1971年(昭和46年)8月13日の朝、大分県大分市四号地の
裏川下を走る道路に停めてあったタクシーの車内で、
運転手の下条忠敏さん(当時33歳)が死亡しているのを、
通りがかった男性が発見し警察に通報した。
 下条さんは首など全身8か所あまりを刺されて
運転席で血まみれの姿で死亡しており、
売上金を入れた袋が無くなっていた。
(袋は後に付近の河川敷で現金を抜き取られた状態で発見された)
 13日深夜0時頃、下条さんのと思われるタクシーが
若い2人の男性を乗せたとの同僚による目撃情報がある。
また、事件数日前から黒い車を走らせながら
下条さんが勤務する会社のタクシーの車内を、
運転手の顔を確認するように覗き込むヤクザ風の男がいたことが
運転手たちの間で話題になっていたという。
 このことから警察は強盗だけでなく、
怨恨の線も視野に捜査を続けたが、犯人が判明しないまま時効を迎えた。