2006年03月31日

女を育てるのも男なのよ。

*そもそもネット・サーフィングなる行為そのものが暇つぶし以外の何ものでもなく(業務上必要な情報を血眼になって検索している場合は別として)、個人のサイトなんて書いているほうだって要するに暇つぶしで書いているわけなので、他人様のブログを見てぐぐっと来る話にであったりすることはあんまり無いのですが、こんなエピソードを見つけました。フランスで出産されたばかりの日本人女性に配偶者がくれた意外なプレゼントとは・・・?

http://yaplog.jp/minette/archive/155

イビザ島在住の義姉も、出産したときにフランス人の夫(っちゅうか彼の場合はスペインとの国境付近で生まれ育っており、どっちかっつーと”カタルニア人”と呼んだほうがいい感じだけども)から口紅をプレゼントされたそうで、それがあんまり嬉しかったので、今でもその時の口紅をとってあると言っていたが、そのことを思い出した。

女房は専属シェフだの、子守だの、掃除人だのいうような鈍感なことが平気で言える、”男らしさ”の意味を根底から理解し間違えているおっさんたちにはこの心理はわからんだろうな。

欧州の女はいくつになってもセクシーだの雰囲気があるだの言うけれども、そういう女たちを育てている男たちがいるからこそそうなるんだということを忘れちゃいかん。

*フランス人と云えば、先日おパリからロンドンに出張に来ていた旧友とお茶した(依然としてわたしは禁酒中なので)。「The Proposition」をえらく誉めてた。「ダークで野蛮な感じを押し出しているけど、根底に流れているのは男のダンディズムだよ」だそう。さすが金もらって映画のレビュー書いてる人は言うことが違うわ。一緒にロンドンの英語学校で机並べてたときは洟垂れ小僧だったのになあ。もう30歳だって。そりゃそうだ、わたしが40だもん。

*今週末は日本でわたしのお祖母さまの7回忌が行われる。諸々の事情ありて帰れませんが気持ちはそこにある。ってことで。

明治生まれのシングルマザーで、ちょっとエキセントリックかつマッドな人ではあったけど、おばばさまも”母親”というより生涯”女”だった。痴呆症で入院してからも付近の病室の爺さんたちに見初められ、毎日ヤクルトだの飴玉だの貢がれていた。人間って脳細胞が機能しなくなっても食欲と睡眠欲と色欲だけはちゃんと覚えてるみたいね。

どんなに気取ってみても人間行き着く先はそこなんだと思うと、もっとシンプルに生きて行きたいと思うなあ。この頃、つくづく。

  

Posted by mikako0607jp at 20:58

2006年03月29日

クレイグ・ボンドもなかなかいいんじゃないか。と思った話

なかなかいいんじゃないかと。月曜日放送のBBCの「Film 2006」でジョナサン・ロスがダニエル・クレイグのインタビューをやってた。"007"新作の撮影風景なども流してくれたが、なにしろクレイグの肉体にびっくり。鍛えましたなあ・・・。別人のよう。「Layer Cake」の頃のヤサ男風な線の細さが消えた。髪も切ってすっきりして、いや、結構いいんじゃないか、このボンド。と思ったよ、わたしは。典型的アイルランド系美形男のピアース・ブロスナンのデルモちっくな美しさはないけれども、ちょっとダークで崩れた感じ(もともと正義の味方っちゅうより、癖のある犯罪者系の顔だもんな)で、わたしは思わず見入ってしまった。

ボイコットされたりファンから嫌がらせされたりして敵が多いようですが、そういう人を見るとなんか擁護したくなるというわたしの性格的な傾向は置いておいても、たぶん今度の「Casino Royal」はこれまで「007?ほんなんテレビでどうせクリスマスに放映されるっちゃけん、観にいかんでもよか。あれは寅さんみたいなもんやけん」と無関心だった人間があえて映画館にまで行ってみようかと思う、そういう作品になるんじゃないかと思う。ファンのボイコットとかも、強烈な宣伝効果があるだろうし。

そういえば、かなり前にMovie Walkerさんに寄稿させていただいた「ボンドの股間が危ない」の話。インタビューでも出てました。やっぱり睾丸拷問シーンやるらしいですよ。しかも、竹製の棒で。「そりゃ角度とか気をつけないとえらい事になるんじゃない?」と心配するジョナサンに、「どのくらいの長さやるか今考えているところ」とクレイグが答えておられました。考えようによってはこれまでのボンド俳優の中で一番からだ張ってるんじゃないかしら。

