ばらいろ通信(改 ミニョン堂通信)

長い白猫と着物好きイラストレーターのまいにち

February 2016


ハガキ
ホーチミンでの1コマ

昨日は久々のweb shopオープンに本当にたくさんお越し下さってありがとうございます。
草履、半幅帯、名古屋帯、『楽園』半衿は完売致しました

今回『旅する草履』を販売するのが実はものすごく不安で「こんなにバキバキに己の好みで作ってしまった履き物を果たしてみなさん素敵と思ってくださるかしら?価格も考えずに作ったので普段より価格も上がってしもた...あわわ」となっておりオープンするまで心臓バクバクでした。オープンしてからもドキドキしておりshopから離れてコタツの中でジッとしていたらCHOKOから「草履完売おめでとう!」とLINEが来て飛び上がる程喜びました。どんだけ小心者なんだよ...

昨日ツイッターで突然熱っぽく語ってしまいましたが、私は本当に職人さんの手仕事が好きで小さな小さな心配りや可愛らしい細工に夢中になってしまい家には他人から見ればわけのわからない人形やらなんやらが大量にあるのですがとにかくそういう手仕事が大好物なのです。

モノが安く売られる今の時代はそういう手仕事は高価なものになりどんどん廃れて行っています。私もファストファッションを着るし、安くて便利なものを買っています。流行に合わせて手軽に買って1シーズンだけ身につけるものもあるし。でもそれもすごく好きな行為なんですよね。流行に乗るのは楽しいし。だからそれはそれで楽しんで、年に数回は「ヨシ!」と思ってちょっと良いものを買うようにしています。それは靴だったりバッグだったり着物だったり...特に着物は年齢の向上もございまして以前みたいに「着たい」という鼻息の荒さだけで寸足らずの着物をきることは出来なくなってしまい、この数年は今までの着物を手放して新しく追加する作業をしています。なので若い人達よ!「これだ!」と思った着物は寸足らずでもガンガン着ればいいと思います。だって若さは全てをカバーしてくれるから!現在なにもカバーしてくれません!荒野に全裸です!

話それた!
とにかく私は職人の手仕事が好きでこれからも私なりのやり方で職人さんとお仕事を続けて行きたいと思っています。嬉しい事に和装は職人さんとの繋がりが多い世界です。着物を着始めて色々な職人さんと出会いました。みなさんとっつきはあまり良く無いけど個性的でヘンテコで楽しい方々ばかりで仕事に誇りとプライドを持っていてとてもかっこいい。私の憧れです。

『ばらいろ』と屋号を変えて心機一転進んで行こうと思っている2016年。これからはそういう職人さんと共に作った「ちょっと特別な商品」も企画していこうと思っています。代々受け継がれた技と私の妄想をミックスした私にしか作れない長い歴史のもの。いつか未来のアンティークになれるようなもの。今回の『旅する草履』はそんな思いの第一弾商品となりました。本当にありがとうございました。

そしてもう1つ職人技の商品があるのです!それはモダンアンテナに制作してもらった『猫町』正絹名古屋帯。モダンアンテナの2人はデザイナーなんだけど地紋や細かな色のこだわり、それを作る姿勢は職人!安心して任せられる頼もしい人達。もちろん生み出すものも大好き。『猫町』正絹名古屋帯は本当に自信を持って送り出せる商品です。


もちろん他の商品も心を込めて作りました。ポリエステル素材の帯や半衿、帯揚げは今の時代本当に便利。汚れたら軽く拭けばいいしお洗濯もラクチン(帯は無理ですが)雨に降られても大慌てしなくていい。価格もお手頃。

私はミーハーなのでポリエステルも正絹も好きなんです。どっちが素晴らしいかはそれぞれ気ままに決めれば良いし、なにより纏う事を楽しめればそれが1番と思っています。なのでこれからも気軽なものとマニアックなもの両方作り続けて行きたいと思います

なんか暑苦しく長文になってしまいましたが。

私しか作れないものを作れるように精進しますのでこれからも『ばらいろ』をどうぞよろしくお願いします。


Thanksxxx
ばらいろ店主
ハセガワ・アヤ


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続けて書きますよ!いきますよ!

前回は仕様のお話でしたが今回はデザインについて。
『旅する草履』と名付けて今まで行った都市ならどこに着物を着て行きたいかな...と妄想しました。もちろん大好きだけど着物じゃないよねって国も。例えばタイとかハワイとかバリは簡単なワンピースやTシャツの方が過ごしやすい。など踏まえて頭に浮かんだ国は...

