ずいぶんと時間が経ってしまいましたが、今年の「長渕剛アリーナツアー」のことを書きたいと思います。
といっても、レポートではなくて私の個人的な思いですが。

今年は名古屋初日と大阪最終日に参加しました。
今年はいろんな出来事があり、体調も良くなくて行けるのかどうかっていう思いがあって、名古屋の初日は行けたということだけでほっとして気が抜けたというか、そんな感じでした。

おそらく20年間で初めての雨、路上ライブを楽しむゆとりもなく会場入り、なんとなく落ち着かない気持ちで二年ぶりの剛に会いました。
それでもスタンドのウエーブや、アットホームなガイシホールの雰囲気で次第に落ち着いてきて、剛が登場するころにはいつものようにしっかりと拳を挙げていました。
どうも体が勝手に反応してしまうようになっているみたい。(笑)

名古屋は引きが早いとかなんとかいろいろと言われているけれど、私はガイシホールの温かい雰囲気がとても好きなんです。
それにこの日はMCがとても長くて、「僕はどこにもいかないから」って言ってくれて、ほかにも剛の話をたくさん聞けたのがとてもうれしかったし。
いつもに比べて少し音が良くない感じはあったけど、「激愛」のギターを叩く音はこれまで聴いたことのないような別の世界の音のようにも感じるし、いつかどこかで聴いたような懐かしいような気もする、ずっとこのまま聴いていたいようなそんな音でした。
最後は「Hold〜」今の私が聴きたい歌がなんでわかったの〜!って心で叫びました。(笑)

大阪最終日は台風の真っ只中、雨にも負けず風にも負けずたくさんの人たちが大阪城ホールに集結しました。
大阪城ホールはいつものように熱く盛り上がっていましたが、最初のうち、なんだか人事のように思えてテンションが上がらない私がいました。

それが、思いもよらなかった「僕の猫」で涙が止まらなくなり、それから笛吹さんのギターの音、「He・laーHe・la」の山から神様のバージョン、「東京」「西新宿〜」と自分でも驚くくらいにずっと泣き続けていました。

息子たちが小さいころ、彼らは「僕の猫」と「風来坊」が好きで、「にゃあお、にゃあお、にゃあお」「ふっくらふっくらふうらいぼう(そうきこえたらしい)」って、歌いながら部屋中を走り回っていた光景が突然浮かんできたのです。
やっとひとり立ちしたばかりだというのに、もうすでに背中にいろんなものを背負い込んでいる息子たちがまだ無邪気な子供だったときのこと。
その後、剛の歌を聴いてきた自分のこれまでのことが次々と思い出されました。

ブラウン管の向こうで「順子」を歌う剛を初めて見て一目ぼれした時のこと、「夏の恋人」そのままのような明るく楽しいだけだった学生の頃のこと、自分の力でどうにもならないはがゆさに台所の片隅に座り込みキッチンドリンカー寸前だった頃「花菱にて」を何度も何度も聴いたこと、「相田みつを」のいのちの電話に電話をかけた日のこと、毎晩のように「素顔」を聴いては眠りについていた日々のこと。
そしてどうしても剛に会いたくて初めて行ったライブ「昭和」。

思い返すと今まで生きてきた半分以上が剛の歌と共にあった。
「俺は変わらないよ、ずっと昔から」って剛は言った。
そう、だから私は彼の心からの言葉を歌をずっと信じて今までやってきた。
いろんなことが思い返されてたくさんの涙があふれて落ちました。
最後は「STAY DREAM」、何度聴いたかわからないくらい聴いた歌。
くよくよするなよ、あきらめないで・・・

外へ出ると雨と風が一段と強くなっていたけれど、そんなこともまったく気にならず、帰ってからもなかなか寝付けずに、たぶん、朝方4時ごろに眠ったような気がします。