  
Posted by mikako0607jp at 23:40

2006年03月27日

「早よ行け」コールに包囲されたブレア。その他

*ブレアちんが叩かれてますな。いよいよ。っつうか、「いい加減で退け」コールが怒濤のように巻き起こっており、The Economistなんかも最近特集組んでたもんな。これでブラウン蔵相がようやく後釜に。っつうのもなんかそれはそれでコントラヴァーシャルになってきており、彼は生粋の労働党的思想の持ち主で頑固一徹、しかも頭の切れる人で、ブレアちんみたいに目立たせてやっておけばいい、みたいな軽薄なパフォーマー・タイプと違うから、”労働党のくせに路線はモロ保守党”なブレアちっくな柔軟な政治はしないだろうという不安が原因みたいね。ブラウンくんは周囲の言いなりにはならないだろう。みたいな。英国ってずっと労働党政権が続いているけど、実際には保守党政権に労働党の顔がついている、みたいなもんだから。みんな本当にレフトウィングな政治は望んでいないのよ。

考えてみれば、現在の英国の経済が良好なのはブラウン蔵相が優秀だからであり、「経済を取ったらほかに何もないじゃん」と言われることの多いブレア政権の立役者は他でもない彼なんだけれども、ほんとにデキる人は首相になっちゃ駄目ってことなのかもね。ブラウンくんは労働党が天下とった時からずーっと「そのうち君に首相の座を譲るから」と言われて(騙されて)、もう10年近くも待たされている哀れな御仁(この詐欺話はスティーヴン・フリアーズ監督「The Deal」に詳しく描かれており、The IndependentやGuardianのような新聞にはよく出てくる話よね)。

でも、最近、そんなブラウンくんをつるっと出し抜く可能性もあるんじゃないか。などと言われているのが保守党のデイヴィッド・キャメロン党首。こいつ、わたしよりも年下なんだぞ。自分より年下の人間が自分の住んでいる国の首相になるかも。なんて事態になって人は初めて自分の歳に気づくんだけれども、彼はモロに昔のブレアのコピー。若くってエネルギーに溢れていて、そのくせソフトで人あたりもよく、なんかイメージ的にいいじゃん、いいじゃん。それ以外には何もないけど。みたいな。しかも、こっちは本当に保守党だし。「ブラウン蔵相が首相になるぐらいだったら、保守党のキャメロンのほうが共感が持てる」と最近よくテレビなどでもミドルクラスの若いインテリゲンチャたちが語っており、そういうのを見る度にわたしは英国の将来に一抹の不安を感じずにはいられない。

わたしはどうも嫌いなんだな、あの人の顔つきが。最初に写真で見たときから。特に鼻。

*週末は、BBCのFriday Night With Jonathan Ross、Radio 2のChris Evansの番組ともに、モリやんのぶっちぎりにあいました。モリやん、具合がよろしくないんだそうで。(モリやんと言っても、このモリやんは「浜辺で僕の大事な子猫ちゃんと一発やりたいいいー」「崩れる前にうち壊してしまええー」などという詮無いことを熱唱していたわたしと同郷の日本人男性とは当然ながら別人です)。

*80年代は80's。90年代は90's。だから00年代は00'sっちゅう表現法もあるようですが、最近いろんなところで耳にしていいなあと思ってる表現が、NaughtiesまたはNoughties。これは、「naught, nought=ゼロ。零」から来てるわけですが、発音が”Naughty”みたいでいい。ほんとにNaughtyな10年間になるのかしらね。

  
Posted by mikako0607jp at 22:35

2006年03月22日

BBC4:The Chatterley Affair

BBC4:The Chatterley AffairBBC4で月曜9時から放送された単発ドラマ「The Chatterley Affair」を観た。イビザ島在住の義姉が泊まってたので一緒に観ていたんだが、彼女は英国で「チャタレイ夫人の恋人」裁判があった1960年のことをうっすら記憶しているそうだ。裁判で出版社に無罪判決が下されて同書が発売された時、ロンドンの本屋に人(おもに男性)が群がっていたのを覚えているという。ロレンスの「チャタレイ・・・」はイタリアやフランスではすでに出版されていたが、本国英国では、1960年の裁判で解禁になるまで、30年以上もオリジナルは発禁されていた。日本でも伊藤整のチャタレイ裁判があったが、本国英国のほうがきっちり裁判で「猥褻か芸術か」論争が行われたのは後だったわけである。