1番好きな国ニューヨーク
2番目に好きなパリ
思い出深かったアムステルダム
色合いが可愛かったホーチミン

この4都市に絞り込んであれこれ構想。4足のお気に入りができました
s全員上から

まずニューヨーク
スタイリッシュな街。降り立った時の興奮は忘れられない。最初に思ったことは「メ...メグ・ライアン...」でした。もちろん会える訳も無く。ニューヨークは不思議な縁がある街。元々全く興味がなかったのですが仕事で行く事になりニューヨークでホームスティをすることに。翌年友達のお兄さんがニューヨークに転勤になったのでこれ幸いとまた行く事に。数年後1通のメールからお仕事をいただき1ヶ月暮らす事に。その翌年仕事の成果を見に再びニューヨークへ。

いつ行っても刺激的でワクワクする大好きな街
カラーリングもスタイリッシュにしました。
sニューヨーク横から
鼻緒と台は思い切って同じ色目にして先ツボがグンと目立つデザインに。これ白足袋履いたら絶対素敵だぜ!
sニューヨークとアムステルダム
巻きはレッド、グレー、グリーンの3色。巻きの方向を左右で揃えているので右左逆に履くと表情が2パターン楽しめます。まずレッドがメインになるこちらと
sニューヨーク横1
グリーンがメインになるこちら
sニューヨーク横2
左右入れ替えるだけで雰囲気がグッと変わります。こちらはよりクールな印象に。
踵はこんな感じ。このビロードを綺麗に合わせるのも職人技!
sニューヨークかかと


続きましてパリ!
パリも降り立った時興奮したーーーーーーー金色の洪水!色彩の国。パリはシャビーシックな国と思っていたのでその色鮮やかな色彩感覚にガツンとヤラれて私の色の使い方もだいぶん変わりました。あまりの興奮に『ドギマギ★パリ』というイラストエッセイを出していただいたり。「サクレクール寺院」の美しさに号泣したりハンサムなパリジャンに追っかけられたり(なぜかこの大根の神様みたいな私がパリではモテた)ドタバタしましたが次どこの国に行く?と問われたら「やっぱり...パリかな?」とアンニュイに答える用意はいつでも出来ています。そんなパリはピンク!sパリ横から
オペラピンクの鼻緒にラベンダーの先ツボ。巻きはボルドー、グレイッシュベージュ、ラベンダー、洒落てるぜボンボヤージュ!

こちらも左右変えて楽しめます。ラベンダーメインで甘い印象
sパチ横1
ボルドーメインで大人の女
sパリ横2
sパリかかと
sパリ先ツボ
かわいい...


どんどん行きましょう!
次はパリから電車に乗ってアムステルダムへ!
大好きなイラストレーター「フィープ・ヴェステンドルプ」を訪ねる旅。フィープさんの手がけたキャラクターが所狭しと並ぶスーパーマーケットHEMAで興奮し過ぎて倒れそうになりました。画集を鬼買いしました。アムステルダムそのものは雑多なんだけどピクトグラムがいちいちオシャレで可愛い不思議な街でした。そんなアムステルダムは赤い鼻緒で
sアムステルダム先ツボ
sアムス横から
先ツボはブルーで。これまたオランダの大好きなイラストレーター「ディック・ブルーナ」のキッパリとした配色を意識して。巻きはレッド、グレー、ネイビー。

ネイビーメイン。アムステルダムの印象ってなぜかこんなカラーリングなんです。なぜでしょう。(なぜでしょうと言われても困りますよねすんません)
sアムス横2
左右を変えるとレッドメインに
sアムウ横1
可愛い。ベタベタした可愛さじゃなくてどこかスマートな可愛さ。私が感じたアムステルダム
sアムステルダムかかと



ラストはホーチミン
ベトナムの色は甘い色。ベトナムのお母さん達が着ている上下お揃いのパジャマみたいなお洋服が全部甘い色だったのが印象深いです。(可愛いので家の婆ちゃんにお土産に買って帰ったら「派手過ぎて着れん」とキッパリ却下された苦々しい思い出も。NOと言える日本人め!)街並はフランスの領土の名残が残るカラーリング。甘くてスモーキーなホーチミン。
sホーチミン横から
ピンクベージュの曖昧な色と先ツボの青味がかったグリーンがとても好きです。
巻きはピンクベージュ、チョコレート、ブルーグレーの3色

