日本の職人を訪ねる男

三河うめ夫(MIKAWA UMEO)の職人訪問日記

其の四『尾張七宝焼職人の巻』

2011年11月12日訪問

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職人
加藤七宝製作所(愛知県名古屋市) 
尾張七宝焼職人 加藤 芳朗(かとう・よしろう)さん


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今回は気持ちの良い秋晴れ。初回から雨、晴、雨、晴と交互です。
そう遠くも無いんですが、西区は初上陸です。
庄内通駅から徒歩6、7分と大変便利なロケーション。


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駅のすぐ近くに120円のお好み屋さんがあり
「安っ!」と帰り写真を取ろうと思っていたのに忘れた…
しょーないなあ〜


お店にて 

実は今回もお伺いするのは初めてだったのですが
加藤さんを特集したTV番組が先日放映されまして
そちらで予習させて頂きました。
なのでお店の入口を撮るのをすっかり忘れていました。
(言い訳 長〜…)

P1020535応接室にて
凄い、美術館では無いですよー

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間髪入れず、尾張七宝の特徴の一つを紹介頂く
金属素地の上に丁寧に銀線を立てていく
植線工程の途中品

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植線された模様に何度も釉薬(ゆうやく)を指し、
焼成、研磨の結果この様な美しい
ペンダントになります。
花瓶、額というベースも大切にしながら
新しい分野を開拓されています。
正に温故知新!

ここ迄で既に盛り上がってしまい1時間!
本当にありがとうございました。

ようやく工房にお邪魔します

P1020560緊張しました
ここから尾張七宝が産まれているのかと
思うと既に感慨深くなっておりました

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【七宝焼きの工程について】
大変多くの工程を経て出来上がります。
各工程だけでも十分職人ワザですが、ここまでくると
正にワザのデパート状態!

工程についてはうっとりする様なホームページが
ありますのでそちらでお願いします (アドレスは下記)
(このホームページを見ると私が訪問したくなった
 理由が分かって頂けると思います…)

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ということで、以下ど素人のベタ感想で失礼します
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工房の戸棚ににあった最初工程の
金属素地、これ、手で彫刻されているんです。
何層も上塗りされる前のベースでこの
細かさ。日本の誇りここに在り。

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釉薬の元。色ガラスの破片がベースなのだそうです。
戸棚には非常にたくさんのこの様な
ケースがありました。秘伝の絶妙の配合で
炉で溶けると多彩な色に変化します。
試行錯誤を数えきれない程繰り返した末の結晶。

P1020606
炉に入る前。釉薬が溶けて発色します。

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炉に投入。炉内の温度は上下で微妙に違い
且つこれだけの大きさ、形状のものを
均等に溶かして色付けするのは至難の技です!
一段とオーラを感じます。

P1020628
焼き上がり。この焼成工程が何度も
何度も繰り返されていきます。

完成作品はホームページで。うっとりします。


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【感想】
 
ワザを拝見しながら、明治期についてお話を伺いました。
「明治期に日本の工芸はそのピークを迎えたのかも知れない」

近代の夜明けで奇跡の発展を遂げたのは政治経済だけでは
無く、日本工芸も一気に花開いた。それは鎖国という期間に
しっかりと醸成され、蓄積されたエネルギーが明治期に
一気に放出されたからなのか。

武士の時代からは物質的には豊かになった。が、何か
停滞を感じる。それを打破してくれるのが、
「心の豊かさ」なのかも知れない。

加藤さんの取り組まれている『伝統工芸の新しい形』が
我々にも容易く「心の豊かさ」に触れるきっかけを
与えてくれている。


○●○●○●○●○

プロフィール<
加藤 芳朗さん

1979年愛知県名古屋市生まれ
2005年愛知県立美術大学美術学部デザイン科卒業後、
25歳より家業である七宝の道に入る

NHK BS 『美の饗宴』シリーズ 世界が驚嘆したニッポン(2)
「色彩の攻防 七宝・飛躍の30年」主演
七宝教室の主催、「七宝焼きアートビレッジ」での定例実演会等、
幅広く活躍中

興味を持たれた方の問いあわせは以下コメント欄にお願いします。
有限会社 加藤七宝製作所
ホームページ http://katoshippo.com/

其の参『シザー研ぎ師の巻』

2011年10月30日訪問

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職人
研ぎ師 すずしん(愛知県蒲郡市) 
シザー研ぎ職人 鈴木 信治(すずき・のぶはる)さん


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今回は残念ながら雨。同じ三河ということもあり1時間位で着く
かなあと思いながら車で向かってると、道中順調で40分程度で
到着。良くみかんを買いに来る近くだったことが判明。
 