このドラマは、「チャタレイ夫人の恋人」裁判の陪審員に選ばれた男女が、裁判のために読んだ同書に感化されて本当に不倫を始めてしまい、めくるめく性の悦びに嵌ってゆくというフィクションだったが、裁判シーンでの検察側、弁護側、裁判官の発言は全て当時の記録に忠実だったらしい。「この本は国民を堕落させる」「いや、これは文学だ」の男性陪審員たちの論争を黙って聞いていた女が、最後の陪審員会議でついに口を開く。

「私はこの本によって堕落はしませんでしたが、深い影響は受けました。これまで自分が知らなかったような素晴らしいセックスを体験して人間の世界観が変わることはあると思います。自分の世界を変えてしまうほどの強烈なパッションと優しさ。そのためなら、全てを捨ててもいいと思うことだってあると思います」と言いながら女は離れたところに腰掛けていた不倫相手の男を見つめる。

「でも、そんなことのために人間は一生を棒に振るわけにはいかない」。女に見据えられた男はへどもどしながら小声で言う。

「そうする価値はあると思いませんか」。女は無念げに抑えた、それでも情のこもった湿り気のある声で言う。

ドラマでは、結局この時の女の発言によって陪審員の論争の風向きが変わり、出版社に無罪の判決が下ることになるのだが、こういうタイプの女に正面から挑まれると男というものはだいたい逃げ腰になって裁判所の前で軽く女の手を握るだけでさっさと背中を向けて去って行くのであり、そのくせ女が覚悟をきめて歩き出すとなぜかもう一度振り向いて、女の脹脛のあたりをねっとり未練たらしく見つめていたりするのである。こうなると、もう二度と振り向かないのは女のほうだ。

まあこの辺が昔から男が「女は怖い」と表現し、女が「男は屁温い」と表現する点でもあるんだが、腰の引けてない男ってのも、少数ながらいるにはいるんだよな。よくある男の屁温さに耐えられないタイプの女はそこに辿り着くまでが苦労するんだけれども、諦めて妥協することはない。自分が現在いる場所にそういう男が棲息している可能性が低いと思ったら、自分の家や街や島や国から出て、探しに行きゃあいいんだ、自分の足で。

と、そういうことを義姉と話しながら(彼女もスペインまで出て行っちゃった人だからな)、おとなしくホットミルクを飲んで寝たのさ。最近はすっかりお行儀よくなっちまって。わたしも彼女も。

先週のケネス・ウィリアムズの伝記ドラマと云い、月曜9時からのBBC4の単発ドラマ枠がどうも最近おもしろい。来週の「A for Andromeda」っちゅうのもなんか良さそうだし。「V for Vendetta」はさんざんだったけど。

  
Posted by mikako0607jp at 22:18

2006年03月17日

飲めないSt.Patrick's Day

お髭の先生+監督+出演者たちなんて生き地獄としか言いようがありませんが、仕方がないので小娘時代につきあっていたアイルランド人の男の母ちゃんのレシピを思い出し、ソーダブレッドを焼きました。昔(80年代)、ダブリン界隈で売られていたEleanoreというブランドのソーダブレッドがあり、これがパンのくせにそこはかとなく肉の味がすると思えるほど濃厚で腹にたまって激ウマだったんですが、この会社(っちゅうよりたぶん個人商店ぐらいの規模)、どうなったかご存知の方、ご一報を。なんか潰れたとかいう話で、90年代になってダブリンに行ったときにはもう売ってなかったんですよね。わたしの記憶する限り、あれがアイルランドで一番おいしいソーダブレッドでした。

というわけで、ニック・ケイブ作「The Proposition」(写真は映画をつくったメンツ。和やかに)のレビューをようやくアップしました。全然アイルランドつながりじゃないような感じですが、実はちょっとつながってたりするのはレビューを読んでいただければわかります。最近映画レビューがアホみたいに長くなってますが、またしょうもない映画を観るようになればすぐ短くなると思います。


 

  
Posted by mikako0607jp at 21:49

2006年03月15日

ケネス・ウィリアムズの伝記ドラマを観る。

ケネスのかなしみ。*英国では超有名なコメディアンだったケネス・ウィリアムズ(写真)。50年代から70年代まで製作された(90年代にも一本つくられてるが)コメディ映画Carry Onシリーズで国民的喜劇俳優になった人。

そのケネスの生涯を描く伝記ドラマがBBC4で放送された。主演はマイケル・シーン。彼はスティーヴン・フリアーズ監督の「The Deal」でブレア首相を演じた(同監督の新作「The Queen」でもブレアちんをやってるらしい)御仁なんだが、まあなんとも言えないケネスぶりで凄まじいほどだった。

本人の日記に基づくドラマなんだけど、とても哀しい話でね。噂には聞いてたけど、彼ってやはり生涯ヴァージンだったのね。彼の場合はゲイだから苦しんだというより、バイ菌関係っていうか、要するに強迫神経症のほうが問題で、ヒトの体液と体液をねばねばさせ合うようなむき出しの関係にはどうしても踏み込んで行けなかったんだろうな。こんなにマスタベーションのシーンの多い有名人の伝記ドラマも珍しい。ほんでその、たった一人で真っ白なシーツの上に仰向けに寝て行う自慰シーンがとてもひんやりしてて哀しかった。名作ドラマだったと思います。

*マイケル・ウィンターボトム監督の「The Road To Guantanamo」のレビューあげました。

この映画、結構日本でもニュースになっていたんですね。

http://movies.yahoo.co.jp/m2?ty=nd&id=20060221-00000001-reu-ent

http://www.janjan.jp/world/0602/0602259847/1.php

ニック・ケイブ先生脚本のお映画のほうのレビューもまた後ほどアップしたいと思っております。

  
Posted by mikako0607jp at 22:46

2006年03月13日

素晴らしかった「The Proposition」

ベストですね、今年の。今んとこ。*あんまり映画が素晴らしかったなんてわたしは言わないほうなんですが、これは本当にびっくりしました。

Dark, Brutal, Beautiful。(連合いは”Dark”っつうより”Realistic”と言ってましたが)

まるでニック・ケイブ集大成みたいな映画。血と汗と埃と蝿にまみれて汚らしく臭そうで、醜悪なほどに暴力的で、だのにきーんと冴えた月のように美しかった。やるなあ。各紙のレビューがいいのも納得できる。

仕事終わったらゆっくりレビュります。ウィンターボトムのグアンタナモ映画も含めて。この2本は、日本でも公開される必要があるなあ。

*日曜夜にChannel4がThe World's Greatest Actorのトップ50を放映。今回は視聴者でなく、現在活躍中の俳優・女優の投票によって選ばれているらしい。2位がジョニー・デップってのが驚き。若手でここに食い込むなんて。

http://www.channel4.com/film/newsfeatures/microsites/W/worlds_greatest_actor/results.html

  
Posted by mikako0607jp at 20:34

2006年03月12日

BBCのThe NME Story&チャンネル4のThe Smash Hits Story

NME storyなぜか金、土と週末の二夜連続でNMEの歴史を振り返る「The NME Story」(写真。BY BBC)と廃刊になったSmash Hitsの歴史を振り返る「The Smash Hits Story」(BY Channel 4)が放映された。わざと両局が連チャンでぶつけて来たのか、放送日が重なっていたものをどっちかが一日ずらしたのか、そこら辺は不明だが、そもそもSmash Hits自体がNMEから枝分かれしたような雑誌だから、関係者コメントも重なる部分がかなりあって面白かった。

当然ながらNME Storyのほうが中年には嬉しい番組に仕上がっており、Chrissie Hyndeのライター時代のエピソードとか、パンクのわかるライターとして雇われたTony Parsons(今では作家先生になっておられるけどね。数年前、国会議員がライドン叩きをした時に、恥ずかしいぐらい熱い記事をミラー紙のコラムに発表してライドンを擁護したのは彼だもの)がパンクを体現し過ぎて「俺は職場には来ない」宣言をして本当に何ヶ月もオフィスに来なくなる話とか。なんかこう、まあまあネクタイゆるめてビールでも飲みながら観ましょうや、みたいな懐かしさがあって(別にわたしゃネクタイ締めんけどくさ。禁酒中やけんビールも飲まれんし)。

80年代になると政治色が強くなり過ぎたNMEは上から圧力かけられて音楽のことしか書けなくなるんだけど、音楽雑誌のくせに真っ黒な表紙にして若者の自殺問題特集をやったりして、面白い雑誌だったんだよな。「NMEは単なる音楽雑誌じゃなくて、政治やカルチャーを扱い、いかに詳しい記事を書くかというより、いかに面白い記事を書くかだった」の80年代のNMEがわたしはとても好きだったので、「ひたすら音楽のことを追い、音楽のことのみを詳しく書く」現代のNMEを読む気になれない理由は、現在の編集者の顔つきを見ててもよく納得できた。でも、時代と共に変わってきたからNMEは生き残って来たんだろうしね。あ、それからモリッシーとNMEの確執と和解にも触れてあったけれど、まあ、もちつもたれつ、利用し利用され、って感じでビジネスちっくでいいんじゃないでしょうか。

逆に純粋なるPOPを追ってきたSmash Hitsが廃刊に追い込まれた理由は、昔のバナナラマとかアダムとかトーヤとか、ああいう自分で自分をプロデュースするポップスターがいなくなって、どいつもこいつもステージスクールあがりのプロフェッショナルでお行儀のいい兄ちゃん姉ちゃんばかりになったからだ、っつう説もわからんことはないけれども(実際、現在のウエストライフと、昔のアダム&ジ・アンツのリスナーの層が同じローティーンの女の子たちってのは、指摘されてみると確かに笑えるものがあるよな)、「Smash Hitsがいらなくなったのは、Smash Hitsがやっていたことをほかのメディアがやるようになったからだ。タブロイド紙はセレブリティーの話題を毎日載せてるし、そういうサイトも沢山ある。10時のニュースで国会議員の汚職とカイリーの尻の話題が一緒に放送されるような時代に、ポップスターの雑誌はいらない。いまや社会そのものがポップになってしまった」という元編集者やPete Watermanのコメントが一番的を得てるような気がした。

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時に、これはやっぱり「尻にしてちょ(はあと)」ってことなんだろうな。

http://uk.news.yahoo.com/11032006/325/johnny-rotten-rock-hall-fame-kiss.html

  
Posted by mikako0607jp at 23:08

2006年03月11日

「『グラディエーター2』はボツった」BY脚本家ニック・ケイブ

お髭の先生+先生作のお映画月曜日に放映されたBBCのFILM2006、ニック・ケイブ・インタビューより。昨年よりもさらに髭を伸ばして登場のニック先生のお顔は、眉毛と髭のふさふさとした存在感が強烈で、どっかで見たことあるなー、「トムとジェリー」に出て来たぞ、こんなキャラが。みたいな感じ。そう、ギターの弦が切れるたびにトムのヒゲをぶちっと抜いて使用していたジェリーのおじさん。あのカントリーシンガーにそっくり。(ちなみに、「トムとジェリー」があんなに年がら年中再放送されていた地域ってのは福岡以外にないらしいね。福岡人のユーモアのセンスには必ず「トムとジェリー」の刷り込みがあるのよ)

以下は気になった発言より。

N.C「『The Proposition』の脚本は3週間で書いた。曲づくりは非常に難しく、いつも苦しむタイプだが、脚本の場合は10ページぐらい書いてしばらくベッドに横になって登場人物たちの動きを想像しているとスラスラ続きが書ける」

N.C「この話はオーストラリアン・ウエスタンだから、米国のウエスタンみたいに善玉と悪玉がはっきりとわからない。もっと複雑だ。オーストラリアの歴史は混沌としていて、米国みたいにヒーローが出てきて一件落着。ってのとはちょっと違うからな」

J.R(ジョナサン・ロス)「そういえば、『グラディエーター2』の脚本を書いたらしいね」

N.C「ああ。ラッセル・クロウが『The Proposition』の脚本を読んで気に入ったらしく、電話をかけてきた。”俺はもう脚本は書かないよ”って言ったんだけど、『グラディエイター』の続編だというんで、”ん?『グラディエーター』か・・・”と考え直して引き受けた」

J.R「なんか奇想天外な話らしいね。グラディエーターがベトナム戦争に行くらしいじゃん。君が書いたとなると凄い傑作か、とんでもない駄作かのどちらかだろうね」

N.C「うん。自分は後者のほうを狙ったんだけどね」
(注:この『グラディエーター2』の脚本は、Guardian紙に先月末掲載されたニック・ケイブのインタビュー記事によれば、リドリー・スコットとラッセル・クロウが一読した後、どうやらボツったらしい)

J.R「これからはどんなのを書きたいの?」

N.C「ブライトンを舞台にしたロマンス。英国の典型的なシーサイド・ロマンスみたいな」

J.R「ロマコメ(笑)」

N.C「そう。いいねえ、ロマコメ(にやにや)」

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Guardian紙掲載のニック・ケイブのインタビュー記事はこちら。

一方、3月10日公開の「The Proposition」は、昨年秋のガイ・リッチーの「Revolver」とは全く逆の経緯を辿っており、たいへんに評判がよろしく、Financial TimesとDaily Telegraphなんか何を血迷ったのか5つ星つけてますね。GuardianのPeter Bradshawも4つ星つけてるし。明日はこれを観てきます。

  
Posted by mikako0607jp at 22:42

2006年03月10日

今月は「The Proposition」とグアンタナモ映画月間

昨夜放送のチャンネル4「The Road To Guantanamo」、英国在住の方々はご覧になられましたでしょうか?

http://www.channel4.com/film/newsfeatures/microsites/G/guantanamo/

今月はこの映画と脚本家ニック・ケイブ先生の「The Proposition」月間になってしまいそうな予感でいっぱい。久しぶりになんか本気で書きたくなるものに出会った感あり。

ニック先生のインタビューとかもあるんですけどね、なにしろ体調を見ながらの更新なんでお待ちくだされ。

「The Road To Guantanamo」はきちんとレビューにしたいと思います。これ、日本でも誰かが公開するのかなあ。するといいなあ。

あ、そういえばこっそり「シリアナ」のレビューもアップしてます。

  
Posted by mikako0607jp at 18:41

2006年03月07日

ニック・ケイブ脚本「The Proposition」が、来るぞ来るぞ来るぞ、ついに。

The Propositionのサントラさ昨日、連合いと一緒に「シリアナ」(注:うっかり漢字変換しないように注意が必要なタイトルだ)を観に行ったの。そしたら、突然

THREE BROTHERS

ONE MUST LIVE

ONE MUST DIE

ONE MUST DECIDE

ずきゅーん、ばきゅーん、どきゅーん(銃声)

WRITTEN BY NICK CAVE

THE PROPOSITION

なんて文句と共に、そりゃあもう埃っぽい映像のトレイラーが始まってしまったもんだから、「シリアナ」よりもアカデミー賞よりも、昨日はこの一件に興奮させられてしまいました。行きつけの映画館でもらってきた今月公開映画紹介雑誌の裏表紙もばばーんと「The Proposition」の宣伝広告。どうなることかと心配してましたが、どうやら思いっきり大々的に全国公開されるみたいじゃん、ニック先生脚本の新作映画。今夜(6日)放送のBBCのFILM2006では、ジョナサン・ロスがニック・ケイブにインタビューしているらしい。サントラ(写真)も本日発売

"Exceptional"(UNCUT),"Brilliant"(EMPIRE),"Magnificent"(MARIE CLAIRE), "AWESOME"(XFM)って、どうすんだよ、もう。THE TIMESまで4つ星つけてるし。トレイラーを観終わって、久々に夫婦で顔を見合わせ「観たいねー」と同時に言った映画。映像のバサバサ感がどうにもたまらん。

「The Proposition」のUKオフィシャルサイトはこちら。

追記:「Brokeback Mountain」じゃなくて「Crash」がアカデミー作品賞獲ったのがこっちでも騒ぎになっており、「Crash」は”Brokeback breaker”なんて呼ばれているようで、「でもあの映画英国で公開されてないじゃん」などと言い出す人も出てきているようですが、ちゃんと昨年夏に公開されてますがな。かなり地味な公開のされ方だったけどね。当サイトでもレビュっとります

ドレス関係は、今年はジェニファー・ロペスのオリーブ色のお召し物が良かったんじゃないかと。やっぱドレスの流行がシンプルでクラシックになればなるほど、出るとこは出て凹むとこは凹んだ(英語ではこういう女のことを”カーヴィー(CURVY)”と表現しますね)ラテン体型の女が格好いいと思うよ。枝みたいにただ細いのは生き物としての弾力性がなさそうで貧相だ。

  
Posted by mikako0607jp at 00:07

2006年03月03日

リュウの”うねり”

福岡市西区姪浜。マリナタワーが写っとろうが。Y.Sさまに施して戴いた書籍シリーズ第二弾(第三弾かな、この間「逃亡くそたわけ」のことも書いたし)、ついに読ませていただきました、噂の「半島を出よ」。ええっ、北朝鮮が福岡を占領?ドーム?春日基地?でもこれ、喋られている言語はピュアな佐世保弁。みたいなことにまず反応しつつ。福岡在住・出身の方はいろんな意味で楽しめる小説だろう。

村上龍といえば、わたしはやはり「コインロッカー・ベイビーズ」だ。ちょうど髪の毛おっ立ててボロボロに引き裂いたスカートとか履いてずれんずれん福岡の街を歩きよったあの時代ね。バンドの練習に行っても、警固あたりの狭いスナック兼ライブハウスとかに行っても、同じように髪の毛おっ立てた少年少女たちが「『コインロッカー・ベイビーズ』のキクやろ、やっぱ」「おお、パンクやもんねー、あれは」と口々に言っていた。昨今では町田康がパンク小説の旗手などと言われているらしいが、わたしにとって町田はパンクではなくウィットの作家(だからといって劣るという意味ではない。ウィットは重要。最重要といっても過言ではない)であり、パンクな日本の書き物と言われたら”あの時代”と「コインロッカー・ベイビーズ」のうねりがまず脳内でシンクロするのである。

そのため、リュウといえばわたしと妹の間では「うねり」ということになっており、ちょっと熱い文句を書いてしまったようなときには「なんね、突然リュウのごとうねってから」と言い合ってはぽっと頬を染める。というのが流行したこともあったが、本作からはわたしにはリュウのうねりは感じられなかった。天才的に文章のうまい人なのでそれなりに疾走はしているが、うねってはいない。疾走感とうねりとは似て非なるものであり、それはどのくらい違うのかというと、はっきり言ってジャムとピストルズぐらい違うのである。

日本政府が駄目なのも、自分の責任を取れるやつ(自業自得の精神を備えた人間ともいう)がいないのも、ぐずぐずぼんやりしてるからコケにされるのも、つまり、日本が駄目なのは全体的に腑抜けているからだということも、そんなことはもうみんなわかっているのである。今更シミュレーションなんかしてもらわなくとも。どうもこう、いちいち村上龍なことを言う上司のもとで働いていたせいもあるが、どうしても一つ上の世代からわかりきった説教話を聞いているような気分になってしまう。

・・・知りたいのは、その先なんだけどなあ。

とはいえ、どうせ腑抜けてるんだから静かで奥ゆかしい日本美を愛することにしましょ、みたいな横にスライドするような態度で枯れたふりしながらほんとは密かに毎晩シコシコ自慰して汁抜きしている。というような昨今ありがちなニッポンのオヤジのアティテュードではなく、アホみたいにあくまでも正面から強行突破して行こうとするそのエナジー&パワーに共感は持てる。そんなリュウちんはいいと思う。これはリュウ系の元上司も含めての告白だが。

  
Posted by mikako0607jp at 22:39

2006年03月01日

”冬の尻”監督の「The Road To Guantanamo」

The Road To Guantanamoについてちらっと前回のエントリーで触れてますが、どうやら3月9日(木)午後9時からチャンネル4でいきなり放映されるようです。昨日テレビでコマーシャルを観てびっくりしました。

ベルリン映画祭で監督賞を貰った本作、実際にはMichael WinterbottomとMat Whitecrossの共同監督作品なんですが、実はチャンネル4の資金で製作されたフィルムらしい。

Bloody Sunday」(Paul Greengrass監督)、「The Deal」(Stephen Frears監督)、「Yasmin」(Kenneth Glenaan監督)にしても、本作にしても、英国ではこういう政治的色合いの濃い映画は劇場公開されずにいきなりテレビで放映されるのがおきまりのパターンになりつつある。英国の場合は、米国と違ってセンサーシップの問題とかはないけど、単に商業的理由で劇場公開しても客が入らないという問題があるみたいね。

ま、いずれにしろ、”今年の華氏911”と呼ばれているらしいので英国在住の方々は要注目。タダで観れるわけだし。

Guardian紙による本作のレビューはこちら

追記:「Capote」の映画レビュー、あげました

  
Posted by mikako0607jp at 23:33