「野菜めっちゃ食べるよねベトナム」の思いも込めてのグリーン(笑)
ピンクメインで甘く女らしく。
sホーチミン横2
チョコレートメインでちょっと甘さを控えめに。でもこのお草履は甘く履いて欲しい!
sホーチミン横1
sホーチミンかかと
そうです。アポロチョコです。甘くてぼんやりした不思議なホーチミン。

sすらり反対側
s前から
s全部かかと

ずらり揃いました

s横っ面
ああかわいい!!!自分で作っておいて可愛いです。かなりこだわって作ったので今回はちょっとお値段がいつもよりアップしてしまいましたが損はさせません。職人の技がビシバシに入った宝物みたいな履き物になりました


あなたはどこに旅に出ますか?
本日夜9時出発しまっせ
s旅する草履メイン


webshop ばらいろ
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s旅する草履メイン

お久しぶりです
というか今年最初のブログですあけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします

1月が怒濤の速さで過ぎ去って行き、残ったのは激しい老いでした。そんな伊勢丹でのあれこれも書こうと思っていたのに延び延びになってしまい...

突然ではありますが
本日8日夜9時よりwebshop商品追加します
現在SOLD OUT表記になっているものを投入しますのでよろしければご覧下さいね!

そして久しぶりに履き物も登場します
その名も『旅する草履』
21歳でフリーのイラストレーターになった時の自分の目標が『年に1度は海外旅行に行くくらい稼ぐ』だったので毎年資金を調達し色んな国に行きました。そのうち仕事でも何カ国か行かせていただいたり...(曙関のお母さんに会いに行くなど。なんだこの仕事)(その写真がこちらです)
sあけぼのん
私、人食いみたいなメイクやな...


旅はいつも私に新鮮な驚きと興奮と美味しい食べ物を与えてくれました。香港でぼったくられ、タイで水上に連れ去られかけ、ベトナムで腹を下し、パリでは腰痛で寝たきりになり、オランダでも腹を下し、ロスではホテルの前で銃声...
なにこれ...
旅はいつもズンドコと共にありました

着物を着るようになっていつか海外で着物を着てみたい!と思うものの目立つのがなんだかこっぱずかしくていつも洋服で行ってしまいます。そんな私が『もしもあの国に着物で旅に行くなら』という妄想で草履を誂えました。

アホな事を書き連ねていますが今回のお草履かなり手が込んでまして。何人もの素晴らしい職人さんの手仕事で作られています。デジタルプリントで着物の裾野はグッと広がったけれど私の根底にはいつも職人魂があります。それは父も母も職人だったからかもしれない。丁寧な手仕事を見るといてもたってもいられなくなります。そんな荒めの鼻息で完成したお草履です。

まず台の形ですが私は女らしい舟型小判が大好きなのでもちろんいつもこれ。そこに本天の鼻緒をすげてもらうのがいつもの感じなんですが今回はグレードアップ!

台の巻きの部分に「輪奈(わな)ビロード」を」ぐるりと施しました。
しかも元からボーダーに織ってある輪奈ビロードを!このボーダーのビロードを鼻緒職人さんから見せていただいた時は震えましたよ。なんという遊び心!「これこれこれで草履作りたい」と前のめりでオーダー。そこからあれこれ職人さんと配色を考えました。

輪奈ビロードと言うのは現在織り手がほとんどいなくなってしまった技術でして普段鼻緒でよく目にする本天は「切りビロード」と言います。私のつたない説明では恐らく全然伝わらないのでテキスタイルツリー編集部さんのブログをリンクさせていただきますね。今回の輪奈ビロードとこちらの会社は関係ありません!あくまでもビロードの知識としてリンクさせていただきますね
『輪奈ビロード』知ってすか?
こちらのブログはさすがプロ!布のことが満載で楽しいです。じっくり読み込みたい。

そんな輪奈ビロードを贅沢に使い、台の天(足の裏が触れる部分)は滑りにくく摩擦に強いスエードに。グンと歩きやすく。防汚れ加工、撥水加工も加えました。

本天の鼻緒は太めでしっかり足を支えてくれるので何時間でも履いていられます。足袋を入れると表情が変わるように先ツボも色を変えてみました。踵には滑りにくい本革を。

贅をつくしましたよ!!!ええ!!!


長くなるので1回区切りますね


次は履き物の全貌を!

s上から嵜ツボ

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