2008年02月09日
モリのアサガオ 7巻
「モリのアサガオ」最終巻。主人公と同年齢の死刑囚、渡瀬満の秘密が明らかにされる。渡瀬は両親を殺され、自分も傷つけられて野球ができなくなる。10年後に仇討ちを果たしたあと1年の放浪の後に出頭し逮捕される。復讐を果たすときに相手に抱かれていた子どもを偶然殺してしまうのだが、子どもの存在を知っていて殺したと嘘の証言をして死刑の判決を受ける。
なぜ渡瀬は嘘の証言をして死刑を受け入れたのか、その謎がついに明らかにされる。渡瀬は復讐の連鎖を立つため(自分の妹を復讐から守るため)死刑を受け入れたのである。
そして4年後、主人公の手によって、絞首刑が執行されてしまう。
この作品はなんとも不条理で矛盾に満ちた死刑制度の問題点に深く迫った作品である。果たして、国家の名のもとに人間が人間を殺すなどということが許されるのだろうか。しかし、被害者の家族のどうしようもない感情はどうなる。昔あった「仇討ち」を許さないためにも国家による合法的な復讐であり、仇討ちの代行である死刑は必要悪なのであろうか。
たくさんの解決できない問題を提起し考えさせる。
筆者の立場としては、誘導尋問や自白強要などの権力によって作られた冤罪の多さを考え、国家による犯罪を許さないという観点からも、死刑は廃止すべきであると思う。再審制度を充実させたうえで、死刑に代わる究極の極刑としての本当の意味の「無期懲役」の導入がのぞまれる。
モリのアサガオ 7―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (7) (アクションコミックス)