2005年11月13日

映画 「春の雪」

三島由紀夫の小説の映画化ということで、前から楽しみにしていました。私が観に行ったのは平日の朝だったせいか、入場者はそれほど多くなく、こんなにゆったり座って三島由紀夫の世界に浸れるなんて至福・・・!と思いながら、傍らにコーヒーを置いて開演を待ちました。

原作を読んだ時にも少し思ったのですが、映画では一層、主人公・清顕のひねくれた性格に、みんなが振り回されたという印象を受けました。映画には清顕と聡子の悲恋が描かれていますが、清顕が聡子の婚約前に彼女の愛を素直に受けていれば、何の障害も無く結ばれたはずであり、わざわざ恋を叶わぬものにしたのは清顕自身なのだと思うと、最後まで主人公には同情出来ませんでした。それに対して、聡子の一途さと潔さには惹かれました。

もう少し、清顕の屈折した性格の所以が、育った境遇だけではなく、並外れた美貌のため幼い頃からの周囲の反応が特殊だったこと、聡子の年上的な口の聞き方にプライドを傷つけられていたこと、聡子の何気ない言葉にしばしば心を乱されていたことに因る点が描かれていれば、二人の恋に対してもっと感情移入出来たような気がします。

とは言え、全体的には、小説の様々な要素がうまくまとめられているように感じました。華やかな衣装を身にまとった竹内結子さんはとても綺麗でしたし、大正期の貴族社会の優雅な雰囲気を楽しめました。そして、日本的な美しさに満ちた映像は素晴らしく、しっとりとした余韻が残りました。

miho_piano at 23:25│Comments(8)TrackBack(2) 映画 

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1. 春の雪  [ やまさん日記 ]   2005年11月14日 20:49
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2. 邦画「春の雪」にタイの若手俳優が出演  [ 白田麻子のアジアな毎日  Asia Entertainment Diary ]   2005年11月15日 22:48
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この記事へのコメント

1. Posted by 菅野   2005年11月13日 23:46
こんばんは。三島さんの作品の映画化が
されていたのですね。知りませんでした。
昔「潮騒」を見ただけですが、あれは好き
でした。


 竹内結子さんは近年益々綺麗ななって
いきますね(^^)。色々と充実されている
のでしょうねぇ。
2. Posted by MIHO   2005年11月14日 00:39
菅野さん、こんばんは。
「潮騒」は好きな話ですが、何度か映画化もされていますね。
竹内結子さんは予想以上に綺麗だったので、精神的にも充実している時期なのかなと思いました。
3. Posted by やま   2005年11月14日 20:48
MIHOさん、初めまして。
TB、ありがとうございます!!
こちらからも、TBさせてもらいますね!!

そしてもう1つ、ありがとう!!
映画だけでは、なかなか清顕氏に感情移入出来なかったのですが
(もちろん、原作を読んでいなかったこちらの問題なのですが)
MIHOさんのblogを読んで初めて「そうだったんだ!」と、
分かったような気がしました!!
原作買って持ち歩いてはいたのですが、読み終わらないうちに
映画の方が始まってしまって(笑)・・・

話は全く変わりますが、クラシックのピアニストの方なのですね!!
凄い。本当に凄い!!!
やまさんはバンドで長いこと、ギターを弾いていました。
音楽はほぼジャンルを問わず、大好きです!!
今年最後の公演が海外なのですね。
是非、気持ちよく一年を締めくくれますように、祈っていますよ。
頑張ってくださいね!!!

ではまた〜〜

4. Posted by づづ☆彡   2005年11月14日 21:27
はじめまして MIHOさん♪
コメントを付けて下さり、有り難うございました。
づづ的には、この原作を読んでいない為、(^^ゞ
映画と原作との対比は出来ないんですが、
清顕の描写に付いては、何か違うなーって印象、
拭いきれなかったんですね。
だからこそ、づづのblogでは、
あの様に書いたワケでして。(^^ゞ

聡子の一途さと潔さには、このづづも惹かれました。(^_^)

5. Posted by 零式   2005年11月14日 21:37
はじめまして!TBありがとうございました♪
『春の雪』は映像的にキレイだと思いました。原作を未読なので清顕の人格形成などについてはよくわかりませんが、そうした細かい心の変化は映画で表現するのは至難の業なのかも…。それが感じられたら本当の名作ですね(それは役者の腕でしょうか)。

とりあえず今日、仕事の帰りに『春の雪(豊饒の海・第一巻)』を買ってきちゃいました。今読んでいる本が終わったら読み始めようと思います。原作読んだら映画の感想も変わるかもしれません。
6. Posted by MIHO   2005年11月16日 02:28
やまさん、こんにちは。コメントとTBありがとうございます!
やまさんも清顕に感情移入しにくかったのですね。やはり小説の微妙な心理描写を映画で表現するのは難しいのでしょうね。
音楽全般がお好きとか。この映画の音楽も良かったですね。途中で流れたマーラーの交響曲、大好きな曲です。
それから、ご声援ありがとうございます!年末が気持ちよく締めくくれるよう、頑張りますね。

7. Posted by MIHO   2005年11月16日 02:28
づづさん、こんにちは。コメントありがとうございます!
づづさんのおっしゃるとおり、清顕役にはもっと合う俳優がいるかもしれないですね。聡子役については、私は満足しています。

8. Posted by MIHO   2005年11月16日 02:28
零式さん、こんにちは。コメントありがとうございます!
そうですね。小説のような心理描写を表現するのは難しいことだと思いますが、キャスティングとか、脚本によって、もう少し話に説得力を持たせることが出来たような気がするので、ちょっと残念です。
本を読まれたら、きっと映画の見方も変わって面白いことでしょうね。

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