P1020523音羽蒲郡ICから15分位

途中、雨だけど大丈夫ですか?と携帯に電話を頂いて
おりました。気付かずに大変失礼を致しました…


作業場にて 

今回はこの扉の向こうから始まります!
P1020429扉を開けると


ガラガラ〜↓
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今回の作業場は車デス。
移動式なので急な要望にも出張対応できます。

P1020452
何種類もの研磨ベルトを使い分けます

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ベルトグラインダーで半完成品の刃先を
刃先に向けて鋭角になる様研いでいきます

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刃の先端にハンマーで加減を加えてハサミの先端に
反りを入れます、弱いと反りが入らず
強いと折れてしまうそうです

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自分の感覚+実際測定して仕上がりを
絶えずチェック。関係ないですが、仕事柄
美容師さんとお付き合いが多いからか
ヘアスタイルカッコいい〜

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生首登場、では無くハサミの切れ味の確認用。
サンプルとは言え出来れば夜の同乗
は避けさせて頂きますー(笑)

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「たらし」工程。スキバサミのみの工程
微妙な加減が必要、ワザここに有り

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バフで刃付け、磨きの仕上げが入ります

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魂のこもった刃付けによって形状に
『切る』という機能が加わる

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【感想】
 
普段ハサミは切れて当たり前だと思っている。
しかし刃付けがされていないと全く切れない。

2万丁以上のハサミを研がれた経験より、材質、
相性を見極め、己の感覚、更には体調までも
考慮しながらハサミに「切る」いう機能を加え
プロの美容師に引き継ぐ。

『切れ味を付ける指』に脱帽。

○●○●○●○●○

プロフィール<
鈴木 信治さん

1978年愛知県安城市生まれ
岐阜での修行後、2003年開業


興味を持たれた方、お問い合わせは以下コメント欄にお願いします。
研ぎ師 すずしん 
suzushin@js.ciao.jp 

其の弐『畳職人の巻』

2011年10月8日訪問

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職人
伊藤製畳株式会社(滋賀県高島市) 
畳職人 伊藤 潤(いとう・じゅん)さん


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気持ち良すぎる位の晴天の中、稲刈りの終わった近江平野、
太陽の光に
キラキラと輝く琵琶湖を車窓から眺めながらだと
3時間もあっという間
(気持ち良すぎて半分以上寝てたからか)
に近江高島駅に到着。


P1020364 P1020366洋風なお方に駅前で迎えられる

駅にわざわざお迎えに来て頂く(本当にありがとうございました)
初対面なのに特徴も伝えず待ち合わせしてシマッタなと思ったが、
伊藤製畳(株)のトラックが直ぐに見えたので一安心。
爽やかなお兄さんのトラックに早速乗り込み工場へ直行。


作業場にて 

「お父様と二人で作業されている」という事でしたが、
スッキリした、大きな作業場です。

P1020270この他にも建屋アリ
お休みにも関わらず、全てのシャッターをオープン頂き
先ずは隣のワラ床製作場から工程を紹介頂く

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【畳の構造について】

ここで「畳の構造ってどうなってるのですか?」と恥ずかしながら
聞いちゃいました。ご丁寧に教えて頂き、以下の通り理解しました。

・畳は中央の芯「畳床」(5cmくらい)、それを包む「畳表」
 (ゴザ)、畳表を留める「縁」(琉球畳には無い)から成る
・「畳床」はワラを圧縮した従来のワラ床とインシュレーションボード
 を用いた床があり、ボードを希望される方が多い。


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で、ワラ床の製造工程へ
 P1020276
近江平野で育ったワラを乾燥させています

P1020282
乾燥したワラを縦横ぎっしり重ねて圧縮

P1020310
畳表のい草は長い方(写真下)が真ん中の
良い部分をたくさん使用できるので良いそうです


P1020320
畳表を取り付ける工程

P1020329
縫い付けています

P1020341
「自宅をこの縁に変えませんか?」って
ススメられました。(ウソです。)
保育園からの受注があったそうです!

P1020354
畳に縁を取り付けていきます

P1020358
この後縁が手前にペロンと来て下の写真の
様に仕上がっていきます


P1020334
縁が付きました

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【感想】
 
一旦畳と向き合うと、手さばきが大変柔らかく滑らか。
洗練されている。

時代の流れと共に琉球畳、バリアフリー畳などバリエーション
が増えてきているそうだが、畳文化を守り、伝えていきたいという
想いを強く感じた。
又、製作だけでなく地域の皆さんへのお届けもされており
畳が入れ替わると「気持ちがええわ〜」と大変喜ばれる
瞬間が好きだとの事。

『畳から繋がる地域の和』 失礼。

○●○●○●○●○

プロフィール<
伊藤 潤さん

1982年滋賀県高島市生まれ
大阪で2年畳の製法について学んだ後、3代目として家業を継ぎ
畳職人の道に進む。

興味を持たれた方、お問い合わせは以下コメント欄にお願いします。
伊藤製畳(株)第二工場 0740-36-1789

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