2017年01月14日

じんぶん大賞と本のはなし

紀伊國屋じんぶん大賞2017 読者と選ぶ人文書ベスト30で、拙著「ヨーロッパ・コーリング」が11位にランクインいたしました。
こんな学もなければ品もない保育士のばばあがこんなところに名前を連ねていていいのかと、びっくり&恐縮しておりますが、ご支援くださったみなさま、本当にありがとうございました。

http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201701127843/

いやしかしこれ、今年のメンツは、ところどころ新たな風が吹き上げてますね。けっこうきてます。

さて、本といえば、ちょうど昨日うちの息子が、小学校のイングリッシュの、つまり国語の授業で、「本の未来」というテーマで議論したらしいのです。
「母ちゃん、未来には本はなくなっていると思う?」
「は?」
「いや、未来には電子書籍ばかりになって、紙の本はなくなっていると思う?ストリートの本屋さんとか、もうなくなると思う?」
と言うので、
「いや、残ると思うよ。すごく数は少なくなるだろうけど、なくなることはないと思う」
と答えたら、息子が
「うん。僕もそう思うんだ。未来には、本屋はスペシャルなお店になっていると思う。そしていまより値段は高くても、どうしてもお金を貯めて買いたくなるような、そんなクールな本だけが売られているんだ」
と言うので、小学生が生産量と価格の関係を学んでるのかと驚き、
「え。あんたたち、そんなこと学校で話し合ってるの?」
と言うと、息子は
「僕の意見としては、未来には本は少なくなるけど、なくなることはない。みんな自分にとって大切な、クールな本はオブジェとして買っていると思う。持っているだけで特別な気分になるような本は」
と言うので、
「そういうのって、多数派の意見だった?」
と聞いてみると
「うん」
と言っていました。 10歳と11歳の子供たちがそう言ってるわけですから、まだしばらく本はあるなと思いました。

クールな本。 

そのことばがやけに耳に残りました。

とりあえず、ぶつくさ文句言わずに今年も精進したいと思います。
そんな今日、ようやく書き終わりましたよ。

  
Posted by mikako0607jp at 02:32TrackBack(0)

2017年01月07日

松尾匡先生が熱い書評を書いてくださいました

ま、松尾匡先生が書評を書いてくださいました。
まさか久留米ラーメンの呼びかけがこのようなことになろうとは。。。


新春書評:レフト
3.0がわかる本(その2)  

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__170107.html


一部転載させていただきます。

              −−−−−−−−−−−−−−−−−

 そうなんです。「レフト3.0」を一言で表すならば、「左翼ポピュリズム」なんですね。一方に「異質な者への憎悪」のような大衆感情があり、他方に理性的な人権理論があり、前者に依拠する主情派が右翼ポピュリズムで、後者に依拠する知性派が左翼だというような図式は大間違いです。「レフト1.0」の様々な誤りをひとつひとつ反省したはずの「レフト2.0」が、反省し漏らし、むしろ悪化させた誤りが、「上から目線」のエリート主義的な理論の押しつけだったと思います。

 そうではなく、空腹の胃袋や過労の筋肉痛といったレベルの、生活実感に基づく大衆の怒りや願望こそが、左翼が真に依拠するべきものです。しかしそれが普遍的なものではなくて国ごと民族ごとに対立を生むものならば、結局その分断の上に支配階級のやりほうだいが永続し、惨めで生きにくい暮らしから解放されないことになってしまう。そして結局国家とお上への崇敬を強要する理論と、強者に都合のいい道徳が、やはり「上から目線」で押し付けられることになってしまう。

 だから相互交流などを通じて、そうした生活の怒りや願望の中から、普遍性のあるものに気づいていかなければならない。理性はそのための「お手伝い」をするのだと思います。だから、いつかは自発的に大衆に受け入れられてこその理論なのであり、それを目指すのがポピュリズムならば、ポピュリズムこそが正しいのだと思います。

 だから、この本に引用されている、ポデモスのリーダーのイグレシアスさんの次の言葉が、私たちにとっての結論だと思います。なかなか難しいことですけどね。

「勝つためには、我々は左翼であることを宗教にするのをやめなければいけない。左翼とは、ピープルのツールであることだ。左翼はピープルにならなければならない」

                      −−−−−−−−−−−−−−−−−

この部分は、年末にわたしが週刊エコノミストに書いた記事とシンクロしていて、ハッとしました。


今年は、このブログをむかしから読んでくださっている方々ならよくご存じの、そして「日本語版があったらなあ」と思いつつ、英国版を買った人々もいらっしゃるあの作品が、いよいよ日本で発売されます(まだ情報解禁できませんが)。

松尾さんとは、そちらでもご一緒させていただけることになりました。昨年以上に荒れる年になりそうですが、よい年明けです。

  
Posted by mikako0607jp at 23:54TrackBack(0)