2007年02月26日

世はオスカーらしいですが、

H・ミレンの映像はこれがベストわたしは例によってすでに作り置きしてあるもののみをアップして寝させていただきます。

長編雑文アップ。
http://www.geocities.jp/mikako0607jp/0002.html

*とはいえ、書きたいことはいろいろあって、特にH・ミレンの「Prime Suspect」(写真)について書きたいんですけどね。でも寝ます。寝らんと乳が出らんけんね。

*なんか今頃ライドン・ページの感想メイルとかちらほら来てるんですが、わたしはもはやロックだパンクだっちゅうよりはげんこつ山のたぬきさんですので、そこんとこどうぞよろしく。

*それから、絶版の拙著が、アマゾンの中古販売部門で定価よりもかなり高い値段で売られているようです。出版元は倒産、著者は暖房も我慢してつけず子供に風邪をひかすぐらい貧窮しているというのに、なぜか第三者が儲けているというのはどうも納得がいきません。ですので、これから購入をお考えの方がもしいらっしゃったら、わたしに直接メイルください。春に日本に帰省(なんと7年ぶり。ははは)いたしますので、その折に拙著があまっているらしい福岡方面の書店(要するに知り合いなんですが。ははははは)と当方の連携プレーで、定価+送料で送付させていただきます。

  

Posted by mikako0607jp at 09:40

2007年02月19日

「Notes On A Scandal(邦題:あるスキャンダルの覚え書き)」

演技派なアタシたちブリジット・ジョーンズがシングルのままで40代になり、50代になり、60代になってしまって、ここまでくればコンプレックスで悩むことなんてとっくの昔にやめてしまったし、自分が自分の理想の女になれないのなら自分の理想を体現しているような若い美人に目をつけて、ストーカーになって、無理矢理親友になって、最終的には監禁してやれ。でも根がブリジットだから毎日きゃらきゃらした日記をつける癖だけは残ってて。・・・みたいな、ちょいキチ(注:ちょっとキチガイの略)老女の役を演じているのが、当サイトではデイム・杉村春子先生と呼ばれているジュディ・デンチ。

パンク・ニューウェーブ時代のロンドンで、アートにドラッグにセックスにと、文字通りやりたい放題やりまくったお金持ちのお嬢ちゃんが、かなり年上の男性と結婚。二人子供を出産したが、二人目はダウン症。ボヘミアンでアーティーでスケベだった若い頃など想像もできないほど献身的な良妻賢母に変身して子供の世話に明け暮れるが、子供がある程度成長したのを機会に、「自分自身を取り戻したいの」か何か言いながら美術教師として職場復帰。ふらっと15歳の教え子と肉体関係を持ってしまう「あたし、スージー・スーに憧れてたのよね」な40代の女を演じるのがケイト・ブランシェット。

で、この作品でアカデミー賞の主演&助演女優賞にそれぞれノミネートされているデンチとブランシェットが、”ちょいキチ老女”と”その餌食”として、熱演合戦を繰り広げるわけです。「あたしのこの狂気の瞳をごらん。ふふふふふふ」「私の追い詰められた表情を見て。きゃあああああ」「あなたにこの精神を病んだ人間の笑いができて。ほほほほほほ」「私にだって見せ場のぶち切れ発狂シーンがあるわ。ひゃああああああ」「ひひひひひひ」「ぎゃああああああ」「ひいいいいい」「げええええええ」と、とにかく二人とも女優の仕事が楽しそうで、活き活きしておられました。

が、その活き活き女優二人の陰で、ひとり淡々とブランシェットの夫役を演じていたビル・ナイが、わたしは一番素晴らしかったと思いました。この人は、ここ数年(「ラブ・アクチュアリー」以降ですが)、「自分は若い頃、仕事に遊びに女に、いや万事においてぶいぶい言わせていた。だが、今ではこんなに歳を取ってしまった。でも・・・」系の役柄を演じさせるとほんとうにいい味を出すのであり、その「でも・・・」の後ろには、「でも、笑いを取ることに決めました(「ラブ・アクチュアリー」)」「でも、悪役ではまだ若いもんには負けません(「ナイロビの蜂」)」「でも、幸福になりたい(「Gideon's Daughter」:BBCのドラマ。ゴールデングローブ賞のTV部門で主演男優賞貰ってましたね。そういえば)」など、作品によって違う言葉が入るわけですが、今回は「でも、今でも君が好きなんだ」でした。この「でも・・・」の健康的なせつなさを演じさせると、彼の右に出る人はちょっと今いないんじゃないかと思われ、高齢化の進む現代、ビル・ナイのような役者は貴重だと思います。

