2006/5/26〜28 OSKカルチェラタン世界館(大阪・弁天町)

[スタッフ]
演出・振付:芹まちか/脚本:Akihito/音楽:北野隆/声楽指導:立木直子/照明:彭匡信/音響:福岡浩一郎

[キャスト]
エドアルド:貴城優希/ニック:爽加凛/エレン:朝香櫻子
アン:春咲巴香/ジュリア:牧名ことり/マリア:珂逢こころ/ネルソン:桂稀けいと


newOSK日本歌劇団が自前劇場“カルチェラタン世界舘”で行なう定期公演。
毎月、全体公演とは趣を変えて上演されています。
5月公演は、貴城・爽加、初主演作品。

最終日の5月28日、12:00 、14:00、17:00を3回続けて観ました。
ネタバレ…、というか独断&妄想テンコ盛りです。
(^^;

[追記]
勢い込んで書いたら長文になり過ぎ、サイズが大きく携帯から読めないので、1・2で分けました。
プエルトリコ人の幼馴染、エドアルド(エド)とニックは、酒場でダンサーのバイトをしながらブロードウエィの舞台を目指していた。

チャンスを積み上げ、ついに二人が主演をつとめる舞台初日。
オープニングシーンを終えて客席から送られる喝采を聞きながら、夢の実現に確信を抱いて喜びを噛み締めるエド、ニック、そして彼らのマネージャー、アンの3人。
しかし、次の場面に登場したエドとニックに、客席からは打って変わって怒声とヤジが浴びせ掛けられる。
止む無くステージは途中々断。
驚き困惑し戸惑う3人エド、ニック、アンの前に現れたのは、彼らを見出し支援してきた興行主ネルソンと妻エレンだった。

ネルソンは、言い放つ。
「エド!お前が立つステージは今後も絶対に潰してみせる!!」と。

彼の妻エレンとエドは、愛し合っていた。
彼らの裏切りを知り激怒したネルソンが、ステージを妨害したのだ。
ネルソンは更にエドを追い詰める。
「お前が、ブロードウエィを去り、二度とエレンの前に姿を見せないと誓うなら、エレンには今迄どおりの豊かな暮らしを保証しよう。
もちろん、お前は承諾するだろうな!」

ニックが抗議の言葉をはさむ余地も許さず詰め寄るネルソンに、エドは申し出を受け入れることを誓うのだった。


エドとエレンの出会いは、エドとニックが踊る酒場にネルソン夫妻がやってきた時だった。
エドの踊りを気に入ったネルソンは、自分にプロデュースを任せないかと申し入れる。
ネルソン氏から渡された名刺を喜びと興奮で受け取るエド。
仕事へ戻るネルソンは、優しくエレンに声をかける。
「お前は、ゆっくりしていきなさい。
帰る時には、車を呼ぶのだよ。では、後で」

ネルソンを見送るエレン。
二人の様子は中睦まじい夫婦そのものだ…。

しかし、店に残ったエレンは、エドとダンサー仲間のマリアの交わすあけすけだが自由なやりとりを目にして呟く。
「素敵ね。羨ましいわ…。」

名門貴族に生まれたエレン。
両親の口癖(くちぐせ)は、「貴族が働くなど、はしたない!」。
しかし、それは時代に逆行する生き方。
当然ながら生活は困窮していった。
そんな時、彼女を見初めたネルソン氏からの結婚の申し出を、両親は快諾する。
彼女が気付いた時、結婚式の日取りは既に決まっていた。
売り払ったはずの装飾品や美術品を買い戻した両親。
裕福で満ち足りて何不自由無い暮らしを保証してくれる伴侶を得た娘、そしてそんな親族を持った自分達。
エレンの両親は、何の迷いも無く娘に言うのだった。
「エレン、お前は幸せだね」と。
エレンは、自らで何かを選び取るという生き方を、した事が無かったのだ。

エレンの話しを聞き、必死に慰めようとするうちに愛おしさを感じるエド。
エドの情熱的なダンスに魅了され、粗野だが一本木な人柄に心惹かれるエレン。
そして二人は、恋に落ちてしまったのだ…。


最後のショーまで含めて1時間の上演時間。
物語はアッという間に展開していきます。
でも、その展開の中で、夫々が抱える苦悩、怒り、迷い、希望が、キラキラと輝いていました。
セリフの行間から、観る側が想いを広げられる物語。
私が観たのは最終日ということもあって、公演を重ねる中で熟成された舞台を観ることが出来ました!


・春咲巴香@アン
アンは真面目で熱心なマネージャーだったと思います。
だから、エドが行方をくらます迄は、等しく二人をフォローしていたはずです。
もしかしたら、不器用この上無いエドのことが、チョッと気になっていてたかもしれません。
でも、エドは行方不明…。
残されたニックと一緒にエドを捜すうち、次第にニックの優しさや存在に惹かれていったのではないでしょうか?
春咲@アンは、そんなサイドストーリーを思い描かせてくれました。

春咲さんも身体能力の高さを見せつけるダンサーです。
フィナーレショーの“ボレロ”で、その一端を見ることができました。


・牧名ことり@ジュリア
褐色の肌、大きな瞳。
でも、はしかの後遺症で盲目となった可憐で健気な兄想いの少女。
芯の強さも感じられる役作りです。
大貴さんとの二人芝居「ホフマン」、「サンライズ」“ジャズマンの夢”と、経験を積み上げて美しい実力派娘役への進化を続ける人です。


・珂逢こころ@マリア
エクボがキュートな笑顔、しなやかなダンス。
幼さもありながら、不思議な色気を出す女役さんです。
酒場のダンサー“マリア”は、貴城@エドアルドと組んで堂々としたスパニッシュダンサー振りを披露しました。
その後の場面で、エドに頼まれエレンの飲み物を出すシーンでは、毎回アドリブを織り交ぜて、ナチュラルでチカラの抜けた芝居の達者ぶりに、舌を巻きました。
本当に自然。
ダンサー仲間としての気の置けない感じ、あけすけな感じがキッチリ表現できていました。
豊かなダンス表現は、演技力とも無縁では無いなぁと得心しました。

一方、ネルソン家の召使役では、わずかな出番ながら鬘を変えキャラを変えて楽しませてくれました。
オチャメな人でもあります♪


・桂稀けいと@ネルソン
貫禄でした!
朝香、貴城、爽加という上級生に伍して一歩も引くことなく、やり手興行主としての貫禄が、キチンと伝わってきました。
エドの舞台を妨害したのも、エレンを愛していればこそ。
エレンと結婚したのも、豊かな暮らしを与えられることが愛情表現と信じてのこと。
“ネルソン”という人物像が的確に見えていました!


※以下、[2]へ続きます。

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