶にないのですが、
僕が中学生の時に音楽好きの母親が購入したシングルを今も大切に手元にとってあります。
当時の記憶では歌謡番組のステージで華麗な衣装を身にまとったなおみさんが、ステージの階段の途中?で情感がたっぷりに唄っていた記憶があり、
路傍の石さんのおっしゃる、「全身全霊を傾けてうたわれ、聴く者の心を揺さぶり胸を抉ります。」
という表現はニュアンスがよくわかります。
先ほど久しぶりにレコードを聴いてみました^^
3. Posted by mickmac   2005年11月14日 00:29
ちあき版『東京砂漠』が流れる夜です(笑)。
コメントが遅くなりました。

ちあきなおみさんの歌唱が、路傍の石さんが書かれたように全身全霊を傾けて唄う先には、必ずいつも最愛の郷さんがいたのでしょう。
ちあきさんの一番のパートナーだった郷さんは、音楽のプロデュース以上に、最高の観客だったと思います。その彼がいない以上、もう彼女が魂を込めて唄う歌はないとさえ思えます。
だから、現在の昭和歌番組への安易なゲストなどはもってのほかです。
この番組を見て、ますますその思いは強くなってきました。

山口百恵とちあきなおみのふたりには、復帰して欲しくない、かな………。
完結しているのです。このまま静かにしておきたい存在です。

最後になりましたが、関連リンクをありがとうございました。
4. Posted by テキサス野郎   2005年11月17日 20:53
結局、歌手として「喝采」という曲に呪われてしまったんじゃないかと思う。
美空ひばりが「悲しい酒」を歌う前に亡き父親の話をするような風には、歌手として人間として生きたくないんだろうなと思いますね。 
5. Posted by kumiko   2007年03月25日 21:38
路傍の石さん
こんばんは、kumikoです。
YOU TUBEでニーナ・シモンの「朝日のあたる家」を探していたら、
ちあきなおみの映像を見つけて、ぶっ飛びました。
テレビ東京で放送されたものみたいですが、
路傍の石さんがご覧になった映像と同じですか?
素晴らしいですね。
6. Posted by 路傍の石   2007年03月26日 00:14
5 kumikoさん、こんばんは。
> YOU TUBEでニーナ・シモンの「朝日のあたる家」を探していたら、
ちあきなおみの映像を見つけて、ぶっ飛びました。
テレビ東京で放送されたものみたいですが、

YouTubeの方は観てないんで分かりませんが、恐らくテレビ東京の誰ピカで放映されたものをどなたかがエントリーしたのでしょう。ちあきの記事をアップするつもりで書きかけてたんですけど、先月のPCトラブルでそのままになってました(笑)。それもそうですが、ニーナ・シモンなんて、素晴らしいじゃないですかー。そっちも興味ありです!
7. Posted by kumiko   2007年03月27日 23:46
路傍の石さん、こんばんは。
路傍の石さんがおっしゃるとおり誰ピカの映像でした〜
ニーナ・シモンは尾崎紀世彦関連で調べていましたが、
彼女はアニマルズも真っ青の貫禄ですね。
8. Posted by 路傍の石   2007年03月29日 01:05
5 kumikoさん、再びどうもです。
> 路傍の石さんがおっしゃるとおり誰ピカの映像でした〜

やはりそうでしたか。

> ニーナ・シモンは尾崎紀世彦関連で調べていましたが、
> 彼女はアニマルズも真っ青の貫禄ですね。

ニーナ・シモンはジャズ・シンガーだとばかり思ってたんですけど、元はクラシック・ピアニスト志願でジュリアード音楽院に学んだそうです。そこからシンガーへの転身。尾崎紀世彦のフェイバリットだけあって素晴らしい人ですね。
9. Posted by ちあきマニア   2007年12月02日 07:52
5 私が初めてちあきさんの歌を聴いたのが、10歳の時、それからもう40年経つわけで、雨に濡れた慕情以来マニアと化して、親からはひっぱたかれ、友人からは、(皆さんアイドルのファン)誹謗され、それでも良いものは良いと毅然と過ごしてきました。喝采、夜間飛行、花吹雪、恋挽歌、最后の電話、マニキュアが渇くまで、恋した女、別れたあとで、好きなオリジナルも多いですが、ファドが叉素晴らしいです!ねえあんたは、中村雅俊と競演したテレビ番組で見た覚えがありますが、あの名曲を歌い継ぐ人誰かいるんでしょうか?どうしても思い付きません。ひばりの歌は天童が居ますが、ちあきは誰にも歌えないですね!
10. Posted by 路傍の石   2007年12月02日 13:30
5 ちあきマニアさん、いらっしゃいませ。はじめまして!
> 私が初めてちあきさんの歌を聴いたのが、10歳の時、それからもう40年経つわけで、

拙と似たような経緯でちあきワールドに入られたんですね。素晴らしいです。

> 好きなオリジナルも多いですが、ファドが叉素晴らしいです!

うん。うん。ちあきなおみがビクター時代に吹き込んだファドのカバー曲も本当に感動的ですよね。軽やかでいながら胸の奥までスーッと沁み込んでくるものがあって、おっしゃるとおりちあきさんの創り上げた世界を受け継ぐシンガーが見当たらないのが不思議なくらいです。それだけ不世出のアーティストであったということなんでしょうね。

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