映画としてはまあ、配役(ジュディ・デンチとかビル・ナイとか)からしてBBCのドラマとしてテレビ放映されててもいい感じのものなんですが、本当にBBCフィルム製作だからその辺は仕方ないですね。ちなみに「クィーン」に出資してるのはITVで、これもヘレン・ミレンの配役からやはりいかにもって感じです(ITVの名作ドラマシリーズ「Prime Suspect」主演ですから、彼女は)。英国映画って、最早ほとんどテレビ局に作られているような感じになってきたなあ。という点が、実は一番印象に残った作品でした。

  
Posted by mikako0607jp at 09:46

2007年02月17日

長編雑文を

ああ飲みたい。更新しました。

http://www.geocities.jp/mikako0607jp/0002.html

それだけです。寝らないかんけんね。おやすみなさい。

  
Posted by mikako0607jp at 09:09

2007年02月10日

Little Miss Sunshineを

ようやくDVDで観ました。そろそろアカデミー賞なのに、今年は全然候補作観とらんやん。な寂しさもあり、作品賞ノミネーションで「へっ?なんで?」みたいなリアクションもあったというインディー小品「Little Miss Sunshine」から観てみることにしました。

けっこう好きですよ。テーマも。しょぼさとぼんやりした痛快さといたいけなおちょくり。という、好きな要素は揃ってるって感じで。クライマックスにああいうダンシングで来るとは思いませんでしたので、ついうちの坊主を抱いて踊りましたよ、わたしも居間のテレビの前で。以前、町田康の短編集の帯に書かれた「これがパンクだ!」という不細工な宣伝文に激怒したことがありますが、ふとその宣伝文を思い出しました。(っていう文章は誉め言葉になっているのかどうなのかはわかりませんが)

ただ、こういういい線いってるメリケン映画でいつもいつも気になるのが、「ファミリーの絆最高」みたいなそのオチはいったい何なのだという、そのオチがもう全てを台無しにしてしまう気がするなあという、その一点なんですが。

まことに残念でした。

*赤ん坊連れの映画観賞会で「バベル」こと「ベイボー」も観るはずだったんですが、朝からドカ雪が降ったため交通機関(つまりバス)が止まってはないんだけど来ない。30分待っても来ない。という状況になり、観れませんでした。

*が、ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットが主演&助演女優賞にノミネートされた「Notes On A Scandal」は観てきました。いやー、凄かったですよ。話題作とあって、映画館にベイビー&マミイがいっぱい。ブライトン在住の方々は想像してみてください。あのDuke Of York'sの狭い入口が、売店のところまでびっしりバギーで埋め尽くされたトラフィック・ジャムの光景を。

ほぼ満席に近い状態となると、やっぱさすがに館内がうるさかったです。一人赤ん坊が泣き出すと何人か必ずつられて泣き出して最後には何十人か束で泣いてるって感じで、泣きの連鎖反応が凄まじかったですね。幸いうちの坊主はどうも映画好きみたいで、通路の床に転がされたままじっとスクリーンを見上げ、飽きたら勝手に自分で寝てました。テレビと違いスクリーンが大きいから、人の顔とかが巨大でおもしろいんでしょうね、きっと。

映画についてはまた書きますが、ひとことで言ってしまえば、”ブリジット・ジョーンズの日記・老齢サイコ編”みたいな映画でした。って書くと、全く別物を想像する人が出てきそうですが。ははははは。それにつけてもビル・ナイが良かったです。

*長編雑文を更新しました。

http://www.geocities.jp/mikako0607jp/0002.html

  
Posted by mikako0607jp at 10:15

2007年02月06日

GHOSTS・・・中華人民不法労働者の暗い目。

GHOSTS

というわけで赤ん坊連れで映画鑑賞できる会(BIG SCREAM!と呼ばれるイベント)で観た1本目がこれだったわけですが、Nick Broomfield監督、出演は名前を挙げたところで誰も知らない無名の中国人のみなさん(どうやら本当に英国で不法労働していた人ばっかりらしい。モノホン。ってやつ)の、監督名を聞かなければ「これって、ウィンターボトムの映画あ?」みたいなドキュメンタリー・タッチの映画。

