毛沢東の再評価といってもマイナスの再評価がされているらしい。これは中国共産党にとっていいことだと思う。

毛沢東の生前は当然、神格化されていたし死後もなかなか手をつけるのが難しかった。

文芸春秋の周恩来は毛沢東に殺されたという記事はおそらく最近発刊された周恩来秘録の内容に沿ったものだと思われます。

日中国交回復で周恩来は日本への損害賠償を放棄しますが理由は軍部の負うべき賠償を既に軍を持たない日本人民に課すことは出来ないという人道的なものでした。

しかし、この時期既に周恩来は膀胱ガンを発病しており、この事実を周恩来に隠しながら治療も禁じたのが毛沢東でした。注目すべきは一個人の意見ではなく中国共産党もこの事実を認めている点です。(一応、毛沢東の処置に対し取って付けたような弁明はしていますが。)

中国政治家の海外のプラス評価は周恩来外交にのみ集中しています。

中国共産党が中国本土で対日本、対国民党に勝ち得たのは卓越した毛沢東の指導力であったでしょうが実際は指導力より支配力が正しいでしょう。

もし周恩来がトップであれば中国は世界で唯一評価されている共産主義の指導者であるベトナムのホーチミンに匹敵したかもしれません。

しかし、毛沢東がナンバーワンであったことが中国最大の悲劇であったことは間違いありません。

大躍進政策で餓死した人を含めると毛沢東が殺した中国人民は6000万人と言われています。この数字はアドルフ・ヒトラーの2400万人を遥かに越えています。世界の3大殺戮者のトップとして毛沢東、スターリン、ヒトラーと並べられたことで毛沢東の政策は更に現実離れしていきます。

大躍進政策は政策のミスであり殺戮とは言えないという意見がありますが1949〜1955年に処刑した人数が83万人もいるので事実上殺戮に近いものがあります。この人数は周恩来の公式発表なので正確なものですがわずか6年の間にこのような大量処刑をしたならその反革命の罪の厳密な審理は不可能でしょうし、役に立たない粗悪な鉄を製造する為、鉄製の農具を溶かしてしまう大躍進政策に異を唱えれば厳密に審理を行なわずに処刑される可能性があることは明らかです。ちなみに処刑された人は強制収容所に送られた人などは含んでいません。捕らえられた人の合計は500万人近くです。

どんな農民でも農具を失えば飢えることは分かると思います。それでも農具を差し出さざるを得ない大躍進政策がその直前に行なわれた83万人の処刑の恐怖の上で実行されたなら事実上殺戮に等しいと思います。農民達は自分が飢え死にすることを知りながら恐怖で抵抗できなかったわけです。

毛沢東は中国共産党の有能な幹部を処刑していきます。それらを見ると毛沢東の才能は人を支配する能力であり中国人民を幸せにする能力は無かったように思えます。

既に国歌では毛沢東を褒め称える内容はなくなったようです。

平等をうたいながら事実上トップの意向で他の人間を塵芥のように処刑できる不幸な歴史に中国は決別できるでしょうか?

ホーチミンは自分を神格化することは絶対に許さなかったそうです。優越的に人を裁けばどうなるか知っていたのでしょう。彼は自分の業績を誉めることもしなかったため彼の業績を知ることは困難です。いかに得がたい指導者であったかわかります。全ての人民がホーおじさんと親しみを込めて呼んでいたようです。