 

英国在住の方々ならご記憶の方も多いかと思いますが、20042月、英国はランカシャーのモーカム・ベイで中国人不法労働者がザルガイ採集作業をしていたところ、海岸に潮が満ちてきて23名が溺死するという事件がありました。事情を知らずにサマリーだけ聞くとなんか妙にシュールさの漂う事件だっただけに、その後しばらくパブなどで良からぬブラック・ジョークのネタにされた一件でした。

 

が、当然ながらそれらの中国人のみなさんにもそれぞれの人生というものがあったのであり、なぜに中国からわざわざ英国くんだりまで密航してきてランカシャーでザルガイ掘りなんかしていたのかという事情がわかれば、これはシュールどころか大変現実味に溢れる陰惨な事件だったのであり、「パブ・ジョークで終わらせるべき話じゃなかったんだよ」と言いたかったに違いない正統社会派のドキュ映画です。

 

この事件について知ったとき、個人的に疑問に思ったのは“またなんで中国人のみなさんも潮が満ちてきているのも知らずに貝掘り作業に熱中していたのだろうか”ということでしたが、要するに彼らは“バカタレでガラの悪い白人”階級(わからない人は先日のCBBに関するエントリー参照)の貝掘り作業従事者たちから殴る蹴るいたぶられるのフィジカルないじめを受けていたので、敢えて危険な夜間に作業を行うしかなかったのだということがわかり、それがわかってすっきりしたかというと全くそれがそうでもなく、なんともビターかつ暗澹とした気分になりました。

 

先日のCBBネタでも書いたことですが、英国の階級制度は実に多層化しており、わたしが居住しているような貧乏人街の居住者もかなり下層ではありますが、その下というのがまだ存在して、それはそのような地区に住むガイジン(白くないガイジンね。わたしやんか。ははは)であり、さらにその下にはビザも持たずに不法労働を行っているガイジン、つまり英国にいることになってない“GHOSTS”なんだけど実は英国経済の底辺を支えている外国人不法労働者たち。がいる。という構図があります。

 

んで、これはいつの時代になろうとも、何処の国であろうとも、少しも変わることがないのが、人間の鬱憤晴らしは常に下に、下に、下に向かうということ。その一番下層のどん底に位置し、この国に存在する資格すらない。私の存在自体が違法。という状況で生きる人間の目はあんなにもダークなものだろうかということをチャイニーズの皆さんの顔を見ながら思いました。

暗い目。暗さが強いんです。呪いにも似た。

 

英国では、ローティーンに学校で中国語とインド語を教えようじゃないかという動きが出てきているそうで、先日なんかもニュースで“経済的メリットを考えればもう欧州の言語をやっても何の得にもならん。中国語がやりたい”と分厚い眼鏡をかけた12歳ぐらいの少女が語っていたのが映っていましたが、そういう“未来の国、チャイナ”的なイメージと、英国の最下層に生きる中国人の皆さんの暗い目とのギャップは、ある種もの凄まじいものさえあります。

 

とはいえ、別にこの映画は中国が云々とか、不法労働者の実態とか、そういうことを描きたかった映画ではなく、むしろ英国という階層社会に定着し、もはやかけがえのない存在になっているのにみんな見ないふりをしている“GHOSTS”層を通して、この国の人民ピラミッドの不条理さが透けて見えるしくみになっている。と思いました。

 

CBBも英国の階層社会を考えるのに面白いネタではありましたが、この映画はまたちょっと違う側面からそれを見せてくれますので、英国在住でそっち方面にご興味のある方にはお勧め。(って言いながらわたしがこれを観たのは三週間も前の話なので、もう公開終わってるかもしれません。相変わらず何の役にも立たんことしか書いとりませんな。ははははは)

 

で、余談ですが、この映画を製作したのはチャンネル4。CBBで人種差別問題が盛り上がっていたときに、こういう映画を公開しとったわけですな。チャンネル4は。またもやタイミングよく。スプーキイったらありゃしない。

  
Posted by mikako0607jp